1. TOP
  2. ブログ
  3. 日本導入が待たれるGoogle MVNOは格安SIM市場を塗り替えるか

日本導入が待たれるGoogle MVNOは格安SIM市場を塗り替えるか

GoogleがMVNOを自ら手がけ始めたということで話題となったGoogleの「Project Fi」が、「Google Fi」と名称を変えてサービスを更新しました。

この記事では、Google Fiの目指すところはどこなのか、日本にGoogle Fiが上陸する可能性になどついて説明します。

この記事を読むと以下の3つが分かります。
・Project FiからGoogle Fiに変わった理由とサービス内容
・Google Fiが目指すところとは
・Google Fiは日本に上陸するか

 

Project FiからGoogle Fiへの変遷

 

Google Fiはサービスがスタートした2015年4月当初は「Project Fi」としてサービスをスタートさせました。

Project Fiの概要はT-Mobile USAとSprint、US CellularのモバイルネットワークとGoogleが認定するWifiスポットを自動的に切り替えながら安定した通信環境を提供するというものです。

利用料金は基本料金が20ドルで1GB毎に10ドルが課金され、使用しなかった分は翌月に繰り越されるというもので、従量課金に近い料金プランであることが話題となりました。

しかし、サービス単体で考えると携帯キャリア単独との料金比較だとそれほど安いともいえず、複数の携帯キャリアを切り替える需要がある人やWifiを積極的に利用して料金を節約したい人にしかおすすめできないサービスでした。

また、Project Fiを利用する事ができるのはモバイルネットワークとWifiの切り替えなどの独自機能を実現するためとは言え、Googleが販売する機種のみという制限があり、Google製の端末を購入させるための施策の一つとして考えられてきました。

しかし、Google Fiに名称を変更してからはLGやサムソン、htc、MOTOROLAと言った人気メーカーをサポートし更にiPhoneにも対応するようになりました。

つまり、Google Fiに進化することによってGoogle端末専用のモバイルネットワークサービスだという印象から、一般的にMVNOと言っても良いサービスに進化したと言っても良いでしょう。(但し、モバイルネットワークとWifiのシームレス切り替えに関しては依然としてGoogle指定の端末に限られます。)

では、GoogleはProject FiからGoogle Fiにサービスを更新することによって何を目指しているのでしょうか。

 

Google Fiが目指すところとは

 

Google Fiの注目するべきポイントは利用料金の安さではありません。

Google Fiが画期的なのは、アメリカの通信環境にフィットしているところにあると考えられます。
アメリカの通信環境のどこにフィットしているかというとGoogle Fiが複数の携帯キャリアと対応したWifiスポットをシームレスに端末側が切り替えることによって常に安定した通信を提供しているという点です。

Wifiスポットを利用する際も、Google FiがWifiスポットを使用する場合には独自の暗号化が行われることによって、安心して通信を行うことができます。

アメリカのような広大な国土の場合、日本のように携帯会社1社で全てのエリアをカバーすると言うことは難しく、どこに行っても安心して通信を提供し続けるためにはGoogle Fiのように複数の通信から最適なものを選択するというやり方が画期的だったのです。

Google自身が言っていますが、Google Fiが目指している、アメリカのような広大な国土であっても関係なくどこにいてもインターネットに繋ぐことができる世界を実現するということなのです。

その点において国土の狭い日本では、携帯ネットワークは1社単独で人口カバー率90%を超えている物がほとんどですし、屋内から地下鉄までモバイルネットワークが通じているので、Google FiなしでもGoogleの目指す世界は達成できていると言ってもいいかもしれません。

これでわかる!iPhoneでの「Googleレンズ」の使い方

 

Googleが目指すGoogle Fiの先にあるものとは

 

Googleは、携帯キャリアからネットワーク帯域の一部を借りてそれをユーザーに提供するという、いわゆるMVNO(仮想移動体通信事業者)です。

携帯キャリアからのネットワークで大部分をカバーし、WiFiが使えるところでは自動的にWifiに切り替えるようになっているのは説明したとおりです。

しかもWifiでの通信料金はGoogle Fiのデータ通信量の計算に含まれませんので、ずっとWifiで通信することができれば、通信費は基本料金の20ドルにおさまる計算になります。

Googleの戦略を考えるときGoogle Fiだけではなく、Googleがすすめている他のサービスも見る必要があります。
Googleは公衆Wifiを整備する計画も同時にすすめています。

人工衛星を使って世界中にインターネットを配備する計画「Google Satellite」や、気球を使ってWiFi接続を空から供給する「Project Loon」など、Googleは携帯キャリアによる通信ではなくWifiを世界中に張り巡らせたいのかもしれません。

Googleの無料で高速なWifiサービスが世界中に広まれば、それこそ世界の構造が変革する可能性すらあります。Googleが目指す世界というのは「誰もが”無料”で高速にインターネットにアクセスできる」世界なのではないでしょうか。

Googleからのおこづかい!『Google Opinion Rewards』とは?

 

Google Fiは日本に上陸するか

 

では、GooleがGoogle Fiを日本でサービス開始する可能性はあるのでしょうか。
普通に考えるとすでに日本のMVNOはGoogle Fiよりも安くて高品質であるといえます。
Googleが通常の営利企業の用に利益を求めるのであれば、日本でGoogle Fiのサービスを行う理由はないと言えます。

しかし、筆者はGoogleがアメリカで行っているGoogle FiではGoogleはそれ自体で利益を出すことを求めているわけではなく、未来の技術を実現するための実験の一つではないかと考えています。

日本では、すでに携帯キャリアによって日本中どこにいてもインターネットにアクセスできる状況ができています。
地下鉄や新幹線でも携帯ネットワークは接続し続けることが可能です。

ただ、逆に無料のWifiサービスは海外旅行者向けを除くと、日本では殆ど見られません。もしかすると、その点においてGoogleが日本を一つの実験場として選ぶ可能性はないとは言えません。

無料のWifiを一部の都市で展開し、それを安価に提供したときどのような問題が発生するのか、日本の複雑な地形でもWifiは有効なのか。それらを調べるという点においてGoogleがGoogle Fi(というサービス名称かどうかはおいておいて)の類似サービスを行う可能性はあるかもしれません。

ただ、日本の通信は国と営利企業によってガッチリと抑えられていますので、それらの規制に阻まれることを考えるとGoogle Fiのような実験的なプロジェクトが日本でサービス開始されることはあまり期待できないかもしれません。

 

▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

 

 

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP