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Midjourneyで建築・都市計画のイメージを作成できるか検証してみた

テキストを入力するだけで誰でもすぐにプロに匹敵するイラストが作成できるとしたら、あなたはどう思うでしょうか。画像生成AIの進歩でそんな世の中になりつつあります。商業利用可能なものもあり、小説の挿絵からゲームの背景、使いかたによってはマンガまで、個人でもアイデアと工夫で活用できるようになっています。この記事では画像生成AIの1つであるmidjourneyについて紹介し、建築や都市計画の分野で応用できないか検証していきます。

この記事でわかること
・Midjourneyについて
・建築業界での応用
・Midjourneyの利点

Midjourneyとは

Midjourneyは、ユーザーが単純にキーワードを入力することでAIが画像を自動生成するサービスとして知られています。

このサービスの最大の魅力は、誰もが描きたいイメージをシンプルなテキストで入力するだけで、クオリティの高い画像が瞬時に生成される点です。

個人のエンターテイメントとしてだけでなく、プロのクリエイターにとっても非常に有用で、既に多くのアーティストや企業が利用しています。最初の25枚までは無料で生成でき、その後は定額料金を支払うことで無制限に利用可能です。*注1

Midjourneyは、入力されたキーワードを元に文章や画像、音声、プログラムコードなどのコンテンツを生成する「生成型AI」の一つとして分類されます。AIは、大量のデータを学習することで、予測、画像認識、音声認識、異常検出、自動運転などの領域で活用されています。*注2

Midjourneyのシステムは、ユーザーからテキスト形式の指示(プロンプト)を受け取り、それに基づいてAIが画像を生成します。たとえば、「桜が美しく咲き誇る春の丘」を描きたい場合、「spring, cherry blossom, hill」と入力するだけで、瞬時に該当するテーマの画像が生成されます。

希望に沿った作品が得られなかった場合、さらにアレンジを加えたり、似たキーワードを再度入力したりすることも可能です。「アニメ風」「デジタル風」「写真のような」といった指定も可能で、これにより同じキーワードでも異なる雰囲気の作品が得られます。*注3

Midjourneyで画像生成する方法

Midjourneyでは、/imagineコマンドを使います。生成したい画像の詳細を記述し、画像のアスペクト比などのパラメータを設定することで画像を作り出すことができます。

Imagineコマンドの使用例は、/imagine [プロンプト][パラメータ]です。ここで覚えておくべき重要な点は、ユーザが指定できるのはテキストと参考画像だけであり、生成される画像はランダムに出力されるということです。基本的に、ユーザはプロンプトを微調整しながら、自分の想像に近い画像が出力されるまで、出力の生成を繰り返すことになります。*注4

建築分野でのMidjourneyの可能性

Midjourneyの活用先として建築物や都市イメージの画像生成が挙げられます。

Midjourneyは、厳密な画像の作成、特に構図やライティングを含むよりは、むしろ大量のイメージ画像の生成や、アイデアのインスピレーション源となる画像の提供、また、自身の顧客とのビジュアルの共有・調整に向いていると思います。

