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Amazon bedrockとは?利用できるモデル、メリットを紹介

今や個人の趣味にとどまらず、教育現場や企業の事業活動で活用されているAI。

そんな時代の中、2023年9月にAmazonから「Amazon bedrock」と呼ばれるさまざまなAIモデルが利用できるサービスがリリースされました。今回は、Amazon bedrockとは何か、どのようなモデルが利用できるのか、活用メリットは何かなどを紹介します。

この記事を読むと、以下のことがわかります。

1.Amazon bedrockとはどのようなもので何ができるか

2.Amazon bedrockでの利用可能モデル

3.Amazon bedrockを活用するメリット

4.Amazon bedrockの利用料金

Amazon bedrockとは

Amazon bedrockとは、生成系AIアプリケーションが作成できるサービスのことです。このアプリケーションの基盤モデルは、さまざまな種類のAPIを通して活用できます。

Amazon bedrockは2023年9月よりAmazon Web Services(AWS)内でサービスの提供が始まりました。

Amazon bedrockには、下記のような活用例があります。

  • 画像生成
  • 文章生成
  • 文章要約
  • 検索
  • バーチャルアシスタント

イラストの生成やブログ記事やPR記事の作成など、さまざまなタスクに活用できます。

Amazon bedrockでの利用可能モデル

Amazon bedrockでは、Amazonが提供するAmazon Titanが利用できるほか、AIスタートアップ各社が提供する基盤モデルが5つ準備されています。それぞれのモデルの特徴や利用用途を解説していきます。

Amazon Titan

Amazon Titanは、Amazonが提供するモデルで、文章の生成や文章要約、質疑応答ができます。個人的なデータに基づいたカスタマイズが可能で、ヘイトスピーチや暴力的な表現などの不適切なプロンプトは拒否できるのが特徴です。書籍や記事の要約や、検索の拡張に活用できます。

Stable Diffusion XL

Stable Diffusion XLでは、画像生成やロゴデザイン生成などを行えます。Stable Diffusionは、Stable AI社が開発した画像生成技術で、画像生成AI元年と呼ばれる2022年に突如登場しました。当時、瞬く間に世界を席巻したとともに、画像生成AI界の進化に一役買ったのです。

プロンプトを打てば高品質な画像が生成できるのが特徴で、ゲーム用のキャラクター生成や広告制作、プロダクトデザイン開発などに活用できます。

Command

Commandは、企業特有のテキスト処理に特化したLLMを開発するトロント発のスタートアップであるCohere社が開発したモデルです。コピーライティングや要約、対話、質疑応答を得意とするモデルで、埋め込みモデルでは100言語対応している点が特徴です。また、企業特有のテキスト処理に特化したLLMを開発する企業だけあって、ビジネス用のテキスト生成ができる基盤が備わっているのも大きな特徴と言えるでしょう。記事の作成や、企業向けテキストの要約などに活用できます。

Llama 2

FacebookやInstagramで知られるMeta社が開発した大規模言語モデルであるLlama 2。テキスト分析や感情分析、翻訳を得意とし、事前トレーニングでは10万回以上の教師あり学習がなされており、さらには100万件以上の人手によるアノテーション学習も行われているのが特徴です。

チャットボットや文書の翻訳に活用できるでしょう。

Claude

Claudeは、OpenAIに所属していた人物らが立ち上げたスタートアップであるAnthropic社が開発した対話型AIモデルです。対話や質疑応答のほか、テキスト情報からトレンドを予測したり、複数の文書を比較・対比・分析したりできます。さらには、コーディングの生成も可能です。

バーチャルアシスタントの生成やコーディング生成、財務情報や事業報告書からの戦略策定などに活用できるでしょう。

Jurassic

Jurassicは、イスラエルを拠点とするAIスタートアップであるAI21 Labs社が開発したモデルで、自然言語処理(NLP)技術に長けています。そのため、文章生成や要約、表作成を得意とするモデルです。例やデモンストレーションなしに、いきなり質問を投げるプロンプトの型であるゼロショットプロンプティングを活用することで、言語タスクのパフォーマンスを最大化し、コストを最適化できるのが特徴です。さらには、英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・ポルトガル語・イタリア語・オランダ語の多言語に対応しています。

高品質なチャットボット、財務レポートから商品説明に至る幅広い文章の要約などに適しています。

Amazon bedrock活用のメリット

Amazon bedrock活用にはさまざまなメリットがあります。順番に解説していきます。

幅広いモデルを活用できる

前章で解説したように、Amazon bedrockには多くのモデルが準備されています。そのため自分の作りたいものに合わせモデルを選択でき、最適なモデルを見つけることができるでしょう。

Amazon bedrockという同一のプラットフォーム上でさまざまなモデルを試すことができるということは、少ない工数で多くの施策を試すことができるとも言えます。

さらには、モデル間での組み合わせも可能なため、用途に応じたモデルをそれぞれ構築する手間も省けるのです。

AWSサービスとの親和性が高い

Amazon BedrockはAWSの一部であるため、他のAWSサービスとの統合が容易にできるのもメリットです。AWSには200種類以上のサービスが存在し、目的に応じて商品を組み合わせることで、多様なシステムを構築できます。

さらには、Amazon SageMakerやAmazon ComprehendなどのAIサービスとも連携できます。これにより、生成AIアプリケーションの開発や運用がスムーズになるのです。

保守・管理業務が削減できる

Amazon BedrockはAWS上の作業となるため、サーバーレスです。サーバーレスであれば、システムの保守や運用が不要となり、保守や管理業務にかかる工数が大幅に削減できます。今までサーバーを抱え作業していた場合は、保守・運用業務の時間を開発時間にまわすことができ、より高品質、もしくは効率的なシステム開発を行えるでしょう。

さらに、保守や管理基準はAWSの水準となるため、企業によっては今よりも高水準となり、セキュリティ性能の向上が期待できます。

Amazon bedrockの利用料金

Amazon bedrockは利用料金がかかります。大きく以下の4つに分けられています。

料金体系概要
オンデマンド・時間ベースではなく、使用した分のみの支払い(従量課金)・トークン数や画像生成ごとに課金
バッチ・オンデマンドと同費用・一連のプロンプトを単一の入力ファイルとして提供し、応答を単一の出力ファイルとして受け取ることができる
プロビジョンドスループット・特定のベースモデルまたはカスタムモデルのモデルユニットの購入が可能・時間単位で課金される
カスタマイズ・トークン数×エポック数での計算でモデルトレーニング料が加算される・使用した場合は、その使用時間に課金される
モデルの評価・使用した分だけ料金を支払う・プロンプトやレスポンスの数に対するボリューム制限なし・評価業務にモデルが 1 つでも 2 つでも料金は同じで、評価指標や評価方法をいくつ含めても同じ・AWS が管理する専門家による評価では、AWS 専門家評価チームと連携しながら、プライベート契約で評価ニーズに合わせて価格をカスタマイズ

上記の料金は、モダリティ、プロバイダー、モデルによって異なります。今回は、主なモデルの料金の一例を紹介します。(地域は東京を選択しています。)

オンデマンド

モデル入力トークン 1,000 個あたりの価格出力トークン 1,000 個あたりの価格
Claude Instant0.12 円(0.0008 USD)0.35 円(0.0024 USD)
Amazon Titan Text Express0.04 円(0.000275USD) 0.12 円(0.000825USD) 

プロビジョンドスループット

モデル1 時間あたりの料金(1 か月契約)1 時間あたりの料金(6 か月契約)
Claude Instant7,714.2円(53.00 USD)4,220.9円(29.00 USD)
Llama 2 Pretrained と Chat (13B)3,082.7円(21.18 USD)1,903.8円(13.08 USD)
Stability AI SDXL 1.07,257.1円(49.86 USD)6,721.5円(46.18 USD)

詳しくは、公式サイト「Amazon Bedrock の料金」をご覧ください。

まとめ

今回は、Amazon Bedrockとは何か、どのようなモデルが使用できるか、活用のメリットや料金の一例を紹介しました。

Amazon Bedrockでは、さまざまなモデルを同一プラットフォーム上で使用でき、各モデルを試したり融合させたりすることで自分の理想のプロダクトを生み出すことができます。

ぜひあなたもこの機会に、Amazon Bedrockを活用してみてはいかがでしょうか?

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