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手動でオブジェクトを消すのはもう過去の時代?

近年、敷地や既存建築物の現況の調査方法として注目を集めているのが点群データです。
コンピューター処理による点群フィルタリングは、指定により点群データから余計な情報を除去する技術です。
従来の手動によるデータ処理に比べると効率が飛躍的に向上します。

そこで、この記事では点群フィルタリングの手法について解説します。
点群データの活用事例が増えてきている建築分野での点群フィルタリングの可能性についても触れていきますので、ぜひご覧になってみてください。

そもそも点群データとは

点群という言葉を聞いたことがあるものの、どのような場面で使用されているか知らない方もいるのではないでしょうか。
まずは、点群データについて解説します。

導入しやすくなったことで注目を集めている点群データ

点群データとは、3Dレーザースキャナーなどで認識した物体などを大量の点の集まりで表現したものです。
それぞれの点が位置情報(X,Y,Z)と色情報(R,G,B)を持っています。

画像から点群データを取得する手法は古くからありましたが、対象にできる範囲が狭く、使用用途が限定的でした。
近年は、計測機器やデータを処理するコンピューターが発達して広範囲のデータを扱えるようになり、活躍の機会が増えています。
それに加え、3Dレーザースキャナーの低価格化や、ハンディ・スマートフォン型LiDAR(Light Detection And Ranging)の登場により、導入しやすくなったことも注目を集めている一因です*1。

さまざまな点群データの取得方法*1

(引用)3次元点群データの取得・フィルタリング・統合方法について P.7

国土交通省

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/content/001635164.pdf

国土交通省が推進する「i-Construction」の取り組み*2では点群データの活用が提案されています。

測量や施工の出来形管理が謳われており、民間企業によるソフトウェアの開発や点群データの実務での活用を促進しています。

点群データは官民が一体となって活用を推進している技術であるといえるでしょう。

点群データの活用方法

現在、点群データは土木分野での利用が促進されています。
具体的な使用例としては、敷地測量が挙げられるでしょう。
ドローンや車などに計測機器を搭載し、3Dレーザースキャンを行うことにより少人数で高精度の敷地測量を行えます。
崖などの高低差が激しい敷地で安全に測量できるのもメリットです。

建築分野での活用はまだ限定的ですが、さまざまな方面で活用方法が検討されています。
例えば、既存建築物を改修する際の現況図作成、杭施工時の掘削土量計算や杭芯位置の測定などが挙げられます*3。
いずれも工数削減や精度向上が期待できる優れた活用方法です。

点群フィルタリングとは

点群フィルタリングとは、点群データから特定の情報を除去する手法です。
例えば、公園の測量をイメージしてみましょう。
3次元レーザースキャナーで公園をスキャンすると、地面だけでなく草木や遊具などが取り込まれます。
これらの情報から草木や遊具などを取り除き、設計に必要な地面だけの点群データを取得するのが点群フィルタリングです。

点群フィルタリングには多くの手法があるので、ここでは代表的な手法を紹介します。

手動によるフィルタリング*1

従来の一般的な手法が、手動によるフィルタリングです。
不要な点群を手動で削除していく手法であり、非常に大きな労力がかかります。
点群データの活用が長らく限定的だったのは、この作業の労力が一因といえるでしょう。

複数のデータの照合によるフィルタリング*1

次に挙げるのが、複数のデータを照合することでフィルタリングする手法です。
例えば道路の測量を行うときに、ある時点の3Dスキャンであった車が、その1時間後の3Dスキャンでなくなっていたとします。
この2つの点群データをコンピューターに比較させることで、車を認識させて取り除くことが可能です。

他にも、点群データと画像データを重ね合わせ、不要な点群を認識させる手法などがあります。

点群データと画像データを重ね合わせて認識させる手法

(引用)3次元点群データの取得・フィルタリング・統合方法について P.20

国土交通省

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/content/001635164.pdf

密度によるフィルタリング*4

点群フィルタリングができるソフトウェアとして有名な「TREND-POINT(福井コンピュータ株式会社)」は、密度フィルタリングを採用しています。

点群の密度を指定することで、低密度の物体の除去が可能です。
例えば、公園をスキャンすると地面の点群に対して草木の点群は密度が低くなるので、草木の点群を手軽に除去できます。
密度の値の指定により目的に合わせたデータの取得をできるのが、密度フィルタリングのメリットです。

カラーフィルタリング*4

点群が持つ色情報(R,G,B)を指定してフィルタリングする手法です。
密度フィルタリングと同様にフィルタリングの対象を値で細かく設定できるため、幅広いシーンで活用できる手法といえます。
色は直感的に理解しやすいので、感覚でフィルタリングの値を指定できるのもメリットです。

機械学習によるフィルタリング*1

機械学習やディープラーニングによって特定の物体を認識させ、フィルタリングする手法も開発されています。
現在はまだ学習モデルが少なく、発展途上の技術です。
しかし、各分野でAIが飛躍的に発展していることもあり、学習モデルやソフトウェアの発達に伴い将来が期待されている手法といえるでしょう。

建築分野における点群フィルタリングの可能性を考える

前述のとおり、点群データの建築分野での活用は限定的です。
しかし、建築分野でも点群データの活用は注目を集めており、更なる発展が期待されています。
ここでは、点群フィルタリングの活用の可能性に触れていきます。

敷地測量

土木分野の敷地測量で点群フィルタリングが積極的に活用されていることを前述しましたが、建築分野においても同様の取り組みが期待されます。

敷地の高低差を詳細に把握できれば、整地で生じる掘削土の量を高い精度で推定できます。
これにより、高精度の見積もりや適切な工期の設定が可能になり、施工計画を立てやすくなることでしょう。

既存建築物の現況図及びBIMの作成*5

建築分野で点群データを積極的に活用しているのは、既存建築物のBIM化や改修工事の現況図作成です。
3Dスキャンで取得した点群データからBIMを作成するサービスなどが登場しており、点群データの取得から数日でBIMを作成できます。

BIMで部材ごとのグルーピングを行えば、用途に合わせてグループの表示・非表示を切り替えられます。
点群フィルタリングとは異なりますが、官民一体でBIMの活用が進められている背景を踏まえると、建築においてはこのようなフィルタリングが一般的になるかもしれません。

おわりに

点群データ及び点群フィルタリングは、建築分野でも注目を集めている技術です。
点群データの取得から数日でBIMを作成できるのは、設計者・施工者にとって非常に魅力的といえるでしょう。
特に、設計図からは現況を正確に知ることができない既存建築物の改修工事などでは大きな効果を期待できます。
点群処理のサービスは年々増えてきているので、ぜひチェックしてみてください。

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*1

(参考) 国土交通省「3次元点群データの 取得・フィルタリング・統合方法について P.7,19-21」

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/content/001635164.pdf

*2

(参考)国土交通省「i-Constructionの取組いと3次元データの活用について P.7-14」

https://ocf.or.jp/img/seminar2016/02_serizawa_n.pdf

*3

(参考) 株式会社大林組「建築工事における3次元データの活用効果の検証 P.1」

https://www.obayashi.co.jp/technology/shoho/080/2016_080_08.pdf

*4

(参考) 福井コンピュータ株式会社「フィルタリングで見える P.12,14」

https://www.fukuicompu.co.jp/mnl/sos/contents/movie/const/cap/txt/capture_03_05.pdf

*5

(参考) 野原グループ株式会社「VR撮影/3D測量で自動生成される点群データからのBIMモデリングサービスを9月より提供」

https://nohara-inc.co.jp/news/release/7941/
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