建築物の画像生成

実際にMidjourneyを使用して建築物の画像を生成します。

プロンプトに「apartment building」と入力すると、以下の画像(画像1)を出力できました。

ただ、プロンプト入力だけで自分が思い描いている建築デザインを出力させるのは難しいと感じました。

※画像1

建築物の画像生成 基準画像ありの場合

次に基準となる画像(画像2)を用意しました。*注5

※画像2

Midjourneyでは文章だけでは表現しきれない細部を指示するために、基準画像を使用することが可能です。

こちらの画像を基に、フランク・オーウェン・ゲーリー(*注6)風の画像を生成してみます。

生成した結果が画像3になります。彼の特徴の1つともいえる曲線を意識したデザインが出力されました。

画像3

次に、「Tower Appearance of the condominium」をプロンプトに追加して、画像3をタワーマンションのように変化させます。

結果は画像4になります。スプルース・ストリート(*注7)を彷彿とさせる建築デザインが生成されました。

※画像4

以上の結果から、Midjourneyはプロンプトに入力した内容が画像に反映されていることが分かります。

Midjourneyで都市イメージ画像を生成する

次に、都市のイメージ画像をMidjourneyで生成します。

以下の画像(*注8)を使用し、プロンプトに「city planning」と入力して都市計画イメージ図を出力させるようにします。

Midjourneyが出力した画像(画像5)は以下になります。

※画像5

基準画像の面影は残しつつも、都市の将来図をデザインしてくれていることが見て取れます。

Midjourneyではこのようなデザイン案を瞬時に出してくれます。人間が考えもしないような視点から豊富な提案をしてくれるMidjourneyはデザインの構想段階において大いに活躍するでしょう。

Midjourneyの著作権問題について

Midjourneyを使う上で気を付けなければならないのが著作権です。

Midjourneyで生成された作品には基本的に著作権は存在しません。(*注9)

アメリカではMidjourneyで生成した画像の著作権を持つ者が生成者ではないとの判決(*注10)が出ていますが、これが全てのAI生成画像に適用されるわけではありません。

利用規約によっては、作品を共有する際にMidjourneyに一定の権利が与えられる可能性があるので、定期的に確認するのが重要でしょう。

さらに、Midjourneyはユーザーが投稿する作品が著作権を侵害していないかのチェックを必ずしも行っていないため、その点にも注意が必要です。

まとめ

画像生成AIが進化し、テキスト入力だけでプロフェッショナルなイラストが即座に生成できる時代が到来しています。MidjourneyというAIサービスを使用すれば、テキスト指示を入力するだけで瞬時に高品質なイメージ画像を生成することができます。
また、既存の画像を基準として新しいデザインを生成する機能も持っており、商業利用にも適しています。

具体的には、建築や都市計画の分野での応用が注目されており、建築物のデザイン画像や、都市の未来のイメージを指示することで、Midjourneyは多彩な提案を即座に提示します。特に構想段階でのデザインアイデアを豊富に得る手段として、このAIは非常に有用であるといえるでしょう。

さらに、Midjourneyのサービスは多くのアーティストや企業に利用されています。将来は個人からプロのクリエイターまで、幅広い層がこの革新的なサービスを活用してビジネスを発展させていくかもしれません。

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■参考文献

注1

PALOALTO INSIGHT Midjourneyとは?誰でも使えるAIアート生成ツールを解説

https://www.paloaltoinsight.com/2022/08/31/howto-midjourney/

注2

AIsmily 生成AI(ジェネレーティブAI)とは?種類・使い方・できることをわかりやすく解説

https://aismiley.co.jp/ai_news/what-is-generative-ai/

注3

【プロンプト解説】Midjourneyでアニメ風の画像を作成する方法

https://bocek.co.jp/media/midjourney-formula/style/5589/

注4

起業LOG Midjourneyの使い方とコツ

https://kigyolog.com/article.php?id=1690

注5

物件写真ネット グリーンティエラ柴又

https://docs.google.com/document/d/1cUWofBahK1ZqZPYMPXv6yl9SOmoGXjRe8-e7JjyX5S4/edit

注6

DESIGN MAGAZINE 建築家のフランク・ゲーリーの建築作品11選。代表作の自邸やグッゲンハイム美術館など

https://webdesignmagazine.net/frank-owen-gehry/

注7 いしらべ 「8 スプルース・ストリート一覧」

https://ishirabe.com/category/architectural-masterpieces-in-the-world/8-spruce-street/

注8 まちフォトFREE 秋葉原の歩行者天国

https://machiphoto.net/%e7%a7%8b%e8%91%89%e5%8e%9f%e3%81%ae%e6%ad%a9%e8%a1%8c%e8%80%85%e5%a4%a9%e5%9b%bd1/

注9 AITraveler Midjourneyの危険性と著作権問題を解説

https://aitraveler.jp/midjourney-copyright/

注10

KAI-YOU 画像生成AI「Midjourney」のイラストに著作権を認めず 米著作権局の見解

https://kai-you.net/article/86115

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