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HoloLensを活用した竹中工務店の取り組み

HoloLensを活用した竹中工務店の取り組み等、事業での活用例を紹介
Microsoftが開発したHoloLensを活用してビジネスの世界にMRを導入する動きが強まっています。日本の大手建設会社である竹中工務店でも既に建築の現場でHoloLensを実験的に導入しています。今回はHoLoLensがどのように産業に取り入れられていくのかご紹介します。
EQ TOKYOの施工に向けてアプリを開発
竹中工務店は2019年3月13日、六本木にEQ HOUSEをオープンしました。EQ HOUSEとは竹中工務店とメルセデスベンツ日本株式会社のコラボレーションによって生まれた未来型建築の体験施設です。

この建設においてHoloLensはハニカムラボが開発した「HoloLensアプリ」と連携して活用されました。

そもそもEQ HOUSEとは「リビングとモビリティを繋ぐ」をコンセプトに建設されました。呼吸しているかのような壁、人とともに成長していく空間…。全体を有機的な雰囲気が包み、不規則なパネルで覆われています。

EQ HOUSEのイメージを決定づけるこの不規則なパネルは全て違う形で全1200枚で構成されています。目的としては365日の日照パターンに対応した最も最適な採光を実現すること。しかし1200枚ものタイルを現場で間違いのない場所に配置するのは大変な労力がかかります。

HoloLensアプリではHoloLensをつけた作業員がパネルに貼られたQRコードを見ることで、パネルの情報が表示されどこに配置すればいいかわかるようになっています。また、取り付け位置に赴けばHoloLens上で取り付け位置や向きも指示が出るため、作業員が混乱することなく作業を行うことができます。*1
建築業界で広がるMRの可能性
このように現実の世界と仮想的な映像を組み合わせたテクノロジーをMR(Mixed Reality)といいます。MRは建築業界において今後導入が大きく進むであろうテクノロジーです。

建築現場と顧客体験の両面でMRは活用することができます。MRを活用すれば設計の段階で自分が建築物の中に入ったのと同じ体験をすることが可能です。これによって従来の設計時にはわからなかった感覚的な部分でのスケール感を確認できます。

顧客に対してはこれまで実際に物件に行かないとできなかった内覧を、MRを活用することで店舗等の遠隔から提供することができます。これにより、物件を提案できる顧客の母数が飛躍的に増えることも予想されます。
HoloLensで実現できる未来
2019年11月7日に最新版であるHoloLens2が日本にも出荷開始しました。法人向けでの提供となり、産業でMRを活用したい企業に導入されることが予想されます。どのような活用が考えられるのか現在の導入例を参考にご紹介します。
ドローンと連携した点検作業が可能
人が通常出入りすることがないような狭い空間の点検業務は、これまで大変な工数や精神的負担を伴うものでした。HoLoLensをつけた作業者がドローンをMR上で操作することで、この問題を解決することができます。

HoLoLensをつければ現場の作業員が直接操作を行うことができるため、いちいちPCのモニターを確認したり別にいるドローンの操作者との意思疎通に頭を悩ます必要がありません。*2
デジタルモックアップでの検討会
建築物の計画段階で検討会を行うにあたっては、これまでは精密な模型を作ることが必要でした。しかし、模型の製作には時間もコストもかかる上に持ち運びが大変です。

MRで作成したバーチャルなモックアップを参加者がHoLoLensをつけて見ることで、この問題を解決できます。さらに、建築用地にMRを重ね合わせてのリアルな表示も可能なので、参加者に与えるインパクトやリアリティは絶大です。*3
スタッフの3D映像で案内
施設内での案内はこれまで表示板や紙によって行われてきました。しかしこれだと設置の手間がかかり雰囲気が損なわれることもあります。

観覧者はHoLoLensを付け案内表示は3Dホログラムによって行うことで、省スペースになりこれまでにない新しい施設体験をすることが可能です。現在はあらかじめ用意した映像を再生するのが主流ですが、ゆくゆくは遠隔地にいるスタッフによるリアルタイムな案内が可能になるかもしれません。*4
作業の効率化
車の販売店ではお客様の車の修理をする際に、仕様書と実際の車の状況を比べてどこに何を配置するか確認する時間がかかりました。1工程に20分以上の時間がかかっていたため、工程が多ければ多いほどお待たせする時間も長くなりました。

HoLoLensを付けた整備士が作業することで、これまで紙と付き合わせて進行していた作業が、HoLoLens上で作業と確認を同時進行でできるようになります。立体的に表示されるMRの指示によって、誰でも簡単に工程を進めることができるようになります。*5
現場での採寸をMRで行う
HoLoLensはMRで表示をするだけでなく現場の状況をデータとして取り込むことができます。この機能を使用してHoLoLensによる立体的な採寸を行い、それをデータで送信、採寸をもとに設計を行いMR上で出来上がったデザインを表示します。

この方法を用いればこれまでの採寸を行い、オフィスに帰り設計をして、それをまた顧客のもとに持ってくる工程を短縮できます。現場にいる間に全てを完結させることが可能になるのです。もちろん顧客にとってはHoLoLens上で表示された設計を見ることで安心感が増しますし、もしイメージと違った場合は修正の依頼をすぐにできます。*6
リアリティのある教育・研修
生徒がHoLoLensを付けて教育を受けることで、実際の現場と同じような体験をすることができます。医療教育の現場では人体模型とMRを連携させ、生徒がHoLoLensを通して観察することで、実際に人体を解剖しているかのような授業が可能です。

これまでは板書やテキスト、動画をバラバラに見ながら授業を受けていたため、人体においてはどのように見えているのかはわかりづらかったのです。HoLoLensを使えば全てが画面上に一つに表示され、動きは立体的なのでリアリティがあります。理解の速度が加速します。*7
まとめ
HoLoLensは竹中工務店をはじめとする建設業界が率先して導入しています。他にも製造業や教育関連の事業では作業効率のアップや理解を深めるためのツールとして大きな可能性があるのです。事業への導入にあたってはそれぞれの目的や現場にあったアプリケーションとの連携が不可欠なため、アプリの開発も同時に進める必要があります。

*1https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000027713.html
*2https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000031759.html
*3http://tsumikiseisaku.com/result/shimizu.html
*4https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000023638.html
*5https://www.youtube.com/watch?v=M3_iR0ig0Zo
*6https://www.youtube.com/watch?v=bQ6d040qf8c
*7https://www.youtube.com/watch?v=bQ6d040qf8c

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