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CATIAにてサーフェスをソリッド化する上で知っておきたいこと

3DCADソフトのCATIAは国内外で普及している、世界で最もポピュラーなCADソフトの一種です。とにかく色々なことができるCATIAですが、初心者にとってはその自由度の高さを活かせず、苦労するシーンも多いところがネックです。

この記事では、そんなCATIAを使い始めて間もない人に向けて、CATIAを使ったサーフェスのソリッド化を行う際、知っておきたいポイントをまとめて紹介します。

目次:

  1. CATIAの強み
  2. サーフェスとは
  3. ソリッドとは
  4. なぜサーフェスをソリッド化するのか
  5. CATIAでサーフェスをソリッドに変換する方法
  6. CATIAでソリッドをサーフェスに変換する方法
  7. サーフェスをソリッド化した際に注意すべきポイント

CATIAの強み

CATIAはフランスのダッソー・システムズが提供する、製造業向けの3DCADソフトです。3DCADソフトにも多くの種類がありますが、中でもCATIAは膨大な数の機能を備えた、ハイエンドCADソフトとして知られています。

製造領域で必要な機能はほぼ全て揃えており、航空や宇宙業界など、最先端のテクノロジーを必要とする現場で活躍できる製品です。CADを使った工程はCATIA一つで全て対応することができ、ツールを切り替えながら業務に対応する必要はありません。

また、CATIAシリーズは定期的にアップデートが行われており、その度に強力な機能改善や新機能の実装なども行われるなど、ポテンシャルにも優れる点が高く評価されています。

サーフェスとは

3Dモデルのサーフェスをソリッド化するにあたっては、そもそもの用語の意味についてもよく理解しておく必要があるでしょう。3Dモデリングにおけるサーフェスとは、主に3Dモデルの面のことを指します。サーフェスモデリングとは複数枚の板を組み合わせて立体の構造物を設計する手法で、ここに体積の概念はありません。

通常、実在する構造物は多かれ少なかれ体積や質量の概念があるはずですが、サーフェスにおいては面の厚さも「ゼロ」であることが特徴です。唯一表面積については実体を伴うため、計算することができる点を覚えておきましょう。

ソリッドとは

一方のソリッドですが、こちらはサーフェスとは異なり、体積のある立体構造物をモデリングする際に用いられます。表面だけでなく質量を伴うので、重さや重心の概念が発生し、実物同様の挙動を示すことができるようになるのがソリッドです。

ソリッドモデルの体積や密度については、マテリアルの概念を加えることで柔軟に変更することができます。木製であれば密度は小さくなりますが、金属であれば大きくなるといった具合です。

サーフェスであればあくまで表面の肌触りなどを確認するにとどまるため、ソリッドの方がリアリスティックな表現が可能になるでしょう。

なぜサーフェスをソリッド化するのか

サーフェスをソリッド化して運用する理由は、3Dモデルをより実用的に運用するためです。サーフェスモデルはソリッドモデルに比べてデータ量が小さく、モデリングの負荷が小さいので3Dモデルを組み立てる工程では便利な形式です。一方、サーフェスでは体積や重心の概念を付与することができず、高度なシミュレーションなどにおいては運用上の問題も発生します。

一方のソリッドモデルですが、こちらは体積の概念がもたらされるため、シミュレーションを行ったり、細かなディテールの作り込みを行いやすくなります。面の概念しか持たないサーフェスではできることに限界があるため、適宜サーフェスモデルをソリッドモデルに変換しながら運用することが必要です。

ただ、全てのモデリングを終始ソリッドで対応することが最善であるとも限りません。例えば半円を描いたりするような流線型上をふんだんに盛り込む場合、ソリッドモデルよりもサーフェスモデルの方が面を変形させるだけで成立させられるため、モデリングの負担は小さいメリットがあります。

ソリッドが最も適しているのは、質量や体積といった幾何情報を必要としているときです*1。また、実際の施工の際に採用する材料情報も適用させられるので、どんな素材が最適なのかを確かめたいときにも役立ちます。

サーフェスとソリッドをケースバイケースで使い分けられるようになるのが、CATIA運用の上達の近道と言えるでしょう。

CATIAでサーフェスをソリッドに変換する方法

ここでは、具体的にCATIAを使ってサーフェスをソリッド化するための手順を解説します。サーフェスをソリッド化したい場合、CATIAでは複数のサーフェスを接合し、サーフェスを閉じることでソリッドに変換が可能です。

まずはバラバラになっているサーフェスを接合コマンドで接合を行い、きちんと立体が閉じられているか確認します。その後[クローズサーフェス]のコマンドを実行すれば、ソリッド化は完了です。

また、[接合]ダイアログの中にある[距離を伝播]を選択することで、連続性のある要素が全て自動で選択され、サーフェスの結合を容易かつ確実に行えるため、試してみてください。

CATIAでソリッドをサーフェスに変換する方法

CATIAではサーフェスをソリッドにするだけでなく、ソリッドをサーフェスに変換することもできます。まずはジェネレーティブシェイプデザインか、ワイヤーフレーム&サーフェスデザインにある[抽出]コマンドを実行します。その後仕様ツリーからボディを選択してOKをクリックすると、サーフェス化は完了です。

サーフェスでの処理が必要になった際には便利なコマンドなので、ソリッド化の方法と合わせて覚えておくと良いでしょう。

サーフェスをソリッド化した際に注意すべきポイント

サーフェスのソリッド化を実行する場合、気をつけておきたいのが色情報の喪失です*2。サーフェスモデルの状態で各表面情報を把握しやすいよう色付けが行われていても、サーフェスを接合してソリッド化してしまうと、設定されていた色情報は失われた、デフォルトカラーで全ての面が統一されてしまいます。

その際、再度ソリッド化したモデルの面に対して色情報を付与し直す必要があるため、事前に気をつけておく必要があるでしょう。また、専用のツールを導入することでこの負担を回避するという方法もあります。

まとめ

この記事では、CATIAを使ったサーフェスのソリッド化方法について、解説しました。サーフェスとソリッドではそれぞれメリットとデメリットがあり、必要に応じてそれぞれの性質を使い分けるのが重要です。

CATIAではサーフェスとソリッドを自由に変換しながら運用ができますが、変換の際には色情報が失われるなどのデメリットがあったり、バラバラのサーフェスを一つのサーフェスに統一する必要があったりと、利用には制約もあります。計画的に性質の変換は実行し、余計な作業負担を増やさないよう注意しておきましょう。

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参考:

*1 CADJapan「Autodesk ReCap Pro」
https://www.cadjapan.com/topics/cim/products/autodesk_recap_360.html

*2 Autodesk「ヘルプ」
https://help.autodesk.com/view/INFMDR/JPN/?guid=GUID-CA5B78BB-9D36-4F52-A840-41D4BBA09C87

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