スタートアップがwebサービスを作るときには、「webじゃなければできないこと」を探さないほうが良い。
一見逆説的ですが、webサービスを作りたいなら、「webじゃなければできないこと」を探さないほうが良いです。
こういうことを言うと、「すでにある物を、web上に乗っけただけじゃダメだ」と言う批判を主に技術者の方からされますが、「すでにある物をwebに乗っけるだけ」のほうが、成功する可能性ははるかに高いと思います。
技術者の方は、「自分のウデを試したい」と言う欲求があると思いますので、殆どの人は「今までにないものを作りたい」といいます。でも、「今までにないもの」というのは、結局のところ「マーケットがあるかどうかもわからないもの」と言ってもいいでしょう。
例えば、「余っている30分を売ります」という触れ込みの、「タイムチケット」というサービスが有ります。
でも、多分立ち上げはとても大変だと思います。
なぜかといえば、「今までになかった」からです。もちろん、誰かの手伝いをするという事は誰にでも経験があると思いますが、それを「売る」と言う発想を持つ人はあまりいないですし、「買う」と言う経験を持つ人もほとんどいないと思います。
だから、このサービスは自分たちで、「マーケットを作らなくてはいけない」のです。マーケットを作るには、資金と時間が必要です。スタートアップにそれが耐えられるでしょうか?
Amazonも、Googleも、Airbnbも、Uberも、「すでに市場があったもの」をそのままwebに載せ替えているだけです。本屋、広告、旅館、タクシーはすでに皆が知っており、利用法も広く知られています。
タイムチケットは、それらをすべて自力でやらなくてはいけないのです。それは、とても大変だと思います。
夢を追うのは良いことです。でも、スタートアップは資金も時間もあまりありません。
だから、webサービスを作るときには、「webじゃなければできないこと」を探さないほうが良い、と考えていたほうが良いのです。