CIMとは?建築業界の市場規模と3Dモデリングについて


この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
①建築業界や土木業界におけるCIMとBIMの概要
②CIMの市場規模と今後
③CIMの事例と今後の課題について

土木業界は、トンネルやダムなど日本のインフラを整える大事な仕事をしています。しかし人材不足が深刻になっていて、国を挙げて対策が行われているのです。

国が推進している“CIM”と“BIM”の基本情報や事例、今後の課題についてご紹介します。

建築業界者が知っておきたいCIMとBIMについて

建築業界では2010年からCIMとBIMというキーワードが注目されています。

・CIM(シム)
CIMは、Construction Information Modeling/Managementの頭文字を取った言葉です。建設業務の3次元データを中心に関係者がデータ共有することで、業務を効率化させようという取り組みを指しています。

CIMは、建築分野で推進されているBIMを土木分野でも活用しようという取り組みから派生しています。CIMは2017年から国土交通省でもガイドラインが発表され、ICTを使って公共事業の業務効率化を推進しています。
参照:国土交通省 資料

・BIM(ビム)
CIMの元になっているBIMは、Building Information Modelingの頭文字を取った言葉です。それまで紙ベースの2次元データであった建築設計情報などを3Dモデリングという技術で立体化して、業務を効率化していこうとする取り組みを指しています。

2014年から国土交通省ではBIMのガイドラインが公表されており、今でも改訂が続いています。
参照:国土交通省 資料

・ICTとは
ICTはInformation and Communication Technologyの頭文字を取った言葉で、情報通信技術という意味です。ITとほぼ同じですが、国際的にみるとITよりもICTのほうが一般的に使われています。

建設業を始め医療や教育などのICT化は、国を挙げて推進されています。

ちなみに平成30年には、国土交通省でCIMやBIMという名称を「BIM/CIM」に統一することを発表しました。CIM=土木分野、BIM=建築分野という概念をやめて、3次元化すること全体の名称に改めています。

CIMとBIMの詳しい説明については、こちらの記事もご覧ください。
「1級建築士が語るBIM とCIMの違い」

CIMの成熟度合いで土木業界の市場規模が変わるかも?

今の土木業界の市場規模

国の調べによると、平成28年度における土木事業の公共工事の市場規模は19.0兆円で全体の87%を占め、民間工事は5.2兆円と全体の17%となっています。土木業界は公共事業と民間事業でその規模が大きく変わります。
参照:国土交通省「建設投資見通し」 (平成28年度)
P.3 「建設投資の内訳」より

土木業界といえば道路工事や高速道路の改修、高層ビルやダムの建設といったものを手掛けます。ですので公共事業の割合が多いのは当たり前と言えますね。土木業界は公共事業を行うといっても過言ではありません。

建設業界は2010年まで冷え込んだ時期がありましたが、2011年以降は盛り上がりを見せています。アベノミクスで公共事業に投資する動きも活発ですし、東京五輪の影響も大きいでしょう。

日本に欠かせない土木業界

日本のインフラ設備を整えてくれる土木業界は、なくなったら困る大切な業種です。

特に日本は地震をはじめ自然災害が多いのが特徴です。東日本大震災や岡山の西日本集中豪雨で壊れたインフラも、復興には土木工事が欠かせません。

土木を含む建設業界は、日本の市場では2位に入るほど大きいものです。公共事業が中心の土木業界は、景気のあおりを受けにくい点が強みといわれています。これからは高度経済成長期に作られた建造物の補修といった仕事も増えていくでしょう。

今後の土木業界はどうなる?

市場規模も大きく景気が良いといわれる土木業界ですが、今後の展望には課題があります。

まず課題とされるのが人材不足問題です。

日本の人口そのものが減りつつありますし、土木業界というと肉体労働のハードなイメージが強く、若手人材がなかなか集まりません。建設業界は納期の都合上休日が少ない傾向にあるので、ワークライフバランスをもとめる若年層は辛そう・大変そうというイメージが強いようです。

今の土木業界を支える職人が高齢化しており、このままでは人材不足が深刻化するばかりです。

2015年には330万人いた技能労働者は、2025年には286万人まで減るという見通しもあります。実際にオリンピック・パラリンピック東京大会の会場建設では、多くの海外労働者が活躍しました。

国内で人材を集めるのは大変なことですし、長期的なスパンで取り組まなければいけません。土木業界は専門知識が必要で、現場でしっかり働ける人材を焦らず育てていく必要があります。

そんな土木業界のピンチを助けるために生まれたのが、CIMという概念なのです。

CIMが期待できる土木業界への効果とは

CIMの取り組みはすでに始まっていて、ITを活用した新しい技術が生まれています。CIMのポイントとなるのは3次元モデルなので、データ上で構造物を組み立てることで、以下のように様々な効果が期待できるのです。

・設計データの見える化
・情報の共有による業務の効率化
・設計の最適化

2次元データから3次元データを作るのではなく、3次元データから2次元データを作れるのがCIMの強みです。最初から立体的なモデルなので、関係者は構造物をあらゆる角度からチェックできます。

後々大きな問題となる“設計ミス”は、関係者全員が防ぎたいものですよね。手直し工事が必要になれば費用が膨大に増え、企業の経営を揺るがすことになります。

CIMを活用すれば、そんな設計ミスもコストをかけずに防ぐ効果が期待できます。

ITを活用したCIMの事例

日本建設業連合会が中心となって、CIMの事例が公開されています。

・横瀬川ダム本体建設工事(高知県)
施工情報を3次元モデルにすることで一元管理しました。3次元の位置を確認しながら施工スケジュールが建てられるので、計画の立案が効率的にできるという効果がありました。

・南北線中防内側陸上トンネル整備工事(東京都港湾局)
3Dモデリングソフトで作成したデータを使い、見学者目線で構造物を見える化しました。見学者目線でデータを作ったことで、説明を聞いた見学者の理解度が向上したという結果が出ています。施工打ち合わせ協議の効率化にもなり、働き方改革の1つとなりました。

この工事では、Revitという3Dモデリングソフトが使われています。公式サイトはこちらをご覧ください。

そのほかのCIM事例については、こちらをご覧ください。
日本建設業連合会 2018 施工 CIM 事例集

CIMの普及における課題について

“職人気質”な土木業界

土木作業といえばパワーワークですが、専門的な技術や知識、そして経験が必要な専門職です。専門用語も多く飛び交いますし、いわゆる職人気質の人が多い職場でもあります。

今土木現場を支えている職人は、50~60代が中心です。パソコン操作は苦手という人も多く、職人が作業する領域のどこまでCIMが進出できるかは課題と言えます。

システムと建築両方の知識が必要

CIMは3Dモデリングデータを作るため、多少なりともITの知識が必要です。しかしITの知識と同時に、建築の知識も欠かせません。両方をバランスよく身につけることで、建築業界のCIM化は大きな効果を発揮するでしょう。

若手は土木作業の専門知識を身につけ、これから土木業界の中心を担う先輩職人は、3Dモデリングの知識を身につけることが課題となります。

土木業界におけるCIMについてご紹介しました。IT化はどの業界でも進んでいますが、建築業界の場合はとくに専門知識が必要といえます。

日本のインフラを支える土木業界ですが、人材不足や人材の高齢化など人手不足が深刻化しています。CIMがもっと活用されれば、今負担がかかっている人たちがずいぶん楽になるでしょう。

これからどんな3Dモデリング技術が登場するのか、楽しみですね。

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