Civil 3DのデータをFBX形式に変換するには？外部での読み込み方法を解説
Civil 3Dは土木分野で活躍するプロレベルのソフトウェアですが、多様なデータ形式に対応しているため、活躍の機会が広く設けられている点が特徴です。
ただ、Civil 3Dを使用するにあたっては連携して利用するツールの特徴や互換性にも配慮しておかないと、思わぬトラブルに遭遇することもあります。
この記事では、そんなCivil 3Dを利用してデータをFBX形式に変換する方法や、外部でFBXファイルを読み込むための方法について、解説します。
目次：
- Civil 3Dの概要
- FBX形式のファイルとは
- FBXファイルのメリット
- Civil 3Dで使用するファイル形式
- Ciivl 3DでFBXファイルを作成する方法
- InfraWorksでCivil 3Dから作成したFBXファイルが読み込めない場合
Civil 3Dの概要
Civil 3Dは、Autodesk社が開発・提供している土木・測量に特化したCADソフトの一種です。一般的なCADソフトとは異なり、土木分野に特化して機能が提供されているので、インフラ関係の業界では無類の頼もしさを発揮します。
線形図の作成や土量の算出、地形解析などの各種土木CAD機能に加え、造成計画や各種ドキュメント作成機能など、業務に必要な多くの機能を備えている点が高く評価されているソフトです。
建築関連のCAD機能は十分に備わっていないため、AutoCADなどの汎用CADと合わせて運用することにより、相乗効果が期待できます。
Autodesk関連のソフトとの相性がよく、互換性が強力に確保されていることから積極的に併用したいところです。
FBX形式のファイルとは
Civil 3Dは多様なファイルの扱いに対応していることでも知られていますが、その中の一つにFBX形式のファイルが挙げられます。
FBXファイルはAutodeskが独自に展開しているファイル形式の一種で、3Dオブジェクトを圧縮するために用いられます。
3DCADを扱うファイル形式にも多様な種類がありますが、FBXが扱うのは主に動的な3Dオブジェクトです。躍動感がありディテールを細かく定義しているプロジェクトを扱っている場合、FBXファイルを使用する機会は自然と多くなるでしょう。
もちろん、FBXファイルはAutodesk以外の会社の製品でも読み込みは可能なので、多様なソフトを扱う現場でも問題なく使用することができます。
FBXファイルのメリット
FBXファイルを使用するメリットとしては、
- アニメやゲーム制作の現場で役立つ
- Autodesk関連のソフトとの互換性を持つ
の2つが挙げられます。それぞれを簡単に確認しておきましょう。
アニメやゲーム制作の現場で役立つ
FBXファイルは、アニメやゲームを制作する現場で役に立ちます。データの面やテクスチャといった外側のデータだけでなく、内部骨格に当たるリグのデータもFBXファイルには内包することができるからです。
3Dデータを動かしたい場合、内部にリグを設定して、リグとモデルを連動させ、躍動感や実際の動きを与える必要があります。
FBXファイルではこのようなリグデータを内包して共有できることから、アニメーション制作やゲームのモデリング制作の現場では重宝しているファイル形式です。
Autodesk関連のソフトとの互換性を持つ
FBX形式のファイルはAutodeskが開発したこともあり、多くのAutodesk製品において標準対応しているデータ形式です。
そのためAutodesk関連のソフトを複数使用している現場においては、FBXに変換して運用するというケースも珍しくありません。特にモデリング制作に特化したツールであるMayaや3ds MAXといったソフトを使用する場合、FBX形式は頻繁に使用します。
Civil 3Dにおいてももちろん読み込みは可能なので、必要に応じてシームレスにデータを運用できるでしょう。
Civil 3Dで使用するファイル形式
FBX形式以外にも、Civil 3Dは複数のファイル形式に対応しています。Autodeskの汎用CADソフトとして知られるAutoCADで扱える各種ファイルへの対応はもちろん、AutoCADでは扱えないような、特殊性の高いファイルも読み込み可能です。
例えば一般的なCADでは使用することのない特殊な測量データや、国土地理院から公開されている数値地図、レーザー測量データやGoogle Earthの地図データなど、土木関連の各種ファイル形式に幅広く対応しています*1。
これまでAutoCADを使用していたが、土木関連の業務が増え、扱うデータの複雑さも増してきたという場合には、Civil 3Dの活用をおすすめします。
Ciivl 3DでFBXファイルを作成する方法
Civil 3DはFBXファイルを外部から読み込むことに対応しているだけでなく、Civil 3D上で作成したデータをFBX形式で保存することもできます。ただ、Civil 3DやAutoCADでは2019年バージョン以降、FBXの読み込みと書き出しを直接行うためのコマンドが削除されています*2。
そのため、Civil 3Dからの書き出しにはまずDWGファイルでの書き出しを実行し、FBXファイルを標準運用するAutodesk製品での読み込みによって、FBXファイルへと変換する必要がある点に注意しましょう。
InfraWorksでCivil 3Dから作成したFBXファイルが読み込めない場合
Civil 3Dと併用する機会の多いソフトとして、InfraWorksが挙げられます。これまでFBXファイルをCivil 3DからInfraWorksへ共有し運用するケースがありましたが、FBXファイルに変換しなくとも、両ソフトでは互換性を保ったままデータを共有できます。
Civil 3Dで作成した3Dソリッドは、必要に応じてそのままInfraWorksから読み込めるため、FBXファイルを作成する手間を省くことができるのが便利なポイントです。
まとめ
この記事では、Civil 3Dを使ったFBXファイルの扱いや読み込み方法などについて解説しました。高度な3Dデータを扱う際にはFBXファイルは頻繁に登場しますが、Civil 3DではFBXの読み込みや書き出しが多少制限されている点に注意が必要です。
ただ、それの代替となる情報共有機能も新たに追加されているため、必要に応じてこれらを使い分けられることを覚えておくと良いでしょう。
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DOWNLOAD出典：
*1 Autodesk「Civil 3D 2008」
*2 Autodesk「FBX ファイルの読み込みと書き出しを行えない」
