1. TOP
  2. ブログ
  3. BricsCADコマンド一覧|初心者でもすぐ使える基本操作ガイド

BricsCADコマンド一覧|初心者でもすぐ使える基本操作ガイド

1. はじめに|BricsCADの基本をマスターする第一歩

 BricsCADは、AutoCADと高い互換性をもつCADソフトです。操作感やコマンド体系がよく似ているため、AutoCAD経験者はスムーズに移行でき、はじめてCADに触れる方でも基本操作を押さえれば短期間で使い始められます。

とはいえ、実際に触れてみると最初の壁があります。コマンドラインに英語で入力する場面が多く、「どのコマンド名を打てばいいの?」「始点の指定がうまくいかない」「ズームや移動が直感的でない」 といった戸惑いは珍しくありません。特に学生や初学者は、“最初に覚えるべきコマンドが何か”で迷いがちです。

本記事では、初心者がまず覚えるべきコマンド一覧を中心に、つまずきやすいポイントをやさしい手順で解説します。BricsCADは導入しやすく、学習コストも低め。基本を押さえれば、2Dの作図から3Dモデリングまで段階的にステップアップできます。

これから紹介する内容は、実務でも役立つ具体的なコマンド名・使いどころ・操作のコツまで踏み込んでいます。はじめての方でも読み進めやすい平易な表現でまとめました。まずはこのガイドを学習の一歩目として、作図のスピードと精度を着実に高めていきましょう。

2. BricsCADとは?|基本概要とAutoCADとの比較

 BricsCADは、ベルギーのBricsys社(現在はHexagonグループ)が開発した汎用CADソフトウェアです。AutoCADと同じDWG形式の図面データをそのまま扱える高い互換性を持ち、2D/3Dの両方に対応・柔軟なライセンス形態といった特徴があります。価格と導入のしやすさのバランスに優れており、近年は企業や教育機関でもBricsCADの初心者ガイドなどを活用しながら導入・教育が進んでいます。

ここではまず、BricsCADの特徴と強み、そしてAutoCADとの互換性や違いを整理していきましょう。これらを理解しておくことで、編集コマンドや作図コマンドといった基本操作の習得にとどまらず、将来的に3DモデリングやBIMなどの専門スキルへ発展させるための土台が築けます。

BricsCADには、Lite、Pro、Mechanical、BIM、Ultimateの5種類のエディションがあります。それぞれ機能の範囲が異なり、用途に合わせて選択できます。たとえば、2D図面作成を中心に使うならLite、3DモデリングやBIM機能も活用したい場合はPro以上、機械設計や建築設計を統合的に行いたい場合はMechanicalやBIM、そしてすべての機能を網羅したUltimateを選ぶのが一般的です。

BricsCADのライセンス の選び方次第で学習内容や活用範囲が変わるため、最初に目的を明確にしておくことが大切です。

 2.1. BricsCADの特徴と強み

 BricsCADの最大の魅力は、AutoCADと同等の操作感を保ちながらもコストを抑えられることです。DWG形式に完全対応しており、AutoCADの互換性が非常に高く、ショートカットキーやツールバー配置もほぼ同じです。

そのため、AutoCADの経験がある方なら、ほとんど違和感なく作業を始められます。さらに、BricsCADには独自のAIコマンドが搭載されています。たとえば、BLOCKIFYは同じ形状を自動的に検出してブロック化し、繰り返し処理の効率を大幅に高めます。また、COPYGUIDEDは配置ガイドをもとにオブジェクトを自動で整列させることができ、図面修正の時間短縮に役立ちます。

このようなAI支援機能により、単なる互換ソフトにとどまらず、より効率的な設計環境を実現しています。さらに、永久ライセンス(買い切り)を選べる点もBricsCADの大きなメリットです。長期的にコストを抑えやすく、アップデートやサポートを組み合わせれば安定した運用が可能です。BricsCADは学習コストも低く、初心者でも短期間で基本操作を習得し、本格的な作図や3Dモデリングへとスムーズに進めます。

