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BricsCAD Shapeとは?無料で使える3DモデリングツールとBricsCAD連携の仕組み

1. はじめに

3D設計を学び始めるとき、最初のハードルは「どのソフトを使うか」です。高機能なCADは多い一方で、価格や操作の学習コストが悩みの種になりがち。そんな中で入門者の受け皿として注目されてきたのが、無料の3Dモデリングツールです。

本記事で取り上げる BricsCAD Shape は、かつてBricsysが提供していた入門向けの無料ソフトです。現在は BricsCAD V26(2025年後半予定)に合わせて廃止が告知 されており、V25以前の環境で利用できるケースがある という位置づけに変わりました。とはいえ、直感的なプッシュプル操作やDWG互換といった特徴は、これから3Dに触れる人が「どんな体験ができるのか」を理解する上で、いまも有益な参考になります。

この記事では、BricsCAD Shapeの概要と主要機能、そしてBricsCAD(Pro/BIM/Mechanical)との連携イメージをわかりやすく解説します。入門者はもちろん、将来的にBIMや本格設計へステップアップしたい方にも役立つ内容です。後半では、(入手できる場合を前提に)導入の流れや動作環境の目安にも触れ、学習を始める際の不安を減らします。

BricsCAD Shapeで作ったコンセプトモデルは、必要に応じて BricsCAD Pro/BIM/Mechanical に引き継いで詳細設計へ発展できます。まずは軽量な環境で発想を形にし、必要になったら上位版で深掘りする——そんな段階的な学び方の全体像を、本記事でつかんでください。

2. BricsCAD Shapeとは?

BricsCAD Shapeは、かつてBricsys社が提供していた無料の3Dモデリングツールです。主に設計の基礎を学びたい初心者や、AutoCADの使用経験をもつユーザーを対象とした入門ソフトとして位置づけられていました。
直感的に操作できるインターフェースを備えており、複雑なコマンドを覚えなくても、アイデアのスケッチや初期段階のモデリングをスピーディに行える点が特徴です。

しかし、Bricsysは2025年後半に予定されている「BricsCAD V26」のリリースに合わせ、BricsCAD Shapeの提供終了(廃止予定)を正式に発表しています。今後は、BricsCADシリーズ本体(Pro/BIM/Mechanicalなど)へ機能を統合していく方針です。
すでにBricsCAD V25以前の環境を利用しているユーザーは引き続きShapeを使用できますが、新規入手やサポートの扱いはV26以降の廃止方針に準じます。そのため、導入を検討する際は最新の公式情報を確認することが推奨されます。

また、BricsCAD ShapeはDWG互換のファイル形式を採用していたため、AutoCADユーザーをはじめ、他のCADユーザーとのデータ交換がスムーズに行える点も大きな魅力でした。これにより、初心者でも既存の図面データを活用しながら3Dモデリングを学びやすく、実務に近い感覚で練習できる環境が整っていました。

BricsCADシリーズの中でShapeは“3D設計への入口”としての役割を果たしていました。上位版であるBricsCAD ProやBricsCAD BIMへの移行を前提とした学習ステップとして設計されており、Shapeで基本操作に慣れてから本格的な設計機能を活用する流れが推奨されていました。
現在は提供終了フェーズに入っていますが、Shapeが果たした「3D設計の入門ツール」としての役割は大きく、Bricsys製品を体系的に理解するうえでも今なお参考となる存在です。
ここからは、Shapeの基本情報と、その無料提供の背景について詳しく見ていきましょう。

2.1. BricsCAD Shapeの基本情報

BricsCAD Shapeは過去に無償で配布されていましたが、現在は提供終了(廃止予定)が発表されており、常時ダウンロードできる状況ではありません。
V25以前の環境を保持している場合に限り、引き続き利用できるケースがあります。対応OSはWindowsおよびmacOSです。

特徴的なのは、初心者にも扱いやすい操作体系と、DWG形式への完全対応です。エンジニアやAutoCADユーザーであれば、DWGファイルをそのまま読み込み、確認や簡易編集を行えるため、複数ソフトをまたいだデータ管理も容易です。もちろん、BIM導入やより高度な設計プロセスを見据えた使い方も可能でした。

操作は一般的な3Dソフトと同様に、マウス操作やショートカットキーを使って視点移動や形状作成が行えます。特に「プッシュプル操作」によって、面をドラッグするだけで押し出し・引き込みを直感的に行える点は、初心者にとって大きな魅力でした。さらに、素材ライブラリや形状ライブラリに用意されたプリセット部品を使うことで、立体物の配置を効率的に進めることもできます。

これからCADを学ぶ学生や、まずは無料で試してみたい社会人ユーザーにとって、導入のハードルが非常に低いのがBricsCAD Shapeの最大の特徴です。学習目的でモデリングの練習を行う場合はもちろん、職場でアイデアを可視化したいときなど、さまざまなシーンで活用の可能性がありました。

2.2. 無料で提供される理由

Bricsys社がShapeを無料で提供していた背景には、設計初心者の裾野を広げたいという狙いがありました。3D設計を本格的に学ぶためのソフトは一般的に高価で、費用の壁により学習を諦めてしまうケースも少なくありません。Shapeはそうした障壁を取り除き、誰もが気軽に3Dモデリングに挑戦できるよう設計されたツールでした。

また、無料版のShapeと有料版のBricsCADシリーズを明確に区別することで、ユーザーはまず軽量な環境で操作感を試し、その後必要に応じて上位エディションに移行するというステップアップが可能でした。3D機能を継続的に使う場合の移行先としては、BricsCAD Pro/BIM/Mechanicalが適しています。なお、BricsCAD Liteは主に2D図面作成を目的としたエディションであり、3Dモデリング機能は限定的です。

このように、無料版で基本操作に慣れた後、より本格的な設計へ進む際にはProやBIM、Mechanicalへのアップグレードが自然な流れとなります。
「Dream Big, Start Small(大きな夢を持ち、小さく始めよう)」という理念のもと、Shapeは学びの第一歩を支えるツールとして大きな役割を果たしました。
さらにBricsysは、ユーザーコミュニティの拡大や業界全体でのDWG互換性の推進も視野に入れており、結果的に教育機関・企業・個人ユーザーのすべてにとってメリットのあるエコシステムを築いてきました。

これほど手軽に3D設計を体験できるツールは貴重であり、BricsCAD Shapeはその先駆けとして今も多くのユーザーの記憶に残っています。これから3D設計を学びたい人にとっても、その存在は「最初の一歩」を考える上で示唆に富む事例と言えるでしょう。

3. BricsCAD Shapeの主な機能と特徴

ここでは、BricsCAD Shapeが備える主要な機能と特長を詳しく見ていきます。Shapeはシンプルながらも洗練された操作性を持ち、わずかな学習時間で多様な3Dモデルを作成できる点が魅力です。とくに「初心者に優しい設計思想」が貫かれており、これから3D設計を学びたい学生や、趣味としてモデリングを始めたい人にとっても最適な環境といえるでしょう。

また、DWG形式への高い互換性は、設計者にとって大きな安心材料です。異なるソフト間でのデータ共有やチーム内での共同作業をスムーズに進められるため、作業効率が向上し、コミュニケーションロスも大幅に減少します。
この章では、そうした利便性に加え、スナップやグリッドなどの補助機能、直感的な操作性、精度を支える仕組みなど、実際の操作感に直結する要素を紹介します。

BricsCAD Shapeは、大規模な機能を詰め込むよりも「必要な操作を確実に、快適に行えること」を重視しています。新しい3Dソフトを使う際には、どのような補助機能があり、どんなサポートが受けられるのかを理解することが上達への近道です。

3.1. 直感的な3Dモデリング操作

BricsCAD Shapeの魅力を語るうえで欠かせないのが、プッシュプル操作による直感的な形状作成です。これは、面をドラッグして押し出したり、引き込んだりするだけで厚みや形状を変更できる機能で、マウス操作だけで立体を自在に変化させることができます。
難しいコマンドを覚えなくても、直感的な操作でアイデアを即座に3Dモデルとして形にできるため、初心者でも自然にモデリングの流れをつかめます。

さらに、マウス操作で視点を自由に回転させながら形状を確認できるため、2D図面では得られない空間的な理解が深まります。Shapeで身につけたスキルは、そのまま上位版であるBricsCAD Pro、BIM、Mechanicalにも引き継げるため、学習コストが無駄になりません。

加えて、表面的にはシンプルな操作ながら、内部では精密なソリッドモデリング技術が動いている点にも注目すべきです。モデルを構成する情報を数値として扱うため、寸法の修正や形状の追加・削除を繰り返しても破綻が起きにくく、常に正確な立体を保つことができます。

3.2. 高互換性のDWGファイル形式

DWG形式は、建築・機械などの設計分野で最も広く使われているファイル形式のひとつです。BricsCAD ShapeはこのDWG形式を完全にサポートしているため、既存の2D図面を読み込んで立体化したり、Shapeで作成したモデルを他のCADソフトで開いて編集したりといった作業がスムーズに行えます。

この互換性は、複数のソフトを併用する現代の設計現場では非常に重要です。たとえば、初期のコンセプト段階ではShapeでアイデアを立体化し、その後の詳細設計をBricsCAD ProやBricsCAD Mechanicalで行う——こうしたワークフローを、データ変換の手間なく実現できます。さらに、BIM機能を活用する場合でも、DWGを基盤とすることで情報の整合性を保ちながら作業を進められます。

建築や機械設計など、専門性の高い分野では正確な寸法管理や属性情報の共有が求められます。その際も、共通のDWGファイルを“設計の軸”として扱うことで、データの一元管理が可能となり、チーム全体の生産性を高められます。BricsCAD ShapeのDWG互換性は、単なるファイル形式対応にとどまらず、設計プロセス全体をつなぐ橋渡しの役割を担っているのです。

3.3. 設計精度を支える補助機能

3D設計では、自由な造形と正確な寸法管理をどう両立させるかが重要なテーマです。BricsCAD Shapeには、スナップ機能やグリッド機能が標準搭載されており、これらを活用することで、微妙なズレを防ぎながら正確にモデリングを進めることができます。スナップグリッドを利用すれば、端点や中心点などに自動的に吸着してラインを描けるため、思い通りの位置に要素を配置できます。

さらに、Shape内で作成した立体には測定ツールを使って寸法や角度を確認できる機能も備わっています。モデリング中に数値を逐一チェックできるため、モデルの精度を保ちながら作業を進められます。複雑に見える3D空間でも、これらの補助機能を組み合わせることで、正確で信頼性の高いモデルを構築できるのです。

また、素材ライブラリや形状ライブラリも用意されており、よく使う建築部材や標準部品を呼び出して素早く配置できます。これにより、作業の効率化だけでなく、手動入力によるミスの削減にもつながります。特に学習初期の段階では、こうしたライブラリを活用することでモデリングの感覚をつかみやすく、スキル習得のスピードを高めることができるでしょう。

4. BricsCAD ShapeとBricsCADの連携

BricsCAD Shapeは無料で利用できる反面、上位版が備える詳細設計・データ管理・解析機能などの高度な機能は含まれていません。そこで重要になるのが、Shapeで作成したモデルをどのような手順で本格的なBricsCAD環境へ移行するかという点です。Shapeのデータは業界標準であるDWG形式で保存されるため、ファイル変換を行うことなくスムーズに連携できます。

