3D CADの始め方!初心者向け簡単ガイド
はじめに
3D CADは、デジタルの世界で立体的な設計を行うためのツールです。これにより、設計者は物理的な試作を行う前に、デジタル上で詳細なモデルを作成し、検証することができます。3D CADの魅力は、その精度と効率性にあります。従来の手書きの設計図と比べて、変更や修正が容易で、より正確なデザインが可能です。
また、3Dプリンターと組み合わせることで、デジタルデータから実際の物体を作り出すことができ、製品開発のスピードを大幅に向上させます。このガイドでは、初心者が3D CADを始めるために必要な基本的な知識とスキルを学び、3Dプリントに挑戦するためのステップを詳しく解説します。
3D CADとは?
3D CADは、コンピュータを利用して三次元の設計や図面を作成するためのソフトウェアです。3D CADの基本概念は、立体的なモデルをデジタル上で作成し、視覚的に確認することにあります。これにより、設計者は物体の形状や構造をあらゆる角度から確認し、必要に応じて修正を加えることができます。
3D CADは、製造業、建築、エンジニアリング、さらには趣味やアートの分野でも広く活用されています。特に、3Dプリンターとの連携により、デジタルデータを直接物理的な形に変換することが可能です。これにより、試作品の製作が迅速かつ低コストで行えるようになり、製品開発のプロセスが大幅に効率化されています。
3D CADの利点は、設計の精度と効率を大幅に向上させることにあります。例えば、従来の2D CADでは見落としがちな細部も、3D CADを用いることで容易に確認できます。これにより、設計ミスを未然に防ぎ、製品の品質を向上させることが可能です。
また、3D CADはコラボレーションを促進します。クラウドベースの3D CADソフトウェアを使用することで、異なる場所にいるチームメンバーがリアルタイムで同じプロジェクトにアクセスし、共同で作業を進めることができます。これにより、コミュニケーションの効率が向上し、プロジェクトの進行がスムーズになります。
さらに、3D CADは教育の現場でも注目されています。学生は3D CADを通じて、設計の基礎を学び、創造力を育むことができます。実際の製品開発プロセスを模擬することで、学生は実践的なスキルを身につけることができ、将来のキャリアに役立てることができます。例えば、3D CADを用いたプロジェクトベースの学習は、学生にとって非常に有益です。これにより、理論と実践を結びつけ、より深い理解を得ることができます。
3D CADの導入を検討している企業や教育機関にとって、まずは無料のトライアル版を利用してみることをお勧めします。多くの3D CADソフトウェアプロバイダーは、無料で試用できるバージョンを提供しており、これを利用することで、自社のニーズに合ったソフトウェアを見極めることができます。具体的な例として、AutodeskのFusionやDassault SystèmesのSOLIDWORKSなどが挙げられます。これらのソフトウェアは、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに対応しており、さまざまな機能を備えています。
3D CADの学習準備
3D CADを始めるためには、適切な機材とソフトウェアが必要です。まず、3D CADソフトウェアを動かすためのパソコンを用意しましょう。初心者には、無料で利用できる「個人用 Autodesk Fusion」が特におすすめです。Fusionは、クラウドベースの3D CADツールで、複数人でのデータ共有やアクセスが容易です。非商用利用であれば無料で使用できるため、初めての方でも気軽に始めることができます。また、Fusionは、機械設計や2D図面の作成にも対応しており、幅広い用途に利用可能です。インターネット接続環境も整えておくと、ソフトウェアのダウンロードやアップデートがスムーズに行えます。
<参考>
Autodesk「Autodesk Fusion:CAD を超えた未来の設計・製造ソリューション」
https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview
また、キャパブログではAutodesk Fusion以外にも無料で利用可能なCADを紹介しています。こちらの記事も参考にしてみてください。
株式会社キャパ「無料3D CAD 12選!フリーソフトで設計のスキルを身につけよう」
3D CADの基本操作
3D CADの基本操作をマスターすることは、スムーズなモデリングの第一歩です。まず、画面の操作方法を覚えましょう。Fusionでは、マウスホイールを使って画面の拡大縮小ができ、マウスホイールを押しながら動かすことで画面を移動させることができます。また、「shift」キーを押しながらマウスホイールを押すと、画面を回転させることができます。これらの操作は、3D空間での視点を自在に変えるための基本的なスキルであり、効率的なモデリングに欠かせません。
次に、スケッチの基本を学びます。スケッチは、2Dの図形を描くための機能で、線を引いたり、寸法を設定したりすることができます。スケッチを正確に描くことは、後の3Dモデリングの精度に直結します。例えば、正確な寸法を設定することで、部品同士の組み合わせがスムーズに行えるようになります。スケッチの際には、グリッドを活用して正確な位置に線を引くことが重要です。
最後に、押し出し機能を使って、2Dのスケッチを3Dの立体に変換します。押し出し機能は、スケッチを選択し、指定した距離だけ立体的に伸ばすことで、基本的な形状を作成することができます。この操作を繰り返すことで、複雑な形状も作り出すことが可能です。例えば、円形のスケッチを押し出すことで円柱を作成したり、四角形を押し出して立方体を作成したりすることができます。
これらの基本操作を習得することで、簡単な3Dモデルを作成することができるようになります。さらに、これらのスキルを応用することで、より複雑なデザインやプロジェクトにも対応できるようになります。実際のプロジェクトでは、これらの基本操作を組み合わせて、より高度なモデリングを行うことが求められます。例えば、プロトタイプの作成や製品デザインの初期段階での検証などに役立ちます。
実践!簡単な3Dモデルの作成
実際に3Dモデルを作成してみましょう。まずは、簡単な形状から始めるのが良いでしょう。例えば、立方体や円柱などの基本的な形状を作成し、それに対してスケッチや押し出しを行ってみてください。これらの基本形状は、3Dモデリングの基礎を理解するための重要なステップです。スケッチを描く際には、正確な寸法を設定することが重要です。これにより、後の工程での修正が容易になります。押し出し操作では、形状を立体的にするための深さを設定し、3D空間での物体の存在感を実感してみましょう。
ステップバイステップで進めることで、3D CADの操作に慣れることができます。例えば、最初に立方体を作成し、その後に円柱を追加してみると、異なる形状を組み合わせる練習になります。さらに、これらの形状にフィレットや面取りを加えることで、より複雑なモデルを作成することができます。これにより、3Dモデリングの幅が広がり、よりリアルなモデルを作成するスキルが身につきます。
また、オンラインで提供されているチュートリアルを活用するのもおすすめです。YouTubeや公式サイトには、初心者向けの解説動画が多数ありますので、それらを参考にしながら実践してみましょう。例えば、Autodeskの公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/user/Autodesk)では、Fusion 360を使った基本的なモデリングのチュートリアルが豊富に揃っています。これらの動画を視聴することで、実際の操作手順を視覚的に理解することができ、学習効率が向上します。また、オンラインフォーラムやコミュニティに参加することで、他のユーザーからのフィードバックを得ることも可能です。これにより、疑問点を解消し、より深い理解を得ることができます。
3Dプリントへの応用
3D CADで作成したデータは、3Dプリンターを使って実際の物体にすることができます。3Dプリントの基礎知識として、まずは3Dプリンターの種類や造形方式を理解しましょう。次に、3D CADデータを3Dプリンターで出力するための流れを学びます。一般的には、3D CADで作成したデータをSTL形式でエクスポートし、それを3Dプリンターのソフトウェアで読み込んでプリントします。3Dプリントを行うことで、デジタルデータが実際の物体として手に取れるようになり、設計の確認や試作品の製作が容易になります。
さらなるスキルアップへ
3D CADの基本をマスターしたら、さらなるスキルアップを目指しましょう。学習リソースとしては、オンラインコースや書籍、専門的なセミナーなどがあります。また、3D CADに関するコミュニティに参加することで、他のユーザーと情報交換をしたり、アドバイスを受けたりすることができます。DMM.makeの「みんすり」などのオンラインコミュニティでは、初心者から上級者までが交流し、3Dものづくりに関する知識を深めることができます。
まとめ
3D CADの学習は、最初は難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえれば誰でも始めることができます。3D CADを使いこなすことで、デジタルデザインの可能性が広がり、3Dプリントを通じて自分のアイデアを形にすることができます。これから3D CADを始めるあなたには、まずは基本をしっかりと学び、少しずつスキルを磨いていくことをおすすめします。3D CADの世界に足を踏み入れ、新しいものづくりの楽しさを体験してみてください。
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<参考情報>
・Autodesk「Autodesk Fusion:CAD を超えた未来の設計・製造ソリューション
https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview
・みんすり情報局
https://make.dmm.com/blog/