 2.2. AutoCADとの互換性と違い

 BricsCADとAutoCADはどちらもDWG形式を標準としており、基本的な作図フローやショートカットキー設定は非常に似ています。そのため、AutoCADを使った経験がある方なら、コマンド入力方法を覚えるだけで、スムーズに操作へ移行できます。一方で、ライセンス体系には明確な違いがあります。

AutoCADがサブスクリプション契約(期間制)を中心にしているのに対し、BricsCADは永久ライセンスも選択できるため、長期的なコスト管理を重視するユーザーに向いています。
また、標準でAI活用コマンドや高度な3D・BIM機能を備えている点も特徴です。

操作面では、BricsCADもリボンインターフェースを採用しており、ツールバー形式やクラシックビューにも切り替え可能。そのため、従来型操作に慣れたユーザーでも、直感的でわかりやすい環境で作業できます。これらの互換性と独自機能の違いを理解することで、BricsCADの強みを最大限に活かせるようになります。

本記事では、初心者が最初に触れる基本操作を中心に、2D・3Dの実践的な操作方法を詳しく解説していきます。ぜひ、AutoCADとの違いを意識しながら読み進めてみてください。

3. BricsCADのコマンド入力方法と基本操作

 ここからは、実際の操作方法を解説していきます。BricsCADでは、コマンドラインへの直接入力、リボンやツールバーからの選択、キーボードショートカットとマウスの併用など、さまざまな方法でコマンドを呼び出すことができます。特に初心者のうちは、まずコマンドラインでの入力操作に慣れることが大切です。コマンドを手動で入力することで、BricsCADの処理の流れや作図の仕組みが理解しやすくなります。

また、Dynamic Input(ダイナミック入力)機能を活用すれば、マウスカーソルの近くに座標や入力値がリアルタイムで表示され、視線を動かさずに作業を進められます。さらに、マウス操作とキーボード入力を組み合わせることで、作業スピードが飛躍的に向上します。

ここでは3つの小見出しに分けて、BricsCADを効率よく操作するための基本手順を解説します。

 3.1. コマンドラインの使い方

 BricsCAD画面の下部にあるコマンドラインは、ユーザーがコマンド名を直接入力するための入力欄です。たとえば、図面上で LINE や CIRCLE と入力して確定すれば、線分や円を作成できます。

最初はコマンド名をすべて覚えるのが難しく感じるかもしれませんが、Tabキーによる候補補完機能を活用すれば効率的に学習できます。たとえば L と入力すると候補リストが表示され、Tabキーを押すことで LINE が補完されます。Enterキーで確定すれば、すぐに作図を開始できます。

また、コマンドラインのカスタマイズも可能です。背景色や文字サイズを調整して見やすくすれば、長時間の作業でも目の負担を軽減できます。自分に合った配色やフォント設定にしておくことで、操作の快適さと集中力を維持できるでしょう。

 3.2. マウスとキーボードの効果的な併用

 BricsCADにおけるマウス操作の基本は、ホイール操作によるズームとドラッグによる移動(PAN)です。ホイールを回すと拡大・縮小、ホイールボタンを押したままドラッグすれば図面全体を移動できます。スムーズなズームイン/ズームアウトを習慣化すると、細部の確認と全体の把握がしやすくなり、作図の精度と効率がともに向上します。

また、右クリックメニューを使えば、直前に使ったコマンドを再実行したり、よく使う機能を素早く呼び出したりできます。キーボード操作と組み合わせれば、ツールバーを頻繁に開かなくても作業を完結できるため、マウスの移動量を減らせてスピードアップにつながります。

最初のうちは戸惑うかもしれませんが、マウスジェスチャーやショートカットを少しずつ覚えていくことで、自然と作業の流れが体に染み込みます。日々の作業の中で少しずつ慣れていけば、基本操作を短期間で習得できるでしょう。

