1. TOP
  2. ブログ
  3. 土木インフラ設計ツール Civil 3Dとは

土木インフラ設計ツール Civil 3Dとは

2019年もあっという間に12月。2020年の東京五輪はもう目の前に迫っています。世界中から観光客が押し寄せるオリンピックイヤーに向け、ここ数年東京のみならず各地でインフラの整備や景観整備へ関心が高まっています。
安全に配慮され、機能的でかつ美しい空間をデザインする「空間設計」「ランドスケープデザイン」という言葉も根付いてきました。そんな中、影で大活躍しているのがそうした景観設計・土木設計に使うことのできるCAD製品です。
今回の記事では、CADの大手Autodesk社の提供する「Civil 3D」について以下のポイントで解説します。

この記事でわかることは以下の3つです。
・Civil 3Dとは
・Civil 3Dの価格
・Civil 3Dでできること

Civil 3Dとは

Civil 3D(シビルスリーディ―)は、Autodesk社のCAD製品の一つで、道路や土地開発などの土木設計に特化したザインツールです。
Civil 3Dを使うことによって、地形を3Dモデルとして作成することができます。実測データや既存の線形データを取り込んでモデルに反映することができ、等高線の表示や地図作成、横断図やグレーディング図などの各種図面を作成することができます。
鉄道や道路といったコリドーモデル、土地開発や河川の土木建造物の設計に使うことができます。また、外観の設計や図面作成を行うだけでなく、雨水・排水に関する解析、土量計算も行えるなど、建設プロジェクトの各工程での作業をサポートしてくれます。
また、作成した地形の立体モデルはBIM/CIMツールにも連携ができ、インフラ設計の精度向上につながります。

Civil 3Dの価格は?

Civil 3DはAutodesk社からサブスクリプション制で購入することができます。スタンドアロン版シングルユーザーの価格は以下の通り(*1)です。
・1ヶ月サブスクリプション  46,200円
・1年間サブスクリプション  370,700円
・3年間サブスクリプション 1,001,000円
これらには全てコミュニティサポートとAutodesk社のスペシャリストサポート、管理用ツールが付帯しています。

2019年12月現在、Civil 3D 2020が最新バージョンです。(*2)
Windowsのみ対応で、扱うデータ量が多いことからメモリ16GB以上の動作環境が定義されています。日本語、英語を含む14言語で使用可能です。

Civil 3Dでできること

とにかく多機能なCivil 3Dですが、具体的な機能内容を紹介します。

プロジェクトの管理と推進サポート

Civil 3Dでは、プロジェクトの参照データと図面の編成を決めることができます。
扱う図面の数やプロジェクト自体の複雑さ、チームの規模や求めるセキュリティレベルに応じて、表示するコンテンツや、フォルダごとのアクセス権限設定といった全体のシステム管理が行えます。作業フォルダの場所やストレージの設定もできるので、そのプロジェクトに合った形に、Civil 3Dそのものをカスタマイズすることができます。

サーフェスの作成

サーフェスとは、その土地の領域を3Dジオメトリで表したものです。
あらかじめ設定したポイント、ブレークライン、境界、等高線からサーフェスを作成できます。このサーフェスに、さまざまな線形データを追加したり、スムージングなどの編集をしたりすることができます。
また、Civil 3Dでは100万ポイント(*3)を超えるような大規模なサーフェスも扱うことができます。

データの読み込みとモデル適用

測量された実データをCivil 3Dに取り込むことができます。測量データベースにそのまま入力でき、図面に追加できます。紙の地図を読み込み、モデル化することもできます。

設計図の自動作成

サーフェス上に線形モデルを追加して、縦断図や横断図を自動作成することができます。
施工図として、平面図と縦断、平面図のみ、縦断のみ、横断シートを作成することができます。

マスカーブ・土量計算

Civil 3Dでは、建設に必要な材料の移動や量の初期見積もりとして、土積図作成、土量計算を行うことができます。総土量、数量、土積図などを可視化しレポートとして管理できます。横断土量解析、積算費目を使用した数量解析などが可能です。

