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Civil 3Dを使って断面図作成を行うには?機能の使い方を解説

Civil 3Dは土木分野で活躍するCADソフトで、AutoCADよりも専門性が高いことで知られています。Civil 3Dの基本機能の一つとも言えるのが地形の断面図作成で、スムーズに機能を展開し、実行できるように備えておくことで業務の効率化につながります。

この記事では、そんなCivil 3Dを使った断面図作成の方法について、解説します。断面図作成の方法や、それと関連した機能にはいくつかの種類があるため、あらかじめ抑えておきましょう。

目次:

  1. Civil 3Dについて
  2. AutoCADとCivil 3Dの違い
  3. クイック断面機能を使った断面図作成の方法
  4. クイック縦断機能を使った断面図作成の方法

Civil 3Dについて

Civil 3Dは、Autodeskが開発・提供している土木特化のCADソフトです。専門性が高い製品として知られていますが、2D・3Dを問わず運用できる汎用性の高さを備えている点も高く評価されています。

また、河川の設計や道路設計などのインフラ事業に特化した機能も充実し、ユーザーの生産性向上と高品質な設計をサポートするツールです。

また、Civil 3Dは基本的にCAD運用を前提としていますが、BIM/CIMデータの活用にも対応しています。BIMモデルをCivil 3Dで読み込み、インフラ工事に役立てることができます。

関係者間の情報共有を円滑にできる仕組みによって、設計や施工などプロジェクト全体の完成に必要な所要時間や全体の負担を減らすこともできるでしょう。

AutoCADとCivil 3Dの違い

Civil 3Dとよく比較される製品の一つに、AutoCADが挙げられます。元々Civil 3Dのベースとなっている製品がAutoCADであるため、ユーザーインターフェースやツールなどにおいて両製品は共通している部分も少なくありません。

両製品の最大の違いは、汎用ソフトか、専用ソフトかの違いです。AutoCADはCAD業務全般に適用できるよう多くの機能を備えており、CADを必要としている人がとりあえず手にとって損のない製品です。

一方のCivil 3Dは、土木特化の機能性を備えたCADソフトです。AutoCADには存在していた機能が使えなくなっていることもありますが、その分専用の機能が追加されていたりと、高度な業務遂行には欠かせない機能群が揃います。

また、土木エンジニアリングにおいてはCivil 3Dの方がAutoCADよりも高いパフォーマンスを発揮することも判明しています*1。

AutoCADであれば100時間かかる作業が、Civil 3Dであれば最大で5時間程度にまで圧縮できるなど、実に95%もの生産性向上が見込まれるということです。

適切な導入タイミングを把握しておくことで、Civil 3Dのポテンシャルをいかんなく発揮できるでしょう。

クイック断面機能を使った断面図作成の方法

Civil 3Dを使って地形に断面図を描きたい場合、最もよく使うことになるのが「クイック断面」と呼ばれる機能です。

クイック断面とは、その名の通り指定したポイントで簡単な操作によって断面図を作成することのできる機能で、地形の解像度を高める上で役に立ちます。

クイック断面には大きく分けて、以下の2つの方法があります*2。

二つの点の間に断面図を描く方法

最も基本的なクイック断面機能の使い方は図面上で二つの点を指定し、その間に断面図を描くというものです。

まずは[ツールスペース]にある[ツールボックス]タブから、[その他のユーティリティ] を選び[サーフェス]をクリックします。すると[クイック断面]のツールがあるので、これを選択しましょう。

クイック断面を選択するとオプションのプロンプトが表示されるので、ここに3pと入力します。さらに図面内の断面図を作成したい箇所で二点を選び、クイック断面ビューの左領域と右領域を表示する部分を指定します。

その後三つ目の点の位置を指定することで、断面図が表示される向きを指定することができます。

最後に横断ビューグリッドの基点の位置を選び、ダイアログボックスで横断ビューや帯のスタイルを決定してOKをクリックすれば、断面図の描画は完成です。

基線に沿って複数の断面図を描く方法

クイック断面図機能を使用することで、基線に沿った複数の断面図を描くこともできます。

まずは上で紹介した方法でクイック断面機能を展開したら、プロンプトにてMultipleと入力しましょう。

その後図面上に基線を描画するための点を必要なだけ打ち込み、必要分の入力が終わったらEnterをクリックします。サンプリング間隔と左出力幅、右出力幅のそれぞれを入力して、横断ビューグリッドの基点の位置を選びましょう。

その後横断ビュースタイルのダイアログボックスにて横断ビューや帯のスタイルを決定すれば、断面図の描画は完了です。

クイック縦断機能を使った断面図作成の方法

断面図作成において用いることのできるもう一つの便利な方法として、クイック縦断機能を使うというものがあります。

クイック縦断機能を使用する場合も、以下の2つのアプローチで断面図を作成できることから、その使い方を覚えておいて損はありません*3。

オブジェクトを用いてクイック縦断を作成する方法

クイック縦断の作成は、[ホーム]タブから[設計]パネルを展開し、[縦断]のドロップダウンより[クイック縦断]を選ぶことで可能です。

クイック縦断を展開したら、コマンドラインよりオブジェクトを選択するよう求められるので、図面上の線分やポリライン、測量図などを選びましょう。

すると[クイック縦断を作成]ダイアログ ボックスより抽出サーフェスや縦断ビューのスタイルなどを選べるので、これも指定します。

OKを押して、縦断ビューグリッドの基点の位置をクリックすれば、クイック縦断の作成は完了です。

点の選択でクイック縦断を作成する方法

オブジェクトではなく、点の位置を指定して、それを軸にクイック縦断を作成することもできます。まずは上で紹介した方法でクイック縦断を作成したら、続いて表示されるプロンプトにて「p(ポイント)」と記述します。

すると点を図面上に打ち込めるようになるので、始点と終点を一つずつ好みの位置に配置しましょう。

その後Enterをクリックし、[クイック縦断を作成]ダイアログ ボックスより抽出サーフェスや縦断ビューのスタイルを選んだら、クイック縦断は完成です。

まとめ

この記事では、Civil 3Dを使った断面図作成の方法について解説しました。

断面図の作成はCivil 3Dならではの機能の一つであり、AutoCADにはない特色と言える機能です。断面図作成は土木設計を行う上では欠かせない手続きとなるため、早い段階で身につけておくのがおすすめです。

基本機能の一つとして、感覚的に扱えるよう練習しておきましょう。

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出典:

*1 Autodesk「Civil 3D と AutoCAD のメリット比較」

https://bim-design.com/infra/assets/file/ACAD-vs-Civil3D-StudyHighlights.pdf p.1

*2 Autodesk「Autodesk Civil 3D ヘルプ」

https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2024/JPN/?guid=GUID-771C5D3B-26E0-484C-AF27-F799BE38FEB0

*3 Autodesk「Autodesk Civil 3D ヘルプ」

https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2023/JPN/?guid=GUID-FDB11AEF-768B-4E78-9AF9-6DC2C0AB2AC7

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