 3.3. ショートカットキーとコマンドエイリアス

 BricsCADでは、AutoCADと共通するショートカットキーが数多く用意されています。代表的な例として、Ctrl + Sで保存、Ctrl + Zで元に戻す、Ctrl + C / Ctrl + Vでコピー&貼り付け、さらにEnterキーやスペースキーで直前コマンドの再実行などがあります。

こうした操作は他のソフトでも共通しているため、初心者でもすぐに馴染めます。加えて、コマンドエイリアス(短縮入力)を使うと、入力をさらに効率化できます。たとえば LINE を L、COPY を CO といった具合に短縮して入力できるため、作図スピードが大幅に上がります。設定ファイル(default.pgp)を編集すれば、自分好みのエイリアスを自由に追加・変更できます。

ショートカットキーとコマンドエイリアスを組み合わせることで、キーボード中心の作業スタイルが確立し、画面上の操作に頼らずテンポよく作業を進められます。これらを積極的に活用すれば、BricsCADの操作効率を飛躍的に高めることができるでしょう。

4. 【一覧】初心者が最初に覚えるべきBricsCAD基本コマンド

 ここでは、初心者がまず覚えておきたいBricsCADの基本コマンドをカテゴリ別に整理します。作図、編集、寸法や注釈、表示や保存といった主要なコマンドを理解しておくと、日常の作業をスムーズに進められ、操作のミスも格段に減ります。

一覧を確認することで、「どの場面でどのコマンドを使うべきか」が明確になり、効率的に作業の流れをつかめるようになります。特に、複数のコマンドを組み合わせて形状を修正したり寸法を記入したりする場面では、基本コマンドの理解が大きな力を発揮します。

最初は作図系・編集系コマンドから練習し、慣れてきたら寸法・注釈系、さらに表示・保存系コマンドへと学習範囲を広げるとよいでしょう。この順序で覚えることで、BricsCADの操作を段階的にマスターできます。

 4.1. 作図コマンド

1. LINE(L)
線を作成する基本コマンドです。F8キーで直交モード(ORTHO)をオンにできます。また、Shiftキーを押すと直交モードの一時トグルとして動作し、直交モードがオフの場合は一時的に有効化、オンの場合は一時的に解除されます。壁の輪郭線や構造部材の芯線など、正確な水平・垂直線を描く際に便利です。

2. CIRCLE(C)
円を作成するコマンドです。基本的には中心点と半径を指定して描画しますが、3点指定など複数のサブオプションもあり、状況に応じて柔軟に使い分けられます。

3. RECTANGLE(REC)
矩形(長方形)を作成するコマンドです。最初の点をクリックしたあと、対角線上の点を指定して描きます。オプションで角のフィレット(丸め)や寸法指定も行えるため、正確な形状作図に役立ちます。

 4.2. 編集コマンド

1. COPY(CO)
選択したオブジェクトを複製するコマンドです。基点と移動先を指定することで、図形を正確な位置にコピーできます。繰り返し配置する部品や図形を扱う際に便利です。

2. MOVE(M)
オブジェクトを任意の座標に移動するコマンドです。複数の要素をまとめて動かしたり、レイアウトの微調整をしたりする際に効果的です。

3. ERASE(E)
不要なオブジェクトを削除するコマンドです。削除後に誤りに気づいた場合は、Ctrl + Zで元に戻せるので安心です。図面整理の際に頻繁に使われます。

 4.3. 寸法と注釈コマンド

1. DIM(DIM または DIMENSION)
寸法線を作成するコマンドです。寸法スタイルは DIMSTYLE(D)で編集可能です。DIMで寸法を直接入力し、DIMSTYLEでスタイルを統一すれば、図面全体の見やすさと統一感を保てます。寸法の精度や文字サイズの調整もここで行えます。

2. TEXT(TX)
注釈やメモを記入するコマンドです。BricsCADの既定エイリアスは TX で、AutoCADの T とは異なります。必要に応じて設定ファイル(default.pgp)を編集すれば、T など任意のショートカットに変更可能です。フォントや文字高さを統一しておくと、図面全体のバランスが整い、視認性の高いレイアウトになります。

