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ARCHICADとAutodesk Revitの機能を比較

BIM製品といえば、RevitとARCHICADの2製品がまずは思い浮かぶのではないでしょうか? どちらもユーザー数が多く実績のあるBIM製品ですが、実際それぞれどんな特徴があってどんな機能があるのでしょうか? ということで今回はRevitとARCHICADの2製品の機能をまとめて紹介します。

この記事でわかることは以下の3つです。
・Revitの特長
・ARCHICADの特長
・2製品の違い

BIMとは

BIM(Building Information Modeling)とは、建築設計や機械設計の設計業務を効率化するソフトウェアのことです。
CADに代わる製品として広がっている設計ツールですが、図面引きの作業だけでなく、その建築物に関するさまざまなデータを管理して設計から施工・維持管理にいたるまでの工程を正確化・効率化するために使われます。
BIMでは、線によって描かれる図面の代わりに3Dモデルのオブジェクトを使って設計することができ、その3Dモデルによって今までにない可視性を得ることができます。

BIMの基本機能は、3Dモデリング・データ管理・シミュレーション機能で、RevitもARCHICADも基本的な機能をそろえています。
では具体的にどのような機能があるのか見ていきましょう。

RevitとARCHICADを比較

Autodesk Revit

●特長
CAD大手Autodesk の提供するBIM製品Revit。多様な設計補助機能やRevit単体でのレンダリング機能、チームメンバー間でのコラボレーション機能などの機能が豊富に付随しています。AutoCADやビジュアライゼーションツールの3dx MaxといったAutoCADの各種製品はもちろん、多くのサードパーティ製品との連携ができます。

●機能
・3Dモデリング機能
ビュー内にモデルを配置し、拘束設定とスケッチ設定を行います。モデルはツールバーからも選択可能ですが、このモデルに対し、レイアウトやレベル設定を行います。さまざまなテンプレートから開始することができます。

・設計補助機能
壁やドアなどの建築モデル、アセンブリを使用できる建設モデル、フレームや梁などの構造モデル、空調や配管システムのMEPモデルが用意されており、それらを選択すればプロパティなどがカンタンに設定できます。

・レンダリング・プレゼンテーション機能
まるで写真のようなリアルさの3Dレンダリングを行うことができます。人間や植物などの点景を入れることもできます。
また、建物内にウォークスルーパスを設定し、そのパスにそったアニメーションを作成することができます。

・シミュレーション機能
設計した建築物の各種解析ができます。干渉チェック、エネルギー解析、冷暖房負荷解析、構造解析ができ、さらに、日照条件のシミュレーションが行えます。

・外部ツールとのデータ連携機能
IFC形式のサポートがされています。
またDWF/DWGファイルとしてデータ保存ができAutoCADとの連携が行えます。AutoCAD以外にもAutodesk の3ds Max、Civil 3Dといったツールとネイティブ連携が行えます。
構造計算で使われるST-Bridgeとの連携も可能で、2020からは外部連携用にCSV 形式のファイルをRevit から直接生成することができます。

・コラボレーション機能
Revitで作成したモデルは全てクラウドに保存できます。AutodeskのBIM 360 Document Managementを利用していれば、他のユーザーとコラボレーションすることができます。関連サービスのRevit Cloud Worksharing またはCloud Models for Revit を使用します。

●価格
サブスクリプション制で年額388,300円(*1)。ライセンスの種類は一種類のみですが、契約期間が長ければ少し安く利用することができます。

●サポート
電話・チャット・メール・リモートデスクトップの技術サポートが受けられます。プラス料金は必要なく、全てライセンス料金に含まれます。

●動作環境
Windows 10 EnterpriseまたはPro(64bit)(*2)

