CADオペレーターの育成はどのように行われている?向いている人の特徴って?
CADオペレーターの育成は、どのように進められているのでしょうか?
専門職のイメージが強いCADオペレーターですが、未経験歓迎の募集もあり、チャレンジすれば誰でもできそうな、入りやすい雰囲気も漂っていますよね。
そこで今回は、CADオペレーターの育成がどのように行われているのかをご紹介します。
CADオペレーターに向いている人の特徴や、CADオペレーターになるための資格も、あわせて見ていきましょう。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①CADオペレーターの育成はどのように行われている?
②CADオペレーターに向いている人の特徴は?
③未経験でもCADオペレーターになれる?
CADオペレーターの育成はどのように行われている?
CADオペレーターの育成は、自社でのOJTのほか、企業が開催している研修講座があります。また、職業訓練校や、専門学校でも、CADオペレーターの育成支援を行っています。
企業が行うCADオペレーター育成研修
企業が行うCADオペレーターの育成研修は、大きく分けて2種類あります。
一つは、自社の中途採用者に向けた育成研修です。(*1)
「未経験者可」と書かれているものなら、CADをまったくさわったことがなくても応募できます。研修期間は数日から数週間ほどで、OJTが始まる前の、基礎知識を身につけるための研修となっています。
もう一つは、CADスクールでの研修です。(*2)
研修会社などが行っている講座で、マンツーマンや会場研修、オンラインなど、幅広い受講スタイルがあります。
研修期間は数時間から数週間と、講座によってさまざまです。中途採用者に向けた研修の場合、研修費用はかかりませんが、研修会社の講座には授業料が必要です。
このように、CADオペレーターを募集している会社なら、自社で育成研修を行っている場合があります。研修を探す場合は、CADオペレーターの求人情報から「研修あり」の募集を探してみるのも一つの方法です。
職業訓練校のCADオペレーター育成訓練
職業訓練校では、CADオペレーター育成の職業訓練が受けられます。(*3)
ただし、職業訓練校によっては、CADオペレーター育成コースがない場合があるので、お住まいの地域の職業訓練校に希望するコースがあるかどうか、事前に調べてみましょう。
研修期間は6ヶ月で、じっくり時間をかけてCADの操作を学ぶことができます。職業訓練は、今現在仕事に就いておらず、ハローワークに求職の申し込みを行っている、などの諸条件を満たしている場合のみ応募できます。
研修期間が1~2日の、在職者向けの訓練もあります。(*4)応募条件はコースによって設定されており、設計業務の未経験者は受講できない場合もあります。
専門学校でのCADオペレーター育成
建築や工学などの専門学校では、CADが学べるコースがあります。
専門学校は、多くの場合が1~2年制です。昼と夜から時間帯が選べるコースもあるため、社会人でも通うことができます。
CADオペレーターに向いている人の特徴は?
CADオペレーターは技術職なので、育成には時間がかかります。これから長期戦となるCADオペレーターとしての働き方が、自分に合っているかどうか、事前にチェックしてみましょう。
この項目では、CADオペレーターに向いている人の特徴をご紹介します。
パソコン作業が好きな人
CADオペレーターは、基本的にデスクワークです。丸一日PC作業なので、パソコン作業が苦にならない人が向いています。
「PCの前に座って一日中仕事をしていたい」という人には、向いているでしょう。
黙ったままの作業が好きな人
CADオペレーターの仕事は、基本的に一人で図面をコツコツ仕上げることです。
職場にもよりますが、周りとのコミュニケーションは接客業などより少なくなるので、黙って作業したい人にぴったりです。
「仕事中の私語が苦手」という人は、CADオペレーターに向いています。
ルーティンワークが好きな人
CADオペレーターの仕事は、ルーティンワークです。自分で考えて行う部分は比較的少なく、毎回、仕様書通りに図面を作るのが仕事です。
「誰かの指示通りに動きたい」「仕事で自分のオリジナリティを出すのが苦手」という人にぴったりでしょう。
報・連・相ができる人
CADオペレーターの仕事は、図面を作成することです。設計から制作へと流れていく工程の中ほどにいるので、板ばさみになることも少なからずあります。
そんなとき、すぐに誰かに相談したくなる人は、CADオペレーターに向いているでしょう。
また、設計や制作など、多方面からの指示で図面を修正する機会も多く、設計のアシスタント的な役割がある仕事です。
ちょっとしたことでも放置することなく、報告や連絡がスムーズにできる人は、CADオペレーターに向いています。
建築、機械、土木などの基礎知識がある人
CADオペレーターは、「CADを操作して図面を作成する人」です。しかし、CADの操作だけができるよりも、建築や機械に関する基礎知識がある方が続けやすいです。
CADの操作だけができる人がCADオペレーターとして採用された場合、設計の基礎知識を、業務と同時に覚えていく必要があります。
逆に、建築、機械、土木などの基礎知識がある人は、あとはCADの操作を覚えれば、CADオペレーターとして十分やっていけるはずなので、向いているといえるでしょう。
未経験でもCADオペレーターになれる?
未経験でも、CADオペレーターになれる可能性は十分にあります。図面の基礎知識や社内のルールを身につけたあとは、続ければ続けるほど技術が向上していくので、「コツコツ仕事をこなしているうちに、気がついたら社内で頼りにされるCADオペレーターになっていた」という将来も十分考えられます。
未経験者のよさは、会社のルールを覚えやすいことです。CAD経験者は即戦力として歓迎されますが、長年の経験で自分のやり方が出来上がっていたり、うっかり前の会社のやり方を引きずっている場合も少なくありません。
その点、未経験者は自社のルールを白紙の状態で覚えてもらえます。時間がかかっても育成しがいがあり、のちのち重宝するCADオペレーターに育つ可能性も大いにあるため、「やる気のある未経験者」はどこでも喜ばれるのではないでしょうか。
CADオペレーターになるための資格は?
CADオペレーターの資格には、「CAD利用技術者」があります。(*5)
扱うCADの種類で2次元、3次元と分けられていて、さらに、基礎や1~2級などの難易度で分かれています。
受験資格に年齢や学歴などの制限はないため、申し込みをすれば誰でも受験できます。
CADオペレーターとして就職するためには、特別な資格は必要ありません。しかし、資格を持っていると、やる気や基礎知識のアピールになります。
公共事業の作図など、業務によっては、資格保有者に限定される業務内容もあるので、入社後に業務の幅を広げるために受験する人も多くいます。
まとめ
CADオペレーターは、正社員、派遣社員、パート、フリーランスと、さまざまな形態で働くことができます。
技術職ですが、未経験者でも採用される可能性があり、あとは努力次第でどんどん技術を身につけていくことも可能です。
CADオペレーターの研修をどのように行っているかは会社によるので、気になる会社を見つけたら、まずはお問い合わせしてみましょう。
「やってみたい」と思う気持ちを大切に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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◆参考URL
*1 共同エンジニアリング株式会社 中途採用サイト「CADオペレーター 1からの育成プログラム」
https://recruit.kyodo-engine.com/career/recruit/cad/
*2 タナカグループ「CADオペレーター育成支援」
http://dh-tanaka.co.jp/cadoperator/
*3 ポリテクセンター千葉「CADオペレーション科(訓練期間6ヵ月)のご案内」
https://www3.jeed.go.jp/chiba/poly/kyushoku/CAD_operation.html
*4 ポリテクセンター千葉「能力開発セミナーコース案内2022」
https://www3.jeed.go.jp/chiba/poly/zaishoku/hl52qs000002824t-att/hl52qs00000fwm0b.pdf
*5 一般社団法人コンピュータ教育振興協会「2021年度 2次元CAD利用技術者試験 概要」
https://www.acsp.jp/cad/2d.html