3. LEADER(LE)
引き出し線付きの注釈を作成するコマンドです。図面上の特定箇所を指し示しながら説明を加えることができ、設計意図を明確に伝える際に重宝します。部品の識別や注釈補足など、図面の理解を助ける目的でよく使用されます。

 4.4. 表示と保存コマンド

1. ZOOM(Z)
図面を拡大・縮小するコマンドです。部分的にズームインして詳細を確認したり、全体を俯瞰したりする際に使用します。作業中はこまめにズームを調整することで、細かなずれやミスを防ぐことができます。

2. PAN(P)
図面を水平方向・垂直方向に移動するコマンドです。マウスのホイールボタンを押しながらドラッグしても同様の操作が可能です。この動作はシステム変数MBUTTONPAN = On(既定値)の状態で有効になります。設定を変更すれば、ホイールクリックに別の操作を割り当てることもできます。

3. 保存関連コマンド(QSAVE/SAVE/SAVEAS)
QSAVE(Ctrl + S):現在の図面を即座に上書き保存します。最も頻繁に使用されるショートカットです。
SAVE(SA):新規保存や上書き保存を、ダイアログを通じて実行します。
SAVEAS(SAVEAS):別名で保存する際に使用します。

BricsCADではAutoCADと同様に、Ctrl + SでQSAVEが実行されます。定期的に保存する習慣をつけることで、万が一のトラブルが発生しても作業データを安全に復元できるようになります。

 5. AutoCADユーザー必見!BricsCADで同じように使えるコマンド

 AutoCADユーザーがBricsCADへ移行する際にまず気になるのは、これまで使ってきたコマンドがそのまま使えるのかという点ではないでしょうか。実際のところ、BricsCADはAutoCADとの高い互換性を備えており、多くのコマンドをほぼ同じ方法で呼び出せます。そのため、移行時の学習コストは低く、操作の違いに戸惑うこともほとんどありません。

ここでは、共通して使える基本コマンドと、BricsCAD独自の追加コマンドの2つの観点から解説します。AutoCADと共通する部分を活かしつつ、新たなBricsCAD専用機能を取り入れることで、作業の幅をより広げ、生産性を一段と高めることができるでしょう。なお、各コマンドの詳細や実際の操作手順は、公式チュートリアル やオンラインリソースを参照すると、より実践的に理解できます。

 5.1. 共通コマンドの活用

 BricsCADとAutoCADでは、同じ呼び出し名を使用するコマンドが数多く存在します。
代表的なものとして、COPY(CO)、MOVE(M)、TRIM(TR)、EXTEND(EX)などが挙げられます。

これらは両ソフトで操作方法がほぼ共通しており、AutoCADに慣れているユーザーなら、BricsCADでも違和感なく作図を始められます。また、レイヤー管理(LAYER)や外部参照(XREF)といった機能も、AutoCADとほぼ同様の手順で利用できます。この互換性の高さは、チームや他社との図面共有・共同作業において大きな強みとなります。異なる環境間でもデータをスムーズに受け渡せるため、作業効率と品質の両立が可能です。

一方で、表示設定やダイアログの配置など、細部で挙動が異なる場合があります。たとえば、ダイナミック入力の初期設定やスナップ動作の細かい挙動などはAutoCADと微妙に異なるため、最初のうちは違和感を覚えるかもしれません。こうした違いを理解するには、日本語リソース や公式ヘルプを活用し、設定を確認しながら慣れていくのが効果的です。

 5.2. BricsCAD独自の追加コマンド

BricsCADには、AutoCADにはない独自のAIコマンドや自動化機能が搭載されています。代表的なものとして、BLOCKIFYとCOPYGUIDEDが挙げられます。

BLOCKIFY:同一形状を自動的に検出してブロック化する機能。繰り返し使われる要素をまとめて処理できるため、図面全体の軽量化と作業効率化に効果的です。

COPYGUIDED:指定したパスやガイド線に沿ってオブジェクトを自動配置する機能で、規則的な並びやパターン作成が容易になります。

これらの機能は、BricsCADのAIによる設計支援機能の中心を担っており、特に大量の同一形状を扱う図面で大きな威力を発揮します。

設計現場では効率化テクニックとしても知られ、作業の自動化や時間短縮に役立ちます。さらに、QUICKDRAWなどのBIM寄りの機能も搭載されています。これは壁や部屋のレイアウトを直感的に作成できるツールで、建築設計や空間モデリングを効率化します。

