Civil 3Dのサーフェスを作成する手順|Civil 3Dの概要や利用料金も解説
Civil 3DとはAutodesk社が販売しているCADソフトの1つです。土木設計に向いているソフトであり、座標値や点群、等高線からサーフェスの作成が可能です。また、サーフェスから簡単に断面図などを作成できます。では、どのような手順でサーフェスを作成できるのでしょうか。
本記事ではCivil 3Dの概要や利用料金にふれつつ、サーフェスの作成手順をみていきましょう。Civil 3Dの操作手順が分からないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.Civil 3Dの概要と利用料金
2.Civil 3Dにおけるサーフェスの作成手順
Civil 3Dの概要
Civil 3DとはAutodesk社が販売しているBIM/CIM対応のCADソフトです。Autodesk社は数多くのCADソフトを提供しており、Civil 3Dは土木設計に適しているソフトになります。設計時に活用することで、インフラストラクチャの複雑な課題に対応できるようになり、次のようなメリットを享受できます。
・設計作業と文書作成の時間を短縮できる
・設計の自動化を促進する
・プロジェクトチームでの共同作業と調整を向上させる
また、Civil 3DはAutoCADを土台として開発されたソフトです。そのため、AutoCADの画面構成とほとんど同じ構成が用いられています。AutoCADを使用した経験がある場合、操作しやすいソフトといえるでしょう。
利用料金
2024年5月時点、Civil 3Dのサブスクリプションの利用料金は次のとおりです。(*1)
契約期間 | 利用料金 |
1ヵ月 | 53,900円 |
1年 | 432,300円 |
3年 | 1,296,900円 |
Civil 3DにはFlexと呼ばれる、1日単位で利用できる従量課金制プランが用意されています。事前にトークンを購入することで、Civil 3Dに24時間アクセスできる権利を獲得できます。使用頻度が低い場合や臨時メンバーとして使用したい場合などに便利なオプションです。
購入できるトークンの最小単位は100トークンで料金は42,900円です。(*2)Civil 3Dは1日9トークンで使用できます。FlexでAutodesk社が提供している他のソフトとともに利用したい場合、別途見積りの依頼も可能です。
Civil 3Dで作成できるサーフェスとは
Civil 3Dで作成できるサーフェスとは、3Dの地形モデルを指します。あらゆるデータから3D 現況地形のモデルを作成可能です。断面図や標高ごとの色分けなどの操作が可能です。
Civil 3Dでサーフェスを作成する手順(*3)
ここでは、座標値や点群などを活用しCivil 3Dでサーフェスを作成する手順を詳しくみていきましょう。
また、断面図の作成手順や標高および勾配の表示手順なども解説します。
座標値から
txtデータやCSVデータなどXYZ座標のデータが与えられているデータから現況地形の作成が可能です。具体的には次の手順で作成します。
1.新規のサーフェスを作成する
2.サーフェスの定義としてtxtもしくはCSV形式のXYZ座標値を設定する
点群から
ドローンや3Dレーザースキャナーなどを使用して作成された点群データからも作成できます。点群データから作成する手順は次のとおりです。
1.リボンタブの「挿入」をクリックする
2.タブ「点群」から「アタッチ」をクリックする
3.rcp形式もしくはrcs形式の点群データの読み込みを開始する
4.タブ「点群」からパネル「Civil 3D」を選択し、「点群からサーフェスを作成」をクリックする
端点標高から
2D図面に記載されている端点標高から現況地形を作成する手順をみてみましょう。
1.図面上に記載されている端点標高を選択する
2.タブ「サーフェス」にある「サーフェスツール」からパネル「文字を標高に移動」を選択する
3.図面上の端点標高の読み取りを行い、Z座標を定義
4.新規のサーフェスを作成する
5.図面オブジェクトに表示されている文字をサーフェスの定義する
等高線から
2D図面に記載されている等高線から現況地形の作成も可能です。手順は次のとおりです。
1.メニューの「マップ」から「ツール」の「図面クリーンアップ」をクリックする
2.等高線をポリラインに変更する
3.Jツールの「等高線標高設定/入力」で等高線に標高の情報を与える
等高線から作成するためには、日本向けのプログラムである「Jツール」のダウンロードが必須です。無償で利用できるため、Civil 3Dでサーフェスを作成したい方は事前にダウンロードを済ませておきましょう。
断面図の作成手順
Civil 3Dでは簡単に断面図を作成できます。断面図の作成手順は次のとおりです。
1.現況地形を横断する線分を図面に入力する
2.線分をクリックし、「クイック縦断」を選択
3.断面図が作成される
標高や勾配の表示手順
「サーフェススタイル」の編集により、次の操作が可能です。
・標高および勾配のヒートマップ形式表示
・勾配向きの矢印表示
操作手順をみてみましょう。
1.対象となるサーフェスを右クリックする
2.「サーフェスプロパティ」をクリックする
選択したサーフェススタイルによって、次のように表示方法を変更できます。
サーフェススタイル | 表示方法 |
---|---|
MLIT-標高@サーフェス | ヒートマップ形式で標高を表示 |
MLIT-勾配@サーフェス | ヒートマップ形式で勾配を表示 |
MLIT-勾配矢印@サーフェス | 勾配の向きおよび大きさを矢印で表示 |
MLIT-等高線@サーフェス | 主曲線と計曲線を区別するために色分けする |
サーフェスとオルソ画像を統合する手順
オルソ画像とは画面上にある構造物の正確な形状と位置が映し出されている画像です。Civil 3Dではオルソ画像との統合も可能です。統合する手順をみていきましょう。
1.「イメージを挿入」の機能により、統合したいオルソ画像の読み込みを行う
2.パネル「サーフェス ツール」から「イメージをドレープ」を選択する
3.サーフェス上にオルソ画像を投影する
まとめ
Civil 3Dでサーフェスを作成する手順を解説しました。Civil 3Dでは座標値、点群、端点標高、等高線などからサーフェスを作成できます。中でも等高線を作成したい場合、日本向けに用意されている「Jツール」のダウンロードが必須である点に留意しましょう。
また、作成したサーフェスから断面図を作成したり、標高や勾配などを色付けしたりする操作も可能です。土木設計の図面作成の作業時間や手間を削減し、作業者の負担を軽減できるでしょう。土木設計の作業効率化を目指している方は、Civil 3Dの利用を検討してみてください。
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*1
「Autodesk Civil 3D ソフトウェア|Civil 3D 2024 正規品の価格と購入|サブスクリプション」
https://www.autodesk.co.jp/products/civil-3d/overview?term=1-YEAR&tab=subscription&plc=CIV3D
*2
「Autodesk Civil 3D ソフトウェア|Civil 3D 2024 正規品の価格と購入|Flex」
https://www.autodesk.co.jp/products/civil-3d/overview?term=%E5%90%84%E7%A8%AE&tab=flex&plc=CIV3D
*3
「BIM Design 土木・インフラ向けサイト|Civil 3D 現況地形(サーフェス)の作成と解析」