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ファーウェイ、5Gを使った新しいARサービス「Cyberverse」発表

いよいよ5G時代がやってきます。高速・大容量のデータ通信が可能になる5G通信では、Webやアプリのサービスもこれまでとは一味違ったものが出てくるでしょう。
さて5G普及に先駆けて、2019年8月、中国のファーウェイが新サービス「Cyberverse」を発表したことで話題になっています。

本記事では以下のことがわかります。
・5Gを使った新サービス「Cyberverse」とは何か
・5G通信とARを利用したサービスの相性
・5G実用化への国内の現状とファーウェイの立ち位置

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ファーウェイの新サービス

中国の通信機器大手のファーウェイ(Huawei)は2019年8月に開催された同社のイベント「Huawei Developer Conference」において、5G通信を使ったARサービス「Cyberverse」を発表しました。
Cyberverseとは、スマートフォンで利用できるクラウドのAR道路案内サービスです。その案内の精度のきめ細かさと、豊富なポイント情報が得られることが特長です。
これまでのナビゲーションアプリと異なり、5GとARを使うことで、目印となる案内ポイントや施設情報などの街の中のさまざまな情報が詳細に表示できるのです。目に見える建物すべてを検索しながら歩いているようなものでしょう。
まだサービスの詳細は発表されていませんが、ファーウェイが公開するYouTubeチャンネルでCyberverseのイメージを見ることができます。
これによると以下のような機能が確認できます。
Huawei Mobile

・スマートアシスタント機能
リアルタイムの映像にその場所の名称や企業情報などの詳細な情報をAR表示できます。駅・トイレ・授乳室などの公共施設のみならず、仕事での訪問先の企業や初めて行くカンファレンスルームなども探しやすくなります。またその施設についてユーザーレビュー等も見ることができます。遠くからの俯瞰映像にも対応。

・3Dナビゲーション
道路の映像上にARで矢印を出すなどわかりやすい経路案内ができます。出口情報などもきめ細かく表示可能です。ビルの入り口なども認識され、ビル内での経路案内もできます。

・店舗情報、広告表示
建物の外からは見えない内部の店舗情報も、建物外観上にAR表示することができます。カフェを探しているときなども、看板が見えなくてもすぐに案内を表示できます。

・インフォメーション表示、ゲーム
その場での気温や湿度などの天候情報をAR表示できます。ちょっとしたエンターテインメントコンテンツとして、動く人間のAR表示や建物にプロジェクションマッピングをしたかのような美しい映像を見ることができます。
また、リアルタイムのカメラ映像上でARゲームをプレイすることができます。建物の間をぬって爆弾を投げ込むなんていう過激なゲームも!?

このように、外出先でもスマホを通して様々な案内表示や情報を得ることができます。夜暗い中でもはっきり見える画像処理がされ、時間帯を問わず情報を得られます。
ビルの出口や見えない場所の案内が実現するのは便利でよさそうですね。

こうした機能の数々を外出先のモバイルで実現するにはこれまでのような4G通信では負荷が重くなってしまいます。Cyberverseは、5GとARとクラウドのメリットを掛け合わせた最先端の機能といえるのです。ただしサービスインがいつなのか、どのように提供されるのか等の詳細はまだ明らかになっていません。

そもそも5G通信とは?

といっても、5Gはまだ日本国内では商用化されていません。聞いたことはあるけれど、そもそも5Gって何だっけ?という人も多いことでしょう。
5Gとは、「5th Generation」の略であり「第5世代移動通信システム」ともいわれます。

・最高伝送速度10Gbps
・1平方キロメートルあたりの同時接続可能機器100万台
・遅延は1ミリ秒程度に抑える

といったような超高速・大容量・多数接続可・低遅延の新世代の通信です。この5Gが普及すれば、IoTのようにあらゆるモノがネットワークにつながる世界、超高画質な映像通信が実現するということなのです。

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5GとARが好相性な理由

リアルタイムで高画質な映像をやりとりするAR・VRは5Gと相性がよい技術です。高度なAR・VR利用技術として、例えば医療現場で都市部と地方をネットワークでつなぎリモートでの手術治療を可能にするロボット遠隔操作技術、観光地でのリアルタイム映像とガイド情報を重ね合わせてより印象深い観光体験を実現するデジタルコンテンツ、企業の製品をVRで試すことができるショールーム機能などが挙げられます。もちろん、CyberverseのようなARナビゲーションもそのうちの一つです。
こうしたリアルタイムで映像更新が行われることが前提のAR・VR技術において、通信速度と容量の確保はとても重要です。5G通信を使えば、位置情報の誤差や映像のタイムラグをぐっと減少させることができます。

5Gの行方

5Gは日本国内ではいつから使えるのか?

5Gはアメリカやイギリス、スイス、韓国など一部の国では実用化されていますが日本国内ではまだ実用化には至っておらず、規格の標準化やインフラなど技術開発が進められている状況です。
総務省は2020年に5G通信を実用化する目標を掲げています(もうすぐですね!)。2019年現在、NTTグループ、KDDI、ソフトバンク等の企業・大学・自治体と連携した実証実験が行われています。
5G実用化のためには、インフラの整備だけでなくユーザーの端末側の対応も必要であるため、2020年以降はモバイル・パソコンを始め機器切り替えの移行期となります。いち速く5Gを体験したいのならば対応機器購入のための貯金を今からしておくのが賢明かもしれません。

気になるファーウェイの動き

そしてファーウェイといえば、アメリカ政府がファーウェイの通信機器をアメリカ国内の通信網から排除し、国内企業にも同企業との取引を事実上禁止する措置をとるなど、アメリカと中国の技術開発競争の攻防の象徴ともなっている存在です。その一環でファーウェイ製のスマートフォンにAndroidOSを搭載できなくなったこともあり、日本国内でもファーウェイ製スマートフォンの発売が見合されるなど同社製品に対する敬遠の姿勢が表れ始めました。
しかし、技術大国となった中国最大手ファーウェイは、世界を相手に着実に5G通信網展開の歩みを進めています。

中国では、2015年に「中国製造2025」という国内製造業の成長と高度化を目指す施策を発表しており、その重点項目として5G通信の整備と設備シェア占有の目標があります。ファーウェイはこの施策推進において重要な立ち位置を占めており、5G対応の製品を次々に開発しています。通信インフラでの世界シェアはすでにここ数年トップ争いのポジションでしたが、5G通信においてもシェアのトップ5に入ってきています。
さらにネットワーク機器や5G基地局といったインフラ製品のみならず、一般消費者向けの製品も手掛けています。2019年8月には中国国内向けに5G対応スマートフォンを発売しました。
冒頭で紹介したHuawei Developer ConferenceではHarmony OSというファーウェイ独自開発のOSも発表されました。Harmony OSは現在スマートテレビに搭載されモバイル端末へは適用されていませんが、将来はAndroidOSが搭載できない穴を自社のみで埋めてしまうことも考えられます。
ファーウェイはアメリカとの取引ができなくても、自国内の大きな市場、そしてEU諸国やアジア、アフリカを相手にして世界の技術開発を引っ張っている状況であるといえるでしょう。日本における立ち位置もまた変わっていくかもしれません。

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