こうした機能は、BricsCADのPro以上のエディションで利用でき、BIM機能や3D設計との連携を強化したいユーザーに特におすすめです。

また、これらのAIコマンドをレイヤー管理や外部参照、ブロック化などの基本操作と組み合わせることで、設計の質とスピードを両立できます。将来的に3Dモデリングへ挑戦したい方にとっても、こうした独自機能の活用は新しい設計表現や作業効率化の可能性を広げる重要なステップとなるでしょう。

 6. 作業効率を高めるショートカット&設定のヒント

 基本コマンドを覚えたら、次のステップは作業効率を高める工夫です。BricsCADでもAutoCADと同様に、ショートカットキーやコマンドエイリアスを活用することで、操作スピードを大幅に向上させることができます。

さらに、インターフェースのカスタマイズやユーザープロファイルの設定を行えば、自分の作業スタイルに最適化された環境を整えられます。作図業務においては、作業環境が快適であるほど生産性が上がるため、こうした設定を活用することが重要です。

ここでは、ショートカットキーの使い方やカスタマイズのコツ、効率的な作業環境の整備方法について、具体的に解説していきます。

 6.1. ショートカットキーの一覧と使い方

 BricsCADでは、AutoCAD互換のショートカットキーが多数採用されています。たとえば、「Ctrl + C:コピー」「Ctrl + V:貼り付け」「Ctrl + S:保存」「Ctrl + Z:元に戻す」といった、一般的なPC操作でも使い慣れたキーがそのまま利用できます。

また、Enterキーやスペースキーには 直前のコマンド再実行 が割り当てられており、さっき使ったコマンドをもう一度使いたい といった場面で非常に便利です。これらをコマンドエイリアス と組み合わせることで、キーボード操作中心の効率的な作業フローを構築できます。

さらに、自分専用のショートカットを追加したい場合は、設定ファイル(default.pgpなど)を編集してカスタマイズ可能です。よく使うコマンドに短いエイリアスを割り当てれば、入力回数を減らせて操作がより快適になります。

こうした小さな改善の積み重ねが、最終的には大幅な時間短縮と作業精度の向上につながります。

 6.2. カスタマイズ可能なユーザーインターフェース

 BricsCADの魅力の一つは、柔軟にカスタマイズできるUI(ユーザーインターフェース)です。リボンやツールバーの表示・非表示を切り替えたり、ボタンの位置を変更したりすることで、自分に合った操作画面を作ることができます。よく使うコマンドを前面に配置し、あまり使用しないツールをコンパクトにまとめるだけでも、画面がすっきりして操作がしやすくなります。

また、ツールバーのカスタマイズを行うと、マウスの移動距離を減らせるため、誤クリック防止や作業スピードの向上にも効果的です。特に大規模な図面や複雑な設計を扱う場合、ボタンの配置は効率に直結します。定期的に見直して、自分の作業スタイルに合うUIを整える習慣をつけるとよいでしょう。

さらに、BricsCADにはユーザープロファイルという概念もあり、一度カスタマイズした設定を保存しておけば、別のPCでも同じ環境をすぐに再現できます。チーム作業や出張先での業務にも便利な機能です。

 6.3. 効率的な作業環境の設定

 BricsCADでは、図面テンプレート(DWT)を初期設定として登録しておくことができます。これにより、レイヤー構成、文字スタイル、寸法設定、単位などをあらかじめ整えた状態で新規図面を開けるため、日々の繰り返し作業を効率化できます。

さらに、テンプレート活用によって、チーム全体で統一された標準仕様を共有することも可能です。テンプレートをプロジェクトごとに使い分けることで、用途に応じた寸法スタイルやレイヤー管理の自動化が実現します。CAD設計では、こうした設定の積み重ねが最終的な品質に直結します。

