ARマーカーでインテリアコーディネーター用アプリも誕生
近年話題となりつつあるAR。その技術がアプリにも搭載できるようになり、様々な視点から我々の日常生活をより豊かにしてくれています。
例えば、新築や引越し先、今の部屋の模様替えを行う際、新たに買い揃える家具のデザインや色、置く場所などのインテリアを考える時、事前に頭の中でイメージしていざ購入して設置してみると、寸法が合わず設置ができない。イメージとなんだか違う。といった経験をされている方も多いはず。
今回はそんな失敗を回避できる、AR技術を搭載しているインテリアコーディネーター用アプリに注目していきたいと思います。
そもそもARってなに?
正式名称はAugmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)と言い、頭文字をとってARと略称されています。日本語に訳すと拡張現実と言われ、実際の現実世界に新たな情報を付加して、現実の情報よりも強化・増強し、視覚的に人間に提供する事を表しています。
ARを使った有名作品としては、2016年に誕生したスマホ用ゲーム「ポケモンGO」です。スマホ画面を通して、実際の現実世界にポケモンを追加して、あたかも現実に現れたような視覚的実在感を出し、現実世界と融合したゲームを体感できることに驚き、全世界で爆発的ブームを生んだことは、記憶に新しいと思います。
このように、現実世界に情報を付与して拡張することにより、様々な分野や用途に活用することができます。
マーカーでピンポイント位置情報も取得可能
また、ARにはARマーカーと呼ばれる印を認識して、AR情報を表示したい場所をピンポイントで定められるという技術もあります。ARシステムがそのマーカー(画像)の写った部分に、指定された情報を位置も計算して重ねて表示ができます。
最近では、物体や空間そのものを認識・識別して、それをもとに提示位置を特定して情報を付加させる「マーカーレス型AR」の技術もあります。
AR搭載のインテリアコーディネーター用アプリ
そんなARを用いて、実際に自身の家や部屋に、家具やインテリアを置いたイメージを視覚的に確認できる、そんな便利アプリを紹介します。
RoomCo AR
株式会社リビングスタイルが提供しているアプリです。
スマホのカメラを使って、画面に映し出された自身の部屋などに、家具やインテリアを扱う約20ブランドから、実際に販売されている約30万点の商品3Dデータの家具を、配置して試すことができるアプリです。
自身の部屋で気軽に操作することができるため、気に入るレイアウトになるまで何回でも試せて、購入前に自分の目で見てイメージができるため、コーディネートの失敗が格段に減ります。
また、専用のARマーカーを使えば、3Dデータを正確に配置できますが、iOS11にアップデートすることで、マーカーレスで実寸の配置を試すことも可能となりました。
さらに、iOS11.3以降を搭載したiPhoneおよびiPadでは、壁付けアイテムの配置確認も可能になっております。
IKEA Place
家具量販店のイケアが提供する、AR技術を活用し部屋の中に実寸大の家具を設置して、購入前に自身の部屋で確認ができるアプリです。
イケアのほぼすべての製品約2,000点が掲載されたカタログから、商品をタップしてスマホをかざすだけで、部屋のどこにでもAR技術で家具が置けます。
イケア家具を実際にアプリ上で、配置シミュレーションができるため、イケア好きにはたまらないアプリになるでしょう。
今後のARとアプリの可能性
個人用のアプリではありませんが、自社の物件を紹介する際に用いるアプリとして、大京穴吹不動産が仲介、販売する首都圏エリアの物件より順次対応している、ホームステージングサービスもあります。
特徴としては、スマホ画面を通して実際の室内を歩きながら、ARで家具や小物でインテリア演出された室内を見渡せ、より魅力的に物件を案内できるサービスです。
前節のRoomCo ARの機能をカスタマイズし、Google社の空間認識技術「Tango」のテクノロジーを搭載したスマホにて実現可能となり、日本で初めて実現されたサービスということです。
こちらは、誰でも手軽に使用できるアプリではなく、あくまでの自社物件の販売促進用アプリとして使用されております。
AR技術とGoogle社の空間認識技術の関係にも期待でき、個人が気軽に使用できるアプリでも、静止画だけではなく、実際に歩き回っている画面上にも、ARで情報付与できるようになるかもしれませんね。
このようなインテリアコーディネーター用アプリの普及に伴い、寸法・色・デザイン・配置などを実際に自身の目で見て購入できる個人としての立場から、家具の購入促進や、ホームステージングサービスとして物件案内にまで利用でき、個人と企業の双方にとって利点が生まれています。
生活の中で必須となる衣・食・住の「住」をより豊かに、より快適にしてくれることは間違いないアプリ。
ぜひ、部屋のレイアウトを決める上で活用してみては、いかがでしょうか。
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