1. TOP
  2. ブログ
  3. XRマネキンとは?KDDIとGoogle Cloudで実現!

XRマネキンとは?KDDIとGoogle Cloudで実現!

KDDIのXRマネキンとは、Google Cloudと次世代通信規格の5G技術を組み合わせて実現したマネキンです。
アパレル業界が抱える課題を解決する余地があると大きく期待されています。

この記事では、アパレル業界の現状やマネキンの重要性、XRマネキンの概要と今後活用が期待されることをご紹介します。

アパレル業界は在庫削減が重要課題

XRマネキンが開発される背景となったアパレル業界の課題についてご紹介します。

アパレル在庫問題の現状

ここでは、アパレル業界の現状を整理してみましょう。

アパレル商品は、準備発注から販売まで1年以上かかる場合があるため、ときには流行の予測が外れて商品在庫を抱えてしまいます。
国内では3ヶ月ほどで商品の入れ替わりがあるケースが多く、入れ替え直前には通常セールが行われることから、定価で販売できる期間が短い傾向があるのです。

また、店舗では多種多様な商品を扱うのに加えて、1つの商品にバリエーションとしてサイズや色などが用意されています。
そのため、手作業だけで対応していると発注や検品の誤りが防ぎきれません。

このようなアパレル業界の在庫管理の改善には、以下のような案が考えられます。

  • 在庫状況の見える化
  • 在庫管理作業の標準化
  • 在庫量の適正化
  • 在庫スペースの効率化

衣類の国内市場規模は1991年に15.3兆円と大きく成長したものの、その後は縮小を続け、2020年には8.6兆円と約15年で半分以下にまで縮小しています。(*1) 一方、商品は多様化し商品供給量は2倍近くまで増加したと言われています。(*2)
そのため、ユーザーにあわせていかに魅力的な商品を効率よく販売していくかが重要なのです。

DXの活用で無在庫化を目指す

アパレルを含む繊維産業全体として、サステナビリティの推進やデジタル化の加速は重要な課題になっています。

2020年の調査によると、国内で新規に供給される衣類のうち、3.6万トンが家庭に渡らず事業所から手放されることがわかっています。
一部はリユースやリサイクルに使われるものの、1.4万トンが袖を通されることなく廃棄されてしまうのです。(*3)

廃棄の多さは深刻な問題であり、無在庫化は廃棄率を下げる重要な観点です。
スーツで言えば、既製品よりもオーダースーツの販売比率を高めるのも在庫を減らす施策のひとつといえるでしょう。
また、今まで繊維産業は中小企業が多く、受託製造・加工を行っている企業も多くありました。

しかし、ECサイトなどを活用すれば、ニットメーカーが直接顧客に向けて販売を行うことも可能です。
DXを活用して、消費者が仮想空間でマネキンに着せた商品を見られるようになれば、業務が効率化し、事業継続性がより高まると考えられます。

マネキンは商品の販売促進に欠かせない

マネキンには、トレンドアイテムの紹介や季節感・コーディネートを提案する役割があり、人間が服を着た場合に最も美しく見えるように作られています。
店舗の入り口にマネキンがディスプレイされていると、「何となく中を見てみようかな」と感じる人も少なくありません。

マネキンの顔は大きく3つに分けられます。
バーチャル上でマネキンをモデル化する場合でも、商品にあわせてマネキンを使い分ける必要があります。

種類特徴メリット・デメリット
リアルフェイス顔、髪型、メイク、体型を人間に極力近づけている~1980年ごろまでの主流昨今は3Dモデルで作られたスーパーリアルマネキンも登場しているハイブランド品などで個性が表現しやすい着こなせる服が限られる高額
ヘッドレス首から上がない2000年ごろから登場見た目や年齢を気にせず誰にでも訴求しやすい頭部がないため印象に残りにくい
抽象フェイス現在の主流目鼻立ちをぼかし頭部や体型がおおまかに作られている見た目や年齢を気にせず誰にでも訴求しやすいメガネやイヤリングが飾れる

Google Cloudと連携したXRマネキンとは

アパレル業界でもDXに期待が集まるなか、KDDIは2022年にマルチデバイスに対応する高精細XRマネキンを開発しました。(*2)
アパレル向けへの提案としてGoogleが毎年行っている開発者会議の「Google I/O 2022」で発表したのです。

KDDIでは、Google CloudのImmersive Stream for XRと5G技術を組み合わせて実現可能な技術を模索していました。
Immersive Stream for XRは、モバイル端末上で3Dコンテンツをストリーミングする技術です。
この技術の特徴は、デバイス上で大きな演算を行わず、できるだけ負荷をかけないようにARコンテンツを表現できる点です。

つまり、モバイル端末などでも高精細な3Dコンテンツが提供できます。

XRマネキンの仕組み

XRマネキンのモデルはCADを用いて作成し、衣類は3DCGで表現して組み合わせます。
Google Cloud上で、デジタルマネキンにさまざまな演算を行い、5G技術で超高速通信できれば、手元のデバイスに負荷をかけることなく美しい描画が可能です。

XRマネキンで実現できること

今後XRマネキンの利用が拡大していくなかで、特に活用が期待されている分野をご紹介します。

デジタルカタログ

KDDIとGoogle Cloudの技術を組み合わせたXRマネキンを用いると、在庫をできるだけ持たずに商品を販売できるようになります。
店舗では、今まで立体のマネキンを置いていた空間をデジタルサイネージに置き換え可能です。
空間が空けば、新しい店舗レイアウトを工夫するために役立てる余地があるでしょう。

また、デジタルカタログでは、顧客が商品を360°好きな角度に回転・拡大して詳細を確認できます。
スマートフォンなどでマネキンが着た服を顧客に見てもらえれば、商品の状態がよくわかり、ECサイトから商品を購入してもらう割合も増やせます。

高精細なバーチャルサンプル確認

スマートフォンやタブレット端末には、Google LENSのようにAR(拡張現実)を表現する機能が搭載されています。
XRマネキンでは、クラウド上でレンダリングを行うため、光の映り具合などより実物を見た場合に近い内容の表現ができます。

KDDIでは「実際に商品を着た感じ」がわかるかどうかを重視し、素材感、布の動き、など実際の着用イメージが再現できれば、実物を見なくても顧客に商品の様子が伝えられます。

バーチャルファッションショー

実際のマネキンでは導入が難しいことも多いリアルフェイスのマネキンでも、XRマネキンであれば店舗すべてにマネキンを配置するよりも導入が簡単です。
販売する側もターゲット層に受け入れられやすいデザインのマネキンが検討できるでしょう。

また、バーチャルマネキンはモデルとして動かすことも可能です。
あらかじめマネキンにモーションをつけておけば、ファッションショーのランウェイを歩かせて商品の魅力を伝えることができます。
顧客は正面のほか、後ろ側、足元など実際のファッションショーでは見られない角度から好きな部位が視聴できます。

XRマネキンで新しい販売機会が創出できる

XRマネキンとは、KDDIの5G通信とGoogle Cloudの技術を組み合わせたバーチャルマネキンです。
複雑な処理をGoogle Cloud上で行うことで、デバイスに大きな負荷をかけることなく高精細な表示が行えます。
アパレル業界は商品の流行サイクルが短いうえ商品点数が多いことから廃棄問題を抱えています。
在庫を削減するなど新しい販売戦略を構築するために、XRマネキンが注目されているのです。

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

参考URL
*1 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/textile_nw/pdf/001_05_00.pdf

*2 https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2022/05/18/6077.html

*3 https://www.env.go.jp/policy/pdf/st_fashion_and_environment_r2gaiyo.pdf

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP