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配筋図をCADで描くには?便利なサービスや作成時のポイントを解説

図面作成はCADソフトを使用することで、効果的に作業を進めることができます。建設業界では特に多様な図面を作成しますが、主な種類の一つとして配筋図が挙げられます。

この記事では、配筋図の特徴について解説しながら、配筋図をCADで描画作成する際のポイントについて、解説します。

目次:

  1. 配筋図とは
  2. 配筋図と配筋納まり図の違い
  3. CADについて
  4. 配筋図の描画に必要な情報
  5. 配筋図をCADで作成する方法
  6. 配筋図の描画に役立つツール
  7. 配筋図作成に強いCADの選び方

配筋図とは

配筋図は、鉄筋コンクリートの中に通っている配筋の位置を示した図面です。鉄筋コンクリートは、通常のコンクリート構造に比べて耐久性や強度に優れていますが、これは規則的に配置された内部の鉄筋によって支えられているためです。

配筋図が含む情報

配筋図は、そんな鉄筋コンクリート内部の鉄筋を、正しく機能させるために作成する図面です。配筋図には鉄筋の配置情報のほか、

  • 鉄筋の種類
  • 鉄筋のサイズ
  • 鉄筋の本数
  • 鉄筋の重量

といった情報が含まれます。配筋図を読むことで、配筋工程に必要な情報の全てを知ることができるわけです。

鉄筋の種類

配筋に使われる鉄筋には、複数の種類があります。主な鉄筋の種類は、

  • 丸鋼(SR)
  • 異形棒鋼(SD)

の2つです。丸鋼は、断面図が円になっている建物の建設では一般的な鋼棒です。建物だけでなく、船舶や機械などに用いられることもあります。

一方の異形棒鋼は、表面に突起がついている鋼棒を指します。表面にある複数の突起がコンクリートとの密着度を高め、鉄筋コンクリートの強度向上に役立つのが強みです。

配筋図の構成

配筋図は、

  • 構造図
  • 配筋要領図
  • 配筋展開図
  • 配筋加工図
  • 配筋数量表

という5つの図面によって構成されています。

構造図は、配筋図の基準として活躍する図面です。部材情報や部材の位置情報、接合方法や施工手順などが含まれており、実際の施行においても構造図に記された情報を元に作業を進めます。

配筋要領図は、配筋に関しての決まり事が記されています。配筋の位置間隔やどの種類の配筋を用いるべきかを知りたい際に参考にする図面です。

配筋展開図は、部材の展開構造図ごとに鉄筋を表記している図面です。配筋の構造が複雑になった部材を扱う場合、配筋展開図を参考にしてディテールを確認します。

配筋加工図は、鉄筋の加工に関する詳細を記した図面です。状況に応じて、鉄筋はそのまま使用する場合と加工して使用する場合に分かれます。加工の必要の有無や、どのような加工を施すのかを配筋加工図で記します。

配筋数量表は、配筋加工図にて示している鉄筋の重量情報を示したものです。他の図面に比べて数値情報が多いため、丁寧な確認が作図の際には必要です。

配筋図と配筋納まり図の違い

配筋図とは別途、配筋納まり図と呼ばれるものがあります。配筋納まり図は、鉄筋とコンクリートの位置関係を示した図面のことです。

配筋図における構造図では、配筋の納まりまで反映されていないことが珍しくありません。構造図の情報通りに施工を進めると、都合が合わなくなる箇所が出てくることもあります。

そこで配筋納まり図を作成することにより、余計な手戻り作業を回避しながら、配筋図を有効活用し施工を進められます。

CADについて

配筋図を作成する際、スタンダードなツールとなるのがCADです。CADはコンピューターを使った図面作成ソフトのことで、手動での図面設計よりもはるかに正確な図面を描画することができます。

CADはあらゆる設計作業において採用されており、CADなしには設計業務はままなりません。また、配筋図以外の図面作成業務においても、CADは採用されています。多様な業務に適用できるCADを有効活用できれば、高度なプロジェクトにも積極的に参画することができます。

本格的なCADオペレーターを目指していない場合でも、CADのスキルを身につけておくことは大切です。CADの使い方が分かれば、オペレーターとのコミュニケーションを円滑なものにしたり、図面を高度に読み込んだりすることができます。

配筋図の描画に必要な情報

配筋図を描く際、以下の情報を図面に記載する必要があります。

外形寸法

外形寸法とは、構造躯体の外形寸法のことです。構造図の断面図や躯体図に記載されています。

ふかし寸法

ふかし寸法は、コンクリートの実際の設計よりもかさ増しした時の寸法です。あらかじめふかしを設けておくことにより、納まりが悪くなった時にふかし部分を使って対応します。

かぶり寸法

かぶり寸法は、躯体のコンクリート部分から外側部分の鉄筋表面までの距離を示す寸法です。かぶりを正しく設けることで、鉄筋のサビや耐久性の低下を回避します。

鉄筋の向き

配筋図を描画する場合、鉄筋の向きが横向きか縦向きかを正しく記す必要があります。鉄筋の向きが正しくないと、適切な耐久性を鉄筋コンクリートは得ることができません。

配筋図の描画に役立つツール

配筋図の描画をCADで行いたい場合は、多様なツールを頼ることができます。ここでは、配筋図の描画に強い主なツールを紹介します。

3D配筋CAD

3D配筋CADは、3Dモデルでプロジェクトの躯体や寸法を確認することができるCADソフトです。国土交通省のCIMガイドラインに則った3D配筋データを、外部のソフトにインポートすることもできます*1。

DINCAD

DINCADは、鉄筋業界に特化した作図機能を備えるCADソフトです。元々AutoCAD LTのアドインとして提供していたものを、別のCADソフトでも運用できるようにカスタマイズされるなど、普及が進みつつあります。

現場目線で設計された配筋図のテンプレートが採用されているなど、ユーザビリティに強みを持つ製品です。

Revit

Revitは、Autodeskが提供する汎用性の高いBIMソフトです。3DCADよりも高度な図面運用ができるBIMを配筋図作成にも採用したい場合、活躍します。

配筋図面の作成に加え、あらゆる種類の図面作成に対応していることから、BIMモデリングを本格的に導入したい場合に活躍が期待できる製品です。

配筋図作成に強いCADソフトの選び方

配筋図作成には、上記のように多様なCADソフトが活躍します。自社に適したソフトを導入したい場合は、まず必要とする機能要件を整理すると良いでしょう。

配筋図の作成に必要な機能が何かを明らかにした上で、その機能を備えた製品をピックアップします。多くのソフトはトライアル期間を備えているので、その中から使いやすいものを実際に触りながら選ぶことがおすすめです。

まとめ

この記事では、配筋図とは何か、CADで作成するにあたって知っておくべきことは何かについて解説しました。

構造物の設計においては、配筋図の作成は欠かせません。配筋図作成はどんな手順で行うのかを知っておくと、CADソフト選びを効果的に進めることができるでしょう。

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出典:

*1 フォーラムエイト「3D配筋CAD」

https://www.forum8.co.jp/product/uc1/cad/3Dcad.htm

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