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Civil 3Dを使った点群データの読み込み方法は?業務効率化のポイント

Civil 3Dは土木インフラ領域において重要な役割を果たすAutodesk製品ですが、その中で発生するのが点群データの読み込みです。

既存の立体物をデータ化する場合、必ずと言って良いほど現れる点群データの扱い方を覚えておくことで、業務効率化ができます。この記事では、Civil 3Dを使った点群データの読み込み方法や、さらなる業務効率化に向けたポイントを解説します。

目次:

  1. Civil 3Dの主な機能
  2. 点群データの役割
  3. Civil 3Dを使って点群データを読み込む方法
  4. あると便利なReCap Proについて
  5. さらなる業務効率化のポイント

Civil 3Dの主な機能

Civil 3Dは、Autodeskが提供する土木インフラの設計や、測量を行うためのCADソフトです。TINサーフェスと呼ばれる3Dの地形データを生成し、編集することができます。また、作成した3D地形は断面を描くことも可能です。任意の線分を書き込めば、簡単に断面図が作成されます。

加えて、インフラ開発には欠かせない土量算出や道路3Dモデルの作成、標高解析をはじめとする地形の解析など、多様な機能を実装しているのが大きな強みです。地形だけでなく、簡易的ですが構造物の3Dモデリングにも対応しているので、高速道路やトンネルなどの巨大プロジェクトに携わる場合も、Civil 3Dが大いに活躍します。

点群データの役割

Civil 3Dは点群データの扱いに対応していますが、そもそも点群データとは何なのでしょうか。点群データは、主に既存の構造物を3Dデータに変換する際、用いられるデータ形式です。今日の人工構造物の多くは3Dモデルを元に施行されており、設計時に使用した3Dデータを使えば、他のプロジェクトに転用することができます。ただ、3D CADが普及する以前の構造物や、自然界に存在する山や丘陵といった地形には3Dモデルが存在しません。

そこで使用するのが点群データで、レーザースキャナーなどを使いこれらの立体物を3Dに変換すると、点群という形で表現されます。点群データはその名の通り、直線ではなく無数の小さな点によって3Dモデルを構成しています。そのため通常の3Dモデルとは別個に運用しなければなりません。

Civil 3Dを使って点群データを読み込む方法

では、Civil 3Dを使って点群データを読み込むためには、どのような操作が必要なのでしょうか。点群を読み込むための機能と、点群からサーフェスを作成するための機能を解説します。

Civil 3Dの「点群アタッチ機能」で点群データを読み込む

Civil 3Dには、点群を読み込むための専用機能である「点群アタッチ機能」と呼ばれるものが実装されています。これを使うことで、簡単に点群データの読み込みが可能です。

まずは挿入パネルの点群タブから、[アタッチ]をクリックします。すると[点群アタッチ]のダイアログが開くので、[参照先]から読み込みたい点群データファイルを選択します。挿入位置や尺度を設定してOKをクリックすると、Civil 3D上に点群データが表示され、読み込みは完了です。

この際注意したいのが、読み込んだ点群データの元の場所を無闇にいじらないことです。点群データの場所が変わってしまうと、読み込みの際にリンク切れを起こしてしまい、エラーの原因となるため、常に同じ場所にデータは保管しておきましょう。

読み込んだ点群データからTINサーフェスを作成する

読み込んだ点群データは、必要に応じてTINサーフェス形式に変換することができます。まず、サーフェス化したい点群データを選択すると点群タブが追加されるので、そこからCivil 3Dパネルを選び、[点群からサーフェスを作成]をクリックします。

するとダイアログボックスが開き、ダイアログの左側にある[一般]からサーフェスの名前を入力できます。[次へ]ボタンを押して[点群の選択]をクリックすると、点群のポイント間の距離を入力できるので、数値を入力します。最適な数値については、試しながら探ってみることをおすすめします。

最後に [サーフェスを作成]ボタンをクリックすれば、TINサーフェスの作成は完了です。作成したTINサーフェスは、画面上にオレンジ色の枠で囲われて表示されるので、見失う心配はありません。

あると便利なReCap Proについて

点群データの読み込みは、Civil 3Dが一つあれば十分に行うことは可能ですが、他のツールを合わせて運用することで、より利便性を高めることも可能です。Autodeskが公式に提供するAutodesk ReCap Proは、点群データの有用性を高めてくれる、便利な編集ソフトです。

ReCap Proの特徴は、点群データを編集すると同時に、視覚化するための手助けをしてくれるところにあります。スキャンデータを正確に可視化し、点群データ運用の可能性についての検討をCivil 3Dで読み込む前に深めることができるので、余計な作業を繰り返す必要がなくなります*1。点群データを事前にある程度加工してからCivil 3Dに読み込むような使い方もできるので、質の高い点群データ活用にも役立つでしょう。

また、ReCap Proには別途、サブスクリプションサービスのReCap Photoを使用できるオプション機能も実装されています。これは空撮写真から点群データやオルソ画像を作成できるというもので、写真から位置情報を自動で計算し、データ化してくれる優れものです。地上基準点(GCP)を設定すれば、より高精度な点群データに仕上げることができ、他の3Dデータとの統合も可能など、点群データのポテンシャルを高めるのに役立つでしょう。

さらなる業務効率化のポイント

Civil 3DはReCap Pro以外にも、複数のAutodesk製品との連携が可能です。例えばCivil 3Dでは構造物のモデリングができますが、これはおまけ程度の機能であるため、単体で運用するには心許ないでしょう。そこで活躍するのがBIMソフトのRevitで、極めて詳細に構造物のBIMモデリングを行うことができます。

また、インフラ設計や解析が可能なInfraWorksとも互換性を有しており、Civil 3DからInfraWorksのデータを展開するような使い方も可能です*2。必要に応じて、複数の製品を併用するノウハウも身につけておきましょう。

まとめ

この記事では、Civil 3Dを使って点群データを読み込むための方法を解説しました。インフラ設計や土木関連の業務に携わっていると、点群データは必ずと言って良いほど触れることになるデータ形式のため、その扱い方への造詣は深めておくに越したことはありません。

Civil 3Dは汎用性の高いソフトであるため、できるだけ単体で可能なことを網羅的に知っておくと、業務効率を高めることにも貢献するでしょう。また、他のAutodesk製品との互換性にも注目し、自分なりに生産性の高い運用環境を整備することをおすすめします。

 

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参考:

*1 CADJapan「Autodesk ReCap Pro」
https://www.cadjapan.com/topics/cim/products/autodesk_recap_360.html

*2 Autodesk「ヘルプ」
https://help.autodesk.com/view/INFMDR/JPN/?guid=GUID-CA5B78BB-9D36-4F52-A840-41D4BBA09C87

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