また、操作体系がBricsCAD本体と非常に近いため、Shapeで身につけたショートカットやコマンドの知識をそのまま上位版に活かせます。たとえば、BricsCAD Proでの図面化・詳細設計、BricsCAD Mechanicalでの3D機械設計、BricsCAD BIMでの建築モデル運用など、どのエディションでも基本的な操作感は共通です(※Liteは主に2D作図向け)。
この章では、Shapeと上位版BricsCADの間でどのようにデータをやり取りし、どんな場面でその連携が効果を発揮するのかを具体的に解説します。

4.1. シームレスなデータ移行

BricsCAD Shapeで作成したファイルは、同じBricsys社が開発するBricsCAD Pro/BIM/Mechanicalでそのまま開くことができます。ファイル形式を変換したり、追加プラグインを導入したりする必要がないため、設計情報の一貫性を保ちながら移行できる点が大きな強みです。

たとえば、Shapeでコンセプト設計を行い、おおまかな形状や配置を決定した後、同一のDWGファイルをBricsCAD Proで開き、寸法の微調整や形状ライブラリにない独自パーツの追加を行うといった作業が可能です。こうしたデータの引き継ぎにより、初期設計から詳細設計への橋渡しがシームレスに行えます。

さらに、DWG互換の利点により、他CADユーザーとのデータ交換やAutoCADユーザーとの協業も容易です。BricsCAD環境内であれば、異なるバージョン間での互換性も高く、データの破損やフォーマット崩れの心配も少ないため、設計ワークフロー全体を効率化できます。
ただし、3Dモデリングや詳細設計を中心とした運用を行う場合は、BricsCAD Pro/BIM/Mechanicalといった上位版を移行先として選ぶのが最適です。

4.2. 上位版へのスムーズな移行

BricsCAD Shapeは、上位版であるBricsCAD Pro/BIM/Mechanicalと共通の操作体系とインターフェースを採用しています。そのため、Shapeで学んだ知識や操作感をそのまま応用でき、ソフトを乗り換える際の学習コストを最小限に抑えられます(※BricsCAD Liteは2D作図中心)。

また、Shapeには搭載されていない詳細設計や解析などの高度機能が必要になった場合も、同じDWGファイルをベースに再編集するだけで移行が完了します。ファイルの再構築やデータ変換にかかる手間が不要なため、導入や運用の負担が軽く、プロジェクト全体の効率化にもつながります。

たとえば、建築分野でBIM導入を検討している場合、Shapeで建物の基本モデルを作成し、そのデータをBricsCAD BIMに移行することで、壁・窓・扉などの属性情報を追加しながら実施設計へと発展させることが可能です。機械設計であれば、Shapeで作った外形モデルをBricsCAD Mechanicalでパラメトリック設計や干渉チェックに活用する、といった流れも自然です。

このように、BricsCAD Shapeで設計をスタートし、必要に応じて上位版へステップアップする方法は、段階的に3D設計スキルを習得したい個人ユーザーや、導入コストを抑えたい企業・教育機関にとって、非常に有効なアプローチといえるでしょう。

5. 実際の使用シナリオとワークフロー

ソフトの機能や特徴を理解しても、「実際にどんな場面で使えるのか」がイメージしづらいという方も多いでしょう。ここでは、BricsCAD Shapeをどのようなシーンで活用し、どんな手順で次の設計ステップへつなげていくのかを具体的に掴めるよう、いくつかのシナリオとワークフローを紹介します。

3Dモデリングでは、いきなり詳細設計に取りかかるのではなく、まずアイデアスケッチや試作モデルを作成する段階を設けるのが一般的です。BricsCAD Shapeはまさにこの初期フェーズに最適なツールであり、プッシュプル操作によって短時間で形状を固め、関係者と意見交換を行いながらブラッシュアップしていく作業に適しています。

さらに、チームメンバーやクライアントとデータを素早く共有できる点も強みです。ここで紹介するワークフローを参考に、自分の業務スタイルやチーム構成に合わせてアレンジすれば、より効率的な3D設計環境を築くことができるでしょう。

5.1. コンセプトデザインから詳細設計へ

設計初心者にとって最初の難関は、頭の中にあるアイデアを正確な形に落とし込むことです。BricsCAD Shapeを使えば、複雑なコマンド操作を覚えなくても、マウスドラッグとプッシュプル操作中心の直感的な操作で概形モデルを短時間で作り上げられます。初期のコンセプト段階で形状を視覚化することで、自分の発想をチームやクライアントと共有しやすくなり、設計意図の認識を早期に一致させることができます。

モデルの方向性が定まったら、BricsCAD ProやBricsCAD Mechanicalなど上位版へデータを引き継ぎ、詳細設計や構造の最適化を行うのが効果的です。たとえば、パラメトリック設計機能で寸法を数値管理したり、解析機能を用いて強度・動作の検証を行ったりといったステップが可能になります。Shapeが担うのは基本的な形状構築までであり、上位版で設計精度を高めていくのが最もスムーズな流れです。

このように、初期構想段階と詳細設計段階を役割分担して使い分けることで、時間とコストを大幅に削減できます。特に、スモールスタートを目指す企業や教育機関での学習プロジェクトなど、限られた環境で効率的に3D設計を学びたいケースに最適なワークフローといえるでしょう。

5.2. チーム内でのデータ共有

建築や機械設計の現場では、1人の担当者だけでプロジェクトを完結させることはほとんどなく、複数の設計者がそれぞれの工程を分担するのが一般的です。こうしたチーム設計で鍵となるのが、データ共有のスムーズさです。
BricsCAD Shapeは、広く利用されているDWG形式を採用しているため、設計担当者だけでなくクライアントや他部署のスタッフにもファイルを簡単に共有でき、誰でも同じ環境で確認・編集を行えます。

たとえば、初期段階を担当するメンバーがShapeで大枠となるモデルを作成し、次に詳細設計担当がBricsCAD Proで図面化を行う。また、別チームがBricsCAD BIMを用いて建物の属性情報を追加し、実施設計へと発展させる——このような連携パターンが自然に成立します。DWG形式で統一されているため、異なる部署やツール間でもデータの整合性が保たれるのです。

さらに、Shapeで作成したデータをオンライン会議などで共有する場合も、ファイル容量や互換性を気にせず扱えます。DWG対応ツールを使用するメンバー同士でデータをすぐに開けるため、意思決定のスピードアップとチーム全体の生産性向上が期待できます。
このようにBricsCAD Shapeを起点にしたデータ共有の仕組みは、設計の初期段階から完成までをシームレスにつなぎ、チーム全体で高品質な成果物を効率よく作り上げることを可能にします。

6. BricsCAD Shapeの導入方法と動作環境

ここからは、(入手できる場合を前提として)BricsCAD Shapeの導入手順と推奨されるPCスペックについて解説します。
現在、BricsCAD Shapeは廃止が告知されているため、新規でダウンロードできるかどうかは時期や環境によって異なります。入手可能な場合は、Bricsys公式サイトや認定パートナー経由などの正規チャネルからインストーラを取得し、手順に沿ってセットアップを進めることが重要です。

Shapeは、軽快な動作を意識して設計されており、一般的な個人向けPCでも問題なく動作するケースが多いとされています。少しスペックに配慮すれば、学校のPC室や企業の標準機でも十分に扱えるでしょう。

以下では、入手可能な場合を想定しながら、インストール手順と推奨PCスペック/動作条件について順を追って確認します。スムーズに導入を進めるために、各ステップのポイントを押さえておきましょう。

6.1. ダウンロードとインストール

BricsCAD Shapeは廃止が予定されているため、新規ダウンロードの可否は時期・地域・使用環境によって異なります。入手できる場合は、Bricsys公式ページまたは認定販売パートナーから、使用するOS(WindowsまたはmacOS)に対応したインストーラを取得しましょう。

インストール作業自体は難しくなく、一般的な手順——言語選択、インストール先フォルダの指定、利用規約の同意——を進めることで完了します。初回起動時にはチュートリアルや操作ガイドが表示される場合があるため、プッシュプル操作やスナップ設定などの基本操作をここで確認しておくとスムーズです。

操作に不明点がある場合は、オンライン上で公開されている公式マニュアルやユーザーフォーラムが参考になります。Bricsys公式コミュニティには学生や初心者向けの解説も多く、導入段階で行き詰まることはほとんどありません。安心して環境を整備できるでしょう。

6.2. 推奨PCスペックと動作条件

Shapeに限らず、3D CADソフトを快適に使うためには、一定のハードウェア性能が必要です。ただし、BricsCAD Shapeは軽量化に優れた設計が特徴で、中程度のスペックでも十分な動作が期待できます。

一般的な目安としては、WindowsまたはmacOS環境で、マルチコアCPU/中位クラス以上のGPU/8GB〜16GB程度のメモリがあれば、ほとんどの作業を快適にこなせます。より大規模なモデルや複雑な形状を扱う場合は、グラフィック性能やメモリ容量に余裕のある構成を選ぶと安心です。

また、SSDの利用はソフトの起動速度やファイルの読み書きを大幅に改善するため推奨されています。これは、BricsCAD本体のシステム要件でも明記されている推奨項目です。

なお、公式の動作環境はバージョンやOSの更新により変化する可能性があります。実際に導入を検討する際は、Bricsys公式サイトで最新のシステム要件表を確認することを忘れないようにしましょう。こうした事前確認を行うことで、トラブルを防ぎ、より安定した設計環境を構築できます。

7. まとめ|BricsCAD Shapeで3D設計の第一歩を踏み出そう

ここまで解説してきたように、BricsCAD Shapeは直感的な操作性と高いDWG互換性を備えた、初心者に最適な無料3Dモデリングツールでした。シンプルなインターフェースと軽快な動作により、これから3D設計を学びたい人でも気軽に始められる点が大きな魅力です。さらに、Shapeで培ったスキルはそのままBricsCAD Pro/BIM/Mechanicalなどの上位版に活かすことができ、学習段階からプロ仕様の設計環境へと自然にステップアップできます。

また、プッシュプル操作やスナップグリッド機能などの補助機能によって、コンセプト段階のモデル作成を素早く行えるほか、作成したモデルを上位版BricsCADにそのまま引き継いで詳細設計に発展させることも可能です。
加えて、DWG形式の互換性により、AutoCADユーザーをはじめとする他のCADソフトとのデータ交換も容易で、チーム作業や教育現場、企業での共同プロジェクトなど、あらゆる場面で効率的なワークフローを実現できます。

なお、BricsCAD Shapeは現在廃止フェーズにあり、V25以前の環境でのみ利用可能となっています。新規ダウンロードやサポート対応は今後終了が予定されているため、利用する際は公式サイトやパートナー経由で最新情報を確認しておくことが大切です。

とはいえ、Shapeが提供してきた「誰でも気軽に3D設計を始められる環境」という価値は今も変わりません。もし利用できる環境があるなら、ぜひ一度操作してみてください。マウスひとつで形が生まれ変わるプッシュプル操作の感覚や、3D空間でアイデアを形にする楽しさを体験できるはずです。

そして、3Dモデリングの基礎を身につけたら、次のステップとしてBIM導入や構造解析などの高度設計へ進むのも良いでしょう。BricsCADシリーズには、用途やスキルに応じた多彩なエディションが用意されており、段階的にスキルアップできる環境が整っています。

まずはBricsCAD Shapeで3D設計の世界に足を踏み入れ、創造力をかたちにする楽しさを味わってみてください。それが、あなたの設計キャリアの新たなスタートになるはずです。

<参考文献>

BricsCAD Shape | 無料3D設計&モデリングソフトウェア

https://www.bricsys.com/ja-jp/bricscad/shape

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