総務省の発表によれば、すでに10代、20代はテレビよりもネット利用の時間が長いという結果に。
総務省が5月18日に発表した、「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、若者がテレビよりもスマートフォンを用いてネットをする時間のほうが長くなっていることが明らかとなっています。
この調査の目的は、以下のようなものです。
スマートフォンの普及等により利用が進んでいるソーシャルメディア等のインターネット上の新しいメディアと、テレビ、新聞といった従来型のメディアについて、利用時間の長さ・時間帯、利用者の割合、利用目的及び信頼度等を継続的に把握し、メディア間の関係を明らかにすることなどを目的とした調査です。
「テレビを見なくなった」あるいは、「旧来のメディアの凋落」が叫ばれていますが、実際のところはどうなのか、客観的なデータが公表されたのは非常に有用です。
さて、結果ですが興味深いことがわかりました。
まず、スマートフォンの普及率は相当程度にのぼります。全年代でも6割以上。20代に至っては94%がスマートフォンを用いています。また、50代のスマートフォン利用率の急激な上昇(2年前の約4倍)は特筆に値します。
更に興味深いのは、テレビの視聴時間です。
60代では、ほとんどネットの利用時間が変わらないのに対して、20代、30代、40代、50代ではネットの利用時間の増加が見られます。スマートフォンの普及がネットの利用時間を増やしたかどうかはわかりませんが、スマートフォンの普及率とある程度の相関はあると言っても差し支えないでしょう。
また、10代では顕著なネット利用時間傾向は見られないものの、そもそも10代は他の世代に比べてテレビの視聴時間が著しく短いという状況が見られます。この傾向は20代も同じであり、いまの10代、20代はそもそもあまりテレビを見ない世代のようです。
10年後、20年後彼らが中高年となった時、同じような傾向であればテレビの凋落は決定的となるでしょう。そして、その可能性は高いのではないでしょうか。今の高齢者が「テレビ」を見続ける理由は、おそらく習慣化されているからです。
人の生活習慣はそれほど大きく変化をしないとすれば、いまの10代、20代はテレビを見ない習慣が染み付いている、と言う事にもなります。