コリドーモデリング機能

道路や幹線などのコリドー設計の際、Civil 3Dのコリドーモデリング機能を使用すると一般道路、高速道路、鉄道などの3D モデルを簡単に配置できます。このコリドーモデルは、アセンブリ、サーフェス、計画線、線形、縦断など、Civil 3D のオブジェクトのデータを使用して作成されます。コリドーモデリング機能はこれらのデータを管理し、ダイアログボックスで簡単に基線や間隔などのパラメータや計画線の設定を変更することができます。

また、コリドーの視認性確認ツールがあり、完成時にどう見えるかの解析が行えます。コリドーや計画線に沿って視野を動かすシミュレーション、また、信号機などのピンポイントの建造物が特定の範囲から見えるかどうかをシミュレーションできる視覚領域の設定もあります。

レンダリング

アスファルト、コンクリート、砂利などのマテリアルでのレンダリング処理を行ったイメージ作成をすることができます。独自のマテリアルの作成も可能です。

レポート機能

Civil 3DからIP測点、縦断曲線などの各種レポート出力ができます。出力できるレポート形式は、LandXML と .NET の 2 種類があります。LandXMLではHTMLまたはPDF形式で保存が可能です。.NETレポートはHTML、PDF、Microsoft WordやExcel、プレーンテキストなどの形式で保存することができます。

水の流域解析と集水・排水域

Civil 3Dでは、水がサーフェス上をどのように流れるかを解析することができます。くぼ地の設定や、サーフェスの外に向かう水流、複数に分かれる流れを扱う複合水流の流域も解析することができます。

パイプネットワーク機能

Civil 3Dにはパイプ ネットワーク機能があり、これによって、雨水管や排水管などの2D /3D モデルを簡単に作成することができます。円形・楕円形・長方形などさまざまな形状のパイプネットワークパーツがフィーチャとして用意されており、すぐに配置することができます。また、集排水口や排水ますなどの構造物のフィーチャも用意されています。
こうしたパイプネットワークにおいて、パイプのサイズや降雨データなどからエネルギー勾配線と動水勾配を解析でき、適したサイズを計算することができます。

BIM・CIM連携

AutoCAD製品群の中のRevitというBIM/CIMツールと連携ができます。コラボレーション用のAutodesk Desktop Connectorツールを使用して、Civil 3D から地形モデルを共有すると、Revit でその地形を参照することができます。

インフラモデル作成ツール連携

こちらもまたAutoCAD製品群の中の「InfraWorks」というインフラモデル作成ツールとの連携が行えます。
InfraWorksでは、実際の地理条件など大量のデータを元に、空間のよりリアルな立体モデルを作成し可視化してくれます。Civil 3DとInfraWorksで連携することで、明確な設計イメージの共有ができ、それをそのまま設計・施工に落とし込むことができます。

まとめ

Civil 3Dは、インフラ設計の構想・計画段階から、施工図作成までを効率的に行える設計ツールです。
データの取り込み、効率的なモデル作成、ドキュメント作成、性能解析、他ツール連携と幅広い機能があります。
ライセンスは1種類のみで契約期間によって若干価格が異なります。3年契約でも月々27800円で価格はそう安くはないですが、30日間の無償体験版(*4)があり、あらかじめ使用感を試すことができます。

価格、バージョンは全て2019年12月時点のものです。
(1)https://www.autodesk.co.jp/products/civil-3d/subscribe?plc=CIV3D&term=1-YEAR&support=ADVANCED&quantity=1
(
2) https://www.autodesk.co.jp/products/civil-3d/new-features
(3)http://help.autodesk.com/view/CIV3D/2020/JPN/?guid=GUID-A697738B-D26C-43CE-8DD3-C12A46388115
(
4) https://www.autodesk.co.jp/products/civil-3d/free-trial

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP