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LoRAでバーチャル芸能人は作れる?バーチャル芸能人事例も紹介

昨今話題になっているAI。AIといっても種類はさまざまで、Chat GPTに代表される対話型AI、Stable Diffusionに代表される画像生成AIなどがあります。

今回は、画像生成AIで用いられている学習モデルLoRAで、バーチャル芸能人を生成する方法やメリットを、事例とともに解説します。

この記事を読むと、以下のことがわかります。
1.LoRAとは何か
2.LoRAでバーチャル芸能人を生成する方法
3.LoRAで生成したバーチャル芸能人でできること
4.バーチャル芸能人の事例
5.バーチャル芸能人のメリット

LoRAとは

LoRAとは、Low-Rank Adaptationの略で、LLM(大規模言語モデル)や画像生成AI(人工知能)を効率よく調整する手法のひとつです。簡単に言うと、AIで作成する画像のテンプレートのようなものが出来上がるのです。LoRAは、画像生成AIソフトでよく使用され、より自分好みの人物を生成できたり、毎回プロンプトを一から打ち込む必要なく同一人物が生成できるなどのメリットがあります。

この学習モデル「LoRA」は、2021年にMicrosoftに所属していたEdward Huらによって論文「LoRA: Low-Rank Adaptation of Large Language Models」※1で発表されました。

LoRAでバーチャル芸能人は作れる?方法は?

LoRAでは、自分好みの人物を生成し、同一人物を使いポーズや衣装を変えることが可能です。
そのため、ある一人の人物を生成し、出身や趣味などを設定し、芸能人やインフルエンサーとして育てていくことができます。

まずは、civitaiHugging Faceのサイトで自分好みのLoRAをダウンロードしましょう。

次に、ローカルかGoogle ColabにてLoRAをインストール、トリガーワードを入力しLoRAのセッティングを完了します。

その後、自分好みの人物が生成できるまで、さまざまなプロンプトの入力を試してみましょう。

自分好みの人物ができたら、以下を設定すると、芸能人らしさが出ます。
・出身地
・血液型
・性格
・職業(俳優、モデル、タレント、インフルエンサーなど)
・趣味
・好きなタイプ  など

バーチャル芸能人で何ができる?事例とともに紹介

バーチャル芸能人ができると、何ができるのか疑問に思う方も多いでしょう。
バーチャル芸能人は、インフルエンサーとして活躍させている企業が多く、有名ブランドや有名企業とのコラボレーション、商品のタイアップなどの販促活動が主です。

いくつか事例を紹介します。

RIA

RIAは、バーチャルヒューマンの制作・プロデュースを行う日本企業である「株式会社Aww」が開発したバーチャルヒューマンで、インフルエンサーとして活動しています。

両親は日本人とイタリア系フランス人、日本語・中国語・英語を話すトリリンガルという詳細なプロフィール設定がされています。

活動は美容やファッションに特化しており、Instagramフォロワーは3.5万人。

過去には化粧品メーカーであるKATEのwebCMに出演したり、三井ショッピングパークららぽーと愛知東郷のデジタルブックモデルに起用されたりと、幅広く活動しています。

また、「ミスiD」2022年大会では、「新しいヒロイン賞・ViVi賞」を受賞。

ミスiDは、講談社が主催する見た目やジャンル、ジェンダーロールに捉われず、新しい時代をサバイブする多様な女性のロールモデルを見つけるオーディション・プロジェクトです。

このように、リアルな人間と同じ土俵で活躍しています。

さらに、株式会社AwwはRIAのLoRAファイルを無料で配布しています。有名なバーチャルヒューマンのLoRAファイルの配布は、世界初の試みだそう。なんと商用利用も可能で、ビジネスシーンでの利用ができます。

気になる方はぜひダウンロードしてみてくださいね。

Instagram:@ria_ria_tokyo

Lil Miquela(リル・ミケーラ)は、アメリカのシリコンバレーにあるテック企業「Brud」が開発したバーチャルヒューマンで、インフルエンサーとして活動しています。

生成AIが注目され始める前の2016年に登場し、バーチャルインフルエンサーの先駆者で、2024年5月現在のInstagramフォロワーはなんと240万人。

PRADAやCHANELなどのハイブランドとのコラボレーションや、Spotifyでの音楽配信など、その活動は多岐に渡ります。

💜😈💜 @Prada #MFW 💜😈💜 pic.twitter.com/x2nOVN0c7i— lil miquela (@lilmiquela) February 22, 2018

バーチャルヒューマンながらも熱狂的ファンがおり、「Miquelites」がファンの総称だそう。

imma

immaは、最初に紹介したRINAと同じく株式会社Awwによって生み出されたバーチャルヒューマンです。

2018年に登場し、アジアでは初となるバーチャルヒューマンの誕生でした。

IKEAとのコラボレーションでimmaの特設ブースが店頭に設置されたり、東京パラリンピックの閉会式に映像で出演したりと、幅広く活躍しています。

また、2023年には自身のファッションブランド「Astral Body」をローンチ。2024年には世界的講演会であるTEDに日本人3人目、かつバーチャルヒューマン初の登壇者になるなど、その躍進はとどまることを知りません。

Instagram:@imma.gram

バーチャル芸能人のメリット

日本だけでなく世界でもバーチャルヒューマンは増えていますが、メリットは下記のようにさまざまです。

・不祥事による作品や商品への影響、損失の可能性がない
・スケジュール調整が必要ない
・体調不良がなく、いつでも起用できる
・移動コストがかからない
・年をとらず永久的に存在する
・自社のイメージに合う人物を作成、起用できる

とくにコストが削減できる点や、不祥事などのリスクがない点が評価され、バーチャル芸能人を起用する企業が増えてきています。

まとめ

今回は、LoRAでバーチャル芸能人を生成する方法や事例、メリットを紹介しました。
そのクオリティは高く、不祥事の心配もないことから、今後多くの企業がバーチャル芸能人を起用する可能性は高いです。

LoRAを使って、あなたもバーチャル芸能人の生みの親になってみてはいかがでしょうか?

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※1:LoRA: Low-Rank Adaptation of Large Language Models

https://arxiv.org/abs/2106.09685

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