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「ちょっと試しにRPA」で出せる成果は?経営に与えるインパクトは意外と大きい

この記事では以下のことがわかります
・RPA導入には「社員の自発性」が重要
・「お試し」だけでも年間100時間以上の削減効果
・「BPR的な視点」と「業務に対する主体性」という社員育成的な効果も大きい

はじめに

いまや大手企業の8割は導入・トライアルを開始しているというRPAですが、価格が高価なものもあり、「購入したとして、ちゃんとペイできるだけの効果が出せるのか?」と導入に慎重になっている企業・部署の方も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、「ちょっと試しにRPA」でどのような効果が出せるのか?経営にどんなインパクトを与えることができるのか?ということを軸に、RPA導入を後押しできるような「効果」についてお話したいと思います。

巷にあふれる「成功事例」と「失敗事例」

「後押しできるような」と申し上げておいてなんですが、巷にはRPAの成功事例だけでなく、「失敗事例」も見かけるようになってきました。
実際、私が以前いた会社でも見事に失敗し、成果を取り繕って進退窮まっている担当がありました。
「効果」をお話しする前に、彼らが何故失敗するのかを簡単に紹介したいと思いますが、実はそんなに難しい話ではありません。様々な要因が複雑に絡み合っている場合もありますが、大抵その根幹にあるのはたった一つのシンプルな理由である、と私は考えています。

—-それは、「現場の合意が取れていなかった」ということです。

これまでの「会社組織」というのは、基本的にトップが物事を決め、社員はそれに従うというスタイルでした。かつて市場が右肩上がりだったときにはそれが最も効率がよかったのですね。しかし、その組織運営が、RPA導入時には大きな障害となります。RPAは「明文化されていない業務」まで把握した現場の社員が、自発的に、ボトムアップで取り組むべきツールです。そこを見誤れば、御社の取り組みも「失敗事例」の仲間入りをしてしまう恐れがあります。

「成功事例」の効果

さて、失敗事例の話はもう忘れましょう。「社員の自発性が重要」だけ覚えておけば7割は成功したようなものだと私は考えます。そのためのお膳立ては各社の状況によって違うと思いますし、本稿の主題ではないので他の記事に譲ります。ここからはお待ちかねの「導入効果」についてお話をします。

アビームコンサルティングが、日本RPA協会、RPAテクノロジーズ、同社におけるRPA関連の問い合わせ(3940件)、導入実績(290件)を分析した調査によれば、『97%の導入企業において、作業の5割削減を達成』という結果が出たそうです。「でもそんなの、大企業の結果でしょ?」と思われるかもしれませんが、たしかに導入にまで至った企業の69%が売上高500億以上の企業とのことですが、31%の企業は500億未満であり、比率としてそこまで少ないわけではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。これがRPAの威力なのだなぁと、私自身この調査結果を見て感心してしまいました。

「お試し」の効果

大規模/本格的な導入事例の効果がすごいのはお分かり頂けた、という前提で、次に「お試し」のレベルでどれだけの効果があるのか?というお話をします。
RPAツールはトライアル期間が定めてあるものがほとんどなので、トライアルの段階でできるだけ成果を挙げておければ導入もスムーズになると思われます。何より、あなたが現場マネージャーならば上層部への説得が、経営トップレベルの役職ならば現場社員への合意が得やすくなります。どちらも「ボトムアップを実現する」という意味で、その後の本格導入のために押さえておきたいステップですね。
さて、「お試し」に限定した稼働削減効果といった数字を集計している組織があまりないようなので、恐縮ながらここからは私の経験した範囲でのお話になります。私は以前、某大手企業で育成担当をしていました。その時RPA導入のサポートも行っていたのですが、「まず試しに一つの業務についてだけ自動化する」という形で導入を支援していました。だいたい1~2ヶ月程度サポートすると自律的にRPAによる業務自動化を実施できるようになるのですが、その結果得られた稼働削減効果は、平均して「週2~3時間→年間100~150時間程度」となっています。
この削減時間ですが、私はシステム担当ではなく育成担当として支援したため、「最初の一人」への支援による削減時間でした。つまり、「1~2ヶ月程度」「お試しで」「たった一人だけ」「一つの業務を」自動化しただけで、年間100時間程度は業務稼働を削減する効果が得られた、ということです。

誰でも「単純作業」を抱えている

トライアルのみの数字というのがなかなかないため私の経験の範疇のお話になってしまい恐縮ではありましたが、この数字に関しては恐らくどこの企業のどなただとしても、それほど大きな差はなく実現できる数字だと思います。
といいますのも、企業における「仕事」というのは、基本的には「ある定められた手順の繰り返し」であり、乱暴に括ってしまえば「ルーティンワーク」です。その「ルーティン」がどの程度の大きさのループなのか、という問題なわけですが、RPAをお試しで導入する場合、なるべく小さめのループを持ち、多数繰り返すルーティンワークを自動化する、ということになります。
そして、どこの担当のどんな人だとしても、概ね週2時間程度はそのようなルーティンワークを抱えているものなのではないか、というのが私の個人的な見解で、その意味で「誰がトライアルしても年間100時間程度は効果が出せる」という結論を導いています。

効果は単純な「自動化」だけではない

また、RPAのお試しで得られる効果は稼働削減にとどまりません。
RPAの導入により、担当者には「自分の業務フローを明確化する」という必要性が出てきます。それによって「無駄なフローの発見」や「自動化を前提とした場合のフローの見直し」といったBPR的な視点が出てきます。
加えて、自らが率先して主体的に業務自動化を行う「ボトムアップ」での仕事を体験することで、自分発信で業務を行う成功体験を積むことができ、業務に対する主体性も育まれます。私が「育成担当」でありながらRPA導入のサポート業務に従事していたのは、まさにこの「BPR的な視点」と「業務に対する主体性」が身につくという効果が社員育成的な要素であったから、ということに他なりません。

まとめ

「ちょっと試しにRPA」で得られる効果について、私の体験を軸にお話して参りましたがいかがでしたでしょうか?
社員一人当たりの時給換算額は企業によっても異なるでしょうが、福利厚生など諸々含めると時給2000円はこえてくるのではないでしょうか。年間100時間の稼働削減ということは、それだけで年間20万円程度の効果になります。それが1~2ヶ月程度の取り組みによって得られ、その削減稼働を利用してさらなる自動化を推進していけるとなれば、業務の自動化による効果は雪だるま式に増えていくといえるでしょう。
前半でご紹介したように、「97%の企業で作業の5割削減を達成」というのも十分にうなずける結果ではないでしょうか。
何より、市場が停滞もしくは縮小し、PPAPがバズったり東芝が買収されたりする先行きの予測ができない現代において、「社員がBPR的な目線を持ち、業務に対して主体的に取り組む」という効果を生み出すRPAというツールは、稼働削減以上に会社経営において大きな意味を持つツールであると私は考えます。御社の経営に、ひいては日本社会全体の活性化のためにも、是非RPAツールの導入を検討し、まずはトライアルでその威力を体験していただきたいと思っています。

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