GRAPHISOFT ARCHICAD

●特長
GRAPHISOFT提供のARCHICADはコンセプトデザインの段階から使用でき、設計・施工・確認申請といった各工程でのワークフローをサポートしています。ARCHICAD自体はBIMモデリング作成に特化した製品ですが、同社のBIMデータ管理製品BIMcloud、BIMxと連携することでクラウド上でのBIMデータ運用ができます。
VIPserviceサポートに加入すればライブラリパーツをGDLプログラミングなしで作成できる「Library Part Maker」機能が使用できます。

●機能
・3Dモデリング機能
壁や柱などの要素をパレットから選択して配置してモデリングを行います。斜線制限や面積制限などの事前検討ができるゾーンツールという3Dツールがあります。このツールで、フロア内のボリューム検討やゾーニングが行えます。また、あらかじめ用意されているパーツにはない自由な形状を検討したいときに使える「モルフツール」「シェルツール」を備えています。

・設計補助機能
ビルディングマテリアルという建材用のメニューがあり、材質やハッチングパターン、さらに強度などのエネルギー面のデータも簡単に設定することができます。また図面と連動して、自動で建具表を作成することができます。

・レンダリング・プレゼンテーション機能
ARCHICADの3Dウィンドウでは、モデルを実写真のようにレンダリングし、モデルを回転させたりウォークスルーを見るなどの操作が行えます。
また、パースのテクスチャを変更し、優しい感じやシャープな感じなどプレゼンテーションの主旨に合った雰囲気に変更することができます。モデル図に部屋のタイプや工事単価などの論理区分をつけて色分けし、管理をしやすくできます。

・シミュレーション機能
建築エネルギーモデル、日照解析、外部エネルギー解析の機能があります。これにより、エネルギー性能レポートを出すことができます。

・外部ツールとのデータ連携機能
IFC形式のサポートがされています。
またRhinoモデルで使われる3dⅿファイル、AutoCADのDWF/DWGファイルが扱えるので、データ連携が行えます。
設備用ソフトウェアと連携するためのBCF通信でのインポート・エクスポートにも対応しています。

・コラボレーション機能
ARCHICADのモデルは、BIMcloudを使うことで複数のメンバーで共有できます。「チームワーク」機能によりインターネット上で共同編集ができ、各人へ権限設定も可能です。

●価格
こちらはサブスクリプション制ではなく、永久ライセンスでの購入となります。
ARCHICAD23 本体価格税別840,000円(*3)。

●サポート
サポート会員特別サイトの使用、電話によるサポート、無償アップグレードが利用できるようになるためには、VIPserviceのオプションが必要です。
VIPservice シングルライセンス税別 120,000円。複数ライセンスの場合は1本あたり98,000円。

●動作環境
Windows 10(64bit)(*4)
MacOS 10.14 Mojave、MacOS 10.13 High Sierra

まとめ

まず大きく異なるのは、製品の導入にかかるコストです。導入に関してはここが一番気になるポイントかもしれません。
サブスクリプション制のRevitに対し、永久ライセンスのARCHICADで、買い切りのARCHICADのほうがコストは低く抑えられます。
しかしRevitは高価格な分高機能で、構造設計や設備設計ツールなどの機能がもともと入っています。そのため、単体で詳細な設備も含めた設計業務にも使うことができる製品です。
ARCHICADはそうした設備設計の面では他の製品と連携を行う必要があります。
ARCHICADはMacOSのサポートもされていて、どちらかというとコンセプトデザインやデザインプレゼンテーションに強いという印象があります。
導入を検討している方は、無料体験版などで使い勝手を実際にチェックし、自社業務に合った製品を探しましょう。

記事内の情報は、すべて2020年2月時点のものです。各製品ともその時点の最新バージョンについて記載しています。

参考リンク
(1) https://www.autodesk.co.jp/products/revit/overview
(
2) https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit-products/troubleshooting/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/System-requirements-for-Autodesk-Revit-2020-products.html
(3) https://www.graphisoft.co.jp/archicad/price/
4)https://www.graphisoft.co.jp/archicad/archicad23/faq.html

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