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Googleが買収したLookerとは?独自技術でビッグデータの分析が可能に

今やGoogleで調べれば何でもわかる時代です。しかし、自社の販売データや顧客データは検索しても、当然何も出てきません。

「社員みんなが自社のデータを知らないのはおかしい」という考えから生まれたLookerは、ビッグデータ分析を身近なものにします。その技術がGoogleの目に留まり、2019年6月に巨額な金額によって買収されました。

Googleが買収したLookerとは何か?自分の生活にどう影響があるのか?についてご紹介します。

Googleが買収したLooker(ルッカー)について

Lookerとはビッグデータの分析ソフトウェアを提供する企業

Lookerは、2012年にアメリカのカリフォルニア州で設立された会社です。大量のデータを分析する技術を得意とし、データの安全性を守りながらスピーディに分析できます。

ビジネスでは「データ分析」という言葉がよく使われますが、初期のデータ分析ツールは時間がかかるというのが問題でした。大量のデータを分析するので無理もありません。

今では多くのデータ分析ツールがありますが、分析ツールに大事な企業データが残ってしまうという問題が残りました。特にデータの分析を外注している企業としては、大事な顧客データを渡しているのですから不安になりますよね。

Lookerは、そんなデータ分析ツールにありがちな「分析が遅い」「データがツールに残ってしまう」という問題を解決できるんです。そのためアメリカでは評判がよく、大手企業も導入しています。

参照:Looker公式サイト
https://ja.looker.com/

LookerはYouTube上でわかりやすい動画コンテンツも配信しています。日本語訳も付いているので、興味がある方はぜひご覧ください。
YouTube公式動画:「Looker Overview」
https://www.youtube.com/watch?v=krXaBEi3f1s#action=share

LookerはSaaaSに提供するBIカテゴリー

「SaaS」や「BI」という言葉は、なじみがない人にとっては「何、それ?」というものですよね。順番にご紹介していきます。

まずSaaS(サース)とは「Software as a Service」の頭文字を取った言葉です。インターネット経由でパソコンにインストールできるソフトウェアをSaaSといいます。具体的なものでいうと、サイボウズOfficeなどがそれにあたります。

SaaSの詳しい記事については、こちらをご参照ください。
参照:「IaaS/SaaS/PaaS/DaaS、それぞれのちがいを詳しく説明」[智子1]

IaaS/SaaS/PaaS/DaaS、それぞれのちがいを詳しく説明。

そして「BI」とは、ビジネス・インテリジェンスの略です。会社の中では、顧客データや出荷データ、販売履歴など部署ごとにたくさんのデータが点在しています。

その部署ごとに集まったデータを集約して分析することで、さらにビジネス戦略に活かしていくことをBIといいます。

つまりBIツールとは、ビジネス・インテリジェンスのために使うツールのことです。企業の意思決定には分析データが欠かせませんので、Lookerは企業にとって重要なツールとなります。

買収金額は2800億円を超える

GoogleはLookerを買収したわけですが、買収金額は26億ドルでした。日本円にしてなんと2800億円以上とかなり規模が大きなものです。

Googleは最新技術を取り入れたスタートアップ企業を買収して、次々に自社ビジネスを広げています。2006年にはYouTubeを買収しており、その時も2000億円という巨額な買収金額を支払っています。

Lookerの買収は2800億円なので、YouTubeよりも800億円も高額な金額です。Lookerは日本ではまだメジャーではないものの、アメリカでは知名度を高めている企業です。Google以外の巨大企業もLookerの買収を狙っていたのかもしれませんね。

Googleが2800億円も払ってまでLookerを買収したということは、本気で取り組みたいビジネス分野があると予想されます。

GoogleはLookerでマルチクラウドに注力か

Lookerは前述した通りデータ分析に関する独自の技術を持った企業です。また、1つのデータベースだけではなく、BigQueryやSnowflakeといった50以上のデータベースにアクセスできるので、マルチクラウド環境にも対応しています。

そんなLookerを買収したということで、GoogleはLookerの技術の買収によって、マルチクラウド市場を攻めようと動いていることが窺えます。

Lookerが注目されている理由

・独自言語でデータの一貫性が保たれる
企業に点在するデータを集めて分析するには、それなりの技術が必要です。つまり、営業マンや事務スタッフが「ちょっと分析しよう」と気軽に扱えるデータではないことを意味します。

その結果技術者にお願いをするわけですが、技術者の手順などが影響して、同じデータを使っても結果が違うケースもあります。その点Lookerは独自の言語を使って分析を行うので、誰が分析しても同じデータを導き出せるのです。

・データベースを持たない
Lookerには、データを保存するためのストレージ領域がありません。データベースに直接アクセスして分析を行うので、Lookerにデータが残らない仕様になっています。この部分が、「Lookerはセキュリティ上安全」といわれるポイントなんですね。

Googleのマルチクラウト「Google Cloud」について

Google Cloudとは

Google Cloud Platformは、Googleが提供するクラウドコンピューティングサービスです。GmailやYouTubeといった世界中にユーザーがいるサービスの基盤を支えており、それらのサービスとも相性が良い点がメリットとなります。

もちろん日ごろお世話になっているGoogle検索エンジンも、Google Cloudが支えています。セキュリティも高く価格ラインナップも豊富な点から、多くの企業で導入されているんです。

クラウド市場では出遅れているといわれたGoogle

クラウド市場では、Amazonが2006年にリリースしたAWSが最初といわれており、Googleは少し遅れてクラウドサービスをリリースしました。その出遅れが影響しているせいか、Googleはクラウド市場ではAWSやAzureといった製品に押されがちで、少し影が薄い存在でした。

しかしGoogle Cloudのユーザー数も伸びてきており、2019年4月にはアメリカのIBMと同じような戦略の見直しを行い、巻き返しを図っています。今回のLooker買収で、クラウド市場でも勢いを増すかもしれません。

日本市場にも参入したLooker!Googleの買収で浸透が深まる

「日本の市場は巨大」と語る

Lookerは2015年から海外事業を始めましたが、アジア・太平洋地域の中で真っ先に進出したのが日本でした。

2018年には日本に進出しており、当初は日本事業の担当者が1人だったのに対し、2019年2月には18人に増員しています。これからさらに倍増させる予定があり、日本での浸透を本格的に狙っています。

2019年には日本語のライブチャットもスタート

Lookerはカスタマーサポートが充実していることでも評価を得ています。カスタマーサービス部門を「カスタマー・ラブ」部門というほどユーザーを大切にする側面があり、日本の企業と考え方が似ています。

そのためLookerは、日本以外ではユーザーとの関係を作るのに8カ月や1年かかる所を、日本では4か月弱しかかからないと言います。2019年2月4日からは日本語によるライブチャット形式のサポート体制も整えており、日本のユーザーの満足度を上げています。

参照:BUISINESS INSIDER「意思決定をデータと“Customer Love”で応援 —— シリコンバレーが支持するLookerとは何か」
https://www.businessinsider.jp/post-186349

日本法人も設立!大手日系企業も導入スタート

Googleの買収によって有名になったLookerですが、日本の大手企業もすでに導入を始めています。有名な企業ではフリマアプリの「メルカリ」や求人広告などでおなじみの「リクルートマーケティングパートナーズ」が導入しており、国内でも20社ほどが導入しました。

そして2019年6月にGoogleに買収されたことにより、これからさらに日本企業にも注目されていくでしょう。もし自分の会社に導入されれば、誰でも簡単にデータの分析ができることになります。

Lookerを使えば、特別な技術を持っていなくてもデータが分析できるようになります。ある日上司に、「あのデータ分析しといて」と気軽にいわれる日が来るかもしれません。

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