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Googleの建設技術を支えるGenieとは何?未来の都市構想

Googleが建設業界に乗り出すというのは突然始まったものではありません。
Googleの秘密開発部門で以前より検討が行われ、形になりつつある状況なのです。
ここではGoogleの建設技術を支えるプロジェクトGenieの概要をはじめ、Googleが建築関連の事業として描いている未来像についてあわせてご紹介します。

Googleの秘密開発部門「X」とは

「Genie(ジーニー)」とはGoogleがかつて行っていたプロジェクトのコードネームです。
まず、Genieが生まれたGoogle内の組織についてご紹介します。

「Google X」はGoogleの魅力を創造する部門

Google Xは新しいものを生み出すために作られた組織です。(1)
しかし、いわゆるR&D(研究開発)部門とは考え方が異なります。
Googleには「Google Research」という組織があり、既存ドメインにおけるユーザーインパクトや新技術の開発などを受け持っています。(
2)

これに対してGoogle Xは、Googleの実験的な部門としてGoogle Researchとは異なるミッションを持っていました。
既存の事業ドメインをまったく考慮せず、世の中にまったく存在しないものを創造するために活動を行っていたのです。

Google Xでは前例のない結果を生み出すために、彫刻家や哲学者・機械工、SFXのアカデミー賞受賞者など各分野のプロ集団が在籍していました。
なお、Google Xは現在解体され、その思想は別の会社に引き継がれています。

Genie発足のきっかけは建築業界の無駄と住宅不足

Genieは、Google Xで2011年ごろに生まれたプロジェクトです。(*3)

Genieが発足した際、当時の建設業界は大産業でありながらエネルギー的な無駄が多いと分析されていました。
・世界のGDPの10%
・世界の資源と原材料の50%、エネルギー供給の48%を消費
・世界の産業廃棄物の40%、温室効果ガスの50%を排出

さらに都市人口が急増する一方、都市の住宅需給バランスが悪く、十分住宅がないという問題も挙げられました。
・都市に住む35億人のうち、3分の1にあたる約10万人はスラムに住んでいた
・世界の都市人口は今後40年間で2倍になると予測、2050年までに世界の住宅在庫を2倍にする必要がある

このような建築業界にかかわる問題を改善すべく、さまざまな専門知識を用いて建設技術の向上を目指したのです。

Genieは万能の魔人になぞらえたプロジェクト

Genieとは、千夜一夜物語「アラジン」の登場人物で、ランプから出てくる「万能の魔人」になぞらえたものです。(*3)

プロジェクトの予算は500万ドルで、10人の上級コンピューターエンジニアとプログラマーが在籍し、のちにエコノミストや不動産、マーケティングの専門家が加わりました。

Genieは、前述の課題を解決するために、高い品質とできるだけ環境負荷をかけない建物を建設する革新的なテクノロジープラットフォームの構築がねらいです。

Googleの試算では、Genieは以下の効果があると想定されています。
・年間1,200億ドルの利益
・一般な建設費を30〜50%節約
・計画から市場投入までの時間を30〜60%短縮

Google Xの事業は別会社へ継承

Google Xの事業は、別のベンチャー会社のVannevar Technology Incに継承されました。
Vannevar TechnologyはGoogleエンジニアが設立したベンチャー支援のスタートアップで、のちに社名をFlux Factory Inc.に変更しています。(*4)

FluxはGoogle Xが2050年までに世界の住宅在庫を2倍にするとしていた思想を受け継ぎ、2050年までに39億人分の住宅を作ることを目標としています。(*5)

この目標は、発表時の2014年から住宅を建てつづけた場合、100人が住める住宅なら毎日3,000棟、500人が住める住宅なら毎日600棟を建てれば達成可能です。

Genieの正体はGoogle版のBIM

多くの住宅を建設することを目標に掲げたGenieですが、具体的にどのような建築技術なのかについてご紹介します。

Genieは建設技術のプラットフォーム

Genieのポイントは以下の3点です。(*3)
・超高層ビルや大きな建物の設計プロセス
・建築家やエンジニアを支援
・オンラインベースのプロジェクト計画アプリケーション

これらを実現するには、建築家や設計エンジニア用のツールや高度な分析、シミュレーション機能が求められます。
つまりGenieのプロジェクトは、Google版のBIMの構築といえます。
設計や建設プロセスを標準化、自動化し、人が考えるべきところを中心に設計できるように仕組みが整えられているのです。

自動化のポイントは法規制の統合

Fluxで開発したツールでは、建物を建てる際に必要となる土地の建築規制や環境規制が盛り込まれているのが特徴です。(*6)

一般的に、ある建築物を新規建設する場合、設計や建設そのものにかかる時間よりも「その建物をその土地に建てて問題ないか」という法規制に適合するかを確かめるのに大きく時間が取られます。
設計をする場合は、設計者が容積率など法規制の情報を都度参照し、頭に入れながら形状を作成します。

しかし、Fluxのツールを用いれば、形状と法規制の適応状況が一対となっています。
設計側ももちろん、建物の建築を承認する側からみても作業効率が大幅に向上可能です。

Googleは建設技術を確実に積み重ねている

Genieはひとつのプロジェクトでしたが、GoogleやGoogleの関連企業は建築技術をたくわえ、確実に現実化へ向けて準備をすすめているのです。

カリフォルニアに住宅を建設

2019年には、GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏が「Googleは、10億ドルを投じて2万戸の住宅を建設する計画がある」と発表を行いました。(*7)

立地はカリフォルニアのベイエリアが予定され、2万戸のうち1万5千戸は一般住宅、残りの5,000戸は、投資ファンドなどを活用して低所得者向け住宅の建設が想定されています。

この発表は、Google Xで検討していたプロジェクトが、Googleの事業として形になったものといえます。

Googleの親会社はスマート都市の構想も

一方、Googleの関連会社でも建設技術にかかわる企業があります。

スタートアップの「SideWalk Labs(サイドウォークラボ)」は、Googleの親会社である「Alphabet(アルファベット)」のCEOであるラリー・ペイジ氏が主導する企業です。(*8)
この企業は、都市インフラ全体を向上させるプロジェクトに焦点をあわせることで、都市問題の解決を目指しています。

また、Googleが出資しているスタートアップの「URBAN Engines(アーバンエンジン)」は、都市交通分析システムを有しています。

さまざまな建設技術などをを組み合わせると、Googleや関連の企業の技術だけでまかなえるGoogleだけの都市を構築する可能性が見えてきます。

Googleの建設技術は特許にも現れている

Googleが出願している次世代建築技術分野の特許には以下のような分野があります。(*9)

・住宅(戸建、集合)
・スーパーマーケット
・スマートハウス
・ビル関連
・工場
・オフィス(事務所)
・公共施設
・倉庫・車庫

さまざまな分野で建築技術を培っていることから、Googleによる未来都市を実現する余地が大いにあるといえるでしょう。

まとめ

Genieとは、かつてGoogle Xが建築技術を構想する際のプロジェクトの名称として使われていたものです。
Googleでは建築業界が抱える課題や都市の住宅問題を解決するためにさまざまな技術を蓄積しています。
将来的には、Googleの技術を使った街ができるかもしれません。

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参考URL

*1 http://blog.synchroltd.com/google-x-spinoff-developing-confidential-construction-genie

*2 https://research.google/

*3 https://en.globes.co.il/en/article-1000886261

*4 https://en.globes.co.il/en/article-google-spin-eli-attias-building-technology-renamed–1000940257

*5 https://xtech.nikkei.com/kn/article/it/column/20141027/681309/?P=3

*6 https://active.nikkeibp.co.jp/atclact/active/15/081800090/081800002/

*7 https://blog.google/inside-google/company-announcements/1-billion-investment-bay-area-housing/

*8 https://s.japanese.joins.com/JArticle/218803?sectcode=330&servcode=300

*9 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/30_03.pdf


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