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Epic GamesとAutodeskの提携はXRにどんな変化をもたらすのか

ゲーム業界で重要な役割を果たすEpic Gamesは、ゲーム業界はもちろんですが、近年は3DやXRの分野でも注目度が高まっています。そんな同社は先日、3Dモデリングツールを世界で展開するAutodesk社との戦略的提携を結んだことを発表し、XR業界で話題を呼びました。

この記事では、そんなEpic GamesとAutodeskの提携がXR業界にどんな影響を与えるのか、そして両社はこれまでXR業界において、どのような活動を行ってきたのかについて、解説します。

目次:

  1. Epic GamesとAutodeskの戦略的提携について
  2. XRに期待されるメリット
  3. Epic GamesのこれまでのXRの取り組み
  4. AutodeskによるXRの活動
  5. XRはEpic GamesとAutodeskの提携で何が変わるのか

Epic GamesとAutodeskの戦略的提携について

2022年9月、Epic GamesとAutodeskはXR分野における戦略的提携を結んだことを発表しました*1。発表によると、今回の提携を通じてAutodeskの3Dモデリング製品である「Revit」上で、Epic Gamesが提供するハイエンドビジュアライゼーションツールの「Twinmotion」が無料で使えるようになるということです。

Twinmotionを使って、Revit上で高品質な3Dモデルを構築し、RevitからEpic Gamesのゲームエンジン「Unreal Engine」へ3Dモデルを移せば、精巧な建築3DコンテンツをVR空間で利用できる。そんなシームレスな使い方が実現可能となりました。

これまで、Unreal Engineは主にゲーム開発を効率化させる目的で提供されてきたゲームエンジンでした。しかし今回の提携によって、同エンジンをAutodeskが強みを発揮する建設・建築業界で活用しやすい環境が整い、今後はこういった業界でもUnreal Engineが活躍するケースも増えてくることとなりそうです。

XRに期待されるメリット

VRやAR、そしてMRのような最新視覚技術であるXRは、エンターテイメント分野での活躍が目立っている印象があります。しかしXRはゲームの世界だけでなく、ビジネスの領域においても多くのメリットが期待できます。

近年XR業界で最も盛り上がっているのが、VR技術を駆使したメタバース領域です。仮想空間で生身のユーザー同士がコミュニケーションをとり、現実と同じように活動ができるようになることで、リモートワークのあり方が大きく変わると期待されています。自身のアバターやホログラフィック映像を通じて、極めてリアルな身体コミュニケーションを実現したり、現実の会議室にいるかのような体験が得られるとしています。

建設業界などではARやMRを使ってオブジェクトを現実世界に表示し、業務のサポートや情報共有の円滑化に役立てている実例も登場しています。今後成果が広く共有されれば、業務のスタンダードにXRが加わってくることになるはずです。

Epic GamesのこれまでのXRの取り組み

そんなXR業界に、ゲームエンジンの提供でゲーム市場を支えるEpic Gamesも、強い参入意欲を示していることがわかります。

Unreal EngineはすでにXRへの最適化が完了しており、MetaのOculusやMicrosoftのHoloLens、Playstation VRなど、幅広いプラットフォームに対応しています*2。VRゲームでの運用はもちろんですが、医療用シミュレーションアプリの提供や、VRトレーニングによるビジネススキルの習得、自動車メーカーにおける人間工学の評価など、多様な領域で活躍している点も特徴です。

XRで活躍するゲームエンジンといえばUnityのイメージが強いですが、実はUnreal Engineも顕著な実績を残しつつある点は無視できないところです。

また、Epic Gamesは2022年5月に3Dスキャンを手掛けるスタートアップM-XRへの出資を発表しており、3D制作ソリューションの開発を支援しています*3。社内の3D技術の向上はもちろんですが、他社の3D技術にも積極的に関与することで、よりスピード感を持ってXR分野で存在感を発揮していきたいというメッセージの表れとも言えるでしょう。

AutodeskによるXRの活動

3Dモデリングにおいては世界的な評価を集めるAutodeskも、XR運用に向けた取り組みを強化しています。

同社の3DビジュアライゼーションソフトであるVREDを使い、ドイツの自動車メーカーにおけるXRを使った共同レビューの実施や、VRデザインツールのCreate VRを用いた流体の3Dスケッチ、あるいは統合プラットフォームのFusion 360を使ったARによる設計図の共有など、多くの実用的な実績を残してきました*4。

Autodeskは、3Dモデルをただ構築するだけでなく、3Dモデルを有効活用するためのツール提供に力を入れてきました。今後はXRの領域でも、同社のブランド力を活かした大きな存在感を発揮することになりそうです。

XRはEpic GamesとAutodeskの提携で何が変わるのか

Epic GamesとAutodeskの今回の提携は、あくまでRevit上で無料でTwinmotionを運用できるようになるにとどまっています。しかしXR需要の高さやこれまでのXR分野における両者の活動から察するに、今後はさらにシームレスに両製品を使用できるようアップデートされていくでしょう。

Autodeskはビジネスにおける3D活用の実績が豊富で、Epic Gamesはゲーミングを通じて3Dモデルを動かすことに長けた技術的ノウハウが存在します。両社の強みが今後も融合することがあれば、会社の垣根を超えた技術的な進歩がXR業界に訪れるかもしれません。

まとめ

今回は、Epic GamesとAutodeskの戦略的提携によって可能になったサービスや、今後のXRについての予測を解説しました。XRはエンターテイメントとビジネスの両方で活躍しており、更なる進化と普及が期待されています。

XR関連会社の協業は、いかなる形であってもポジティブな結果がもたらされると期待ができ、相乗効果で短期間で技術的革新を迎えられるようになるかもしれません。

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参考:
*1 MOGURA VR「Epic GamesとAutodeskが戦略的提携を発表。Unreal Engineへの高精度建築コンテンツ導入をより手軽に」
https://www.moguravr.com/epic-games-autodesk-strategic-partnership/

*2 Epic Games「XR」
https://www.unrealengine.com/ja/xr

*3 DRONE「Epic Games、XR需要拡大に伴いM-XRに投資」
https://www.drone.jp/news/2022050916130452308.html

*4 Autodesk「エクステンデッド リアリティ(XR)」
https://www.autodesk.co.jp/solutions/extended-reality

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