ショートカットキーやUIカスタマイズ、テンプレートの活用を組み合わせることで、BricsCADをより快適かつ効率的に運用できるようになります。自分に合った環境を整え、日々の設計作業の中で確実にCADの操作スピード向上を実感していきましょう。

 7. まとめ|基本コマンドを覚えればBricsCADはもっと使いやすくなる

 ここまで、BricsCADの概要からAutoCADとの比較、コマンドの入力方法、基本コマンドの一覧、効率化のコツまでを幅広く解説してきました。BricsCADの基本コマンドを習得すれば、図面作成の流れが格段にスムーズになり、作業精度やスピードが飛躍的に向上します。結果として、個人の生産性だけでなく、プロジェクト全体の効率アップにもつながるでしょう。

初心者の方は、まず LINE や CIRCLE などの作図系コマンドや、COPY、MOVE といった編集系コマンドから練習するのがおすすめです。それらの操作に慣れてきたら、寸法や注釈のコマンドに進み、さらにステップアップとして ブロック化・外部参照・3Dモデリング などの応用機能を学んでいくと、自然にスキルの幅が広がります。

また、AutoCADの経験がある方であれば、ショートカットキーやコマンド体系が共通しているため、BricsCADへの移行は非常にスムーズです。操作感に慣れるまでに時間はかかりません。基本概念や設定構造を理解しておけば、短期間でBricsCAD特有のメリットを最大限に引き出せるようになるでしょう。

 7.1. 学習の進め方と次のステップ

 最初のうちは、1日1コマンドを試すくらいのペースで進めると無理なく続けられます。
特に、図面作成で頻繁に使うコマンドから重点的に練習すると、すぐに成果を実感できるはずです。

基本操作に慣れたら、次はレイヤー管理・外部参照・ブロック化といった図面の運用に関わる要素を学んでみましょう。これらを理解することで、より複雑な設計やチームでの共同作業にも対応できるようになります。

さらに、AutoCADとBricsCADの両方を使いこなせるスキルを身につければ、就職やキャリアアップのチャンスが大きく広がります。どちらのソフトでも作業できる柔軟性は、設計職として大きな強みです。

日々の学習では、単に操作を覚えるだけでなく、実際に図面を描きながら試してみることが大切です。こまめな復習と実践を繰り返すことで、理解が定着し、自然に作業スピードと精度が上がっていくでしょう。

 7.2. 公式チュートリアルとリソースの活用

 BricsCADをより深く学ぶには、公式チュートリアル や 日本語リソース を積極的に活用しましょう。これらには、基本設定の変更方法、カスタマイズの手順、トラブルシューティングなど、実務で役立つ情報が体系的にまとめられています。

また、ユーザーフォーラムやコミュニティに参加することで、他のユーザーの事例を参考にしたり、疑問点を質問したりすることも可能です。とくに、製品アップデートや新機能に関する情報は、公式サイトやフォーラムでしか得られないことも多く、最新情報のチェックは重要です。

今後、BricsCADはAIコマンドや3Dモデリング機能のさらなる進化が期待されています。2D・3D設計の垣根がなくなりつつある中で、効率化と精度向上を両立できるBricsCADの価値はますます高まるでしょう。日々の学習と実践を重ねながら、自分のペースでスキルを磨いてください。

基本操作を確実に身につけることが、BricsCADを使えるツールから頼れる武器に変える第一歩です。これからの設計作業を、ぜひBricsCADとともにもっと自由で快適なものにしていきましょう。

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

<参考文献>

CADソフトウェア – 2D/3D CAD – Bricsys®

https://www.bricsys.com/ja-jp

BricsCAD – BricsCAD Lite & Pro | Bricsysヘルプセンター

https://help.bricsys.com/ja-jp/document/bricscad

Bricsys CAD Blog|CADに関するインスピレーション& BIMテクノロジー

https://www.bricsys.com/ja-jp/blog

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP