1. TOP
  2. ブログ
  3. AutoCAD vs. BricsCAD:右クリック操作徹底比較ガイド

AutoCAD vs. BricsCAD:右クリック操作徹底比較ガイド

はじめに

現代のCAD(Computer-Aided Design)業界において、設計作業の効率化は非常に重要なテーマです。設計者やエンジニアは、限られた時間の中で精度の高い図面作成を求められるため、日常の操作がいかにスムーズかが業務成果に直結します。特に「右クリック操作」は、各種コマンドやショートカットへの迅速なアクセスを可能にし、作業フローの中核を担う重要な機能です。

本記事では、業界標準として長年親しまれているAutoCADと、近年注目を集めているBricsCADの右クリック操作に焦点を当て、各ソフトウェアの基本動作、カスタマイズ性、操作性の違い、さらにはそれぞれの強みと弱みを詳しく比較していきます。

右クリック操作の基本とその役割

CADソフトウェアにおける右クリック操作は、単なる補助的な機能ではなく、設計プロセス全体の効率を大きく左右する鍵となる操作です。

直感的な操作とコンテキストメニュー

多くのCADユーザーは、図面内のオブジェクトを選択後に右クリックすることで、選択対象に応じたコンテキストメニューが表示され、必要なコマンドやオプションに即座にアクセスできることを経験しています。これにより、メニューを探し回る手間が省かれ、作業の流れが中断されずに済むため、設計作業の効率が格段に向上します。右クリック操作は、設計業務において非常に自然な動作となっており、ショートカット機能としても活用されるため、各ソフトウェアの使いやすさやカスタマイズ性の評価において、非常に重要な要素となります。

カスタマイズ可能性のメリット

さらに、現代のCADソフトウェアは、ユーザー自身が右クリック操作を自分好みにカスタマイズできる柔軟性を備えています。たとえば、右クリック時の動作を変更して、普段使い慣れたコマンドの実行や、特定の編集、Enter動作など、操作をより直感的、効率的に行えるように設定することができます。こうしたカスタマイズは、業務内容や個々の作業スタイルに合わせて最適な環境を構築するための有力な手段であり、作業効率を高める大きな要因となっています。

AutoCADの右クリック操作

AutoCADは、長年にわたりCAD業界で標準として用いられてきた信頼性の高いツールです。AutoCADにおける右クリック操作もまた、設計作業の効率を向上させるために多数の工夫が施されています。

基本動作とカスタマイズ

引用:Autodesk:https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/Changing-mouse-right-click-behavior-as-pressing-Enter.html

AutoCADの右クリック操作は、図面内でオブジェクトや領域を右クリックすると、対象に応じたコンテキストメニューが表示されるようになっています。このメニューには、頻繁に使用されるコマンドが一覧化されており、ユーザーは直感的に操作を行うことができます。また、AutoCADでは、アプリケーション メニューから[オプション]を選択することで、右クリック動作の詳細設定にアクセス可能です。
AutoCADでは、ユーザーは既定モード、編集モード、及びコマンドモードにおいて右クリックの動作を個別に制御でき、たとえば「最後のコマンドを繰り返す」や「ショートカット メニューの表示」といったオプションを選択できる仕組みが用意されています。

また、AutoCADのカスタマイズ機能により、作業中の状況に応じた右クリック操作を柔軟に設定できます。
公式ドキュメント(AutoCAD 2025 ヘルプ)

BricsCADの右クリック操作

BricsCADもまた、効率的な作業のために右クリック操作を採用しており、右クリックによるコンテキストメニューの表示といった動作は、AutoCADと同様に設計されています。しかし、BricsCADにはさらに独自の機能として「クワッドメニュー」が存在します。

右クリック操作の基本

引用:Bricsys:https://note.bricsys.com/n/nbb14652014fa

BricsCADにおいても、図面内でオブジェクトや領域を右クリックすると、その対象に適したコマンドが表示され、ユーザーは迅速に必要な操作を行うことができます。右クリック操作そのものは、従来のコンテキストメニューとしての役割を果たしており、作業の流れを中断することなく操作が可能です。

クワッドメニューとの違い

一方で、BricsCADの「クワッドメニュー」は、右クリック操作とは別の独自機能です。クワッドメニューは画面上に配置される視覚的なインターフェースであり、従来の右クリックコンテキストメニューとは異なり、主要なコマンドやオプションを四隅に分散して表示することで、ユーザーがより直感的に操作できるよう工夫されています。
つまり、右クリック操作はあくまで従来の基本機能として残りつつ、クワッドメニューは補完的な機能として、さらに使いやすさを向上させるための追加オプションとなっているのです。

詳細なカスタマイズ方法や動作の仕様については、以下のBricsCAD公式ドキュメントをご確認ください。
BricsCAD 公式ドキュメント

両者の比較

ここでは、AutoCADとBricsCADの右クリック操作に関して、主要なポイントを比較してみます。

  • 操作の直感性
  • AutoCAD:右クリック操作により、対象オブジェクトに応じたコンテキストメニューが表示され、豊富なカスタマイズオプションが用意されています。
  • BricsCAD:右クリック操作も同様に機能しますが、さらにクワッドメニューという補完的機能があり、直感的な操作がしやすい設計になっています。
  • カスタマイズの柔軟性
  • AutoCAD:既定モード、編集モード、コマンドモードといった多様な状況ごとに右クリック操作をカスタマイズできるため、細かな設定が可能です。
  • BricsCAD:右クリック操作は基本機能として提供されるとともに、ユーザーは必要に応じてクワッドメニューのカスタマイズも行え、シンプルなインターフェースと使いやすさが特徴です。
  • 業務での実績と使い勝手
  • AutoCAD:大規模プロジェクトや複雑な設計業務において、その豊富な設定オプションと信頼性が支持されています。
  • BricsCAD:コストパフォーマンスや直感的な操作性から、特に中小企業や新規ユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。

選定のポイントと推奨シナリオ

CADソフトウェアの選定は、ユーザーの業務内容、操作スキル、予算など様々な要素を考慮する必要があります。ここでは、右クリック操作に注目した上で、両者の選定ポイントをいくつかの観点からまとめます。

  • 高度なカスタマイズを求めるプロフェッショナル向け
    AutoCADは、豊富なカスタマイズオプションにより、細部にわたって自分好みに操作環境を整えられるため、大規模プロジェクトや高度な設計業務に向いています。ただし、設定には一定の学習が必要です。
  • 直感的な操作と導入のしやすさを重視する場合
    BricsCADは、直感的な右クリック操作と補完的なクワッドメニューによって、すぐに操作に慣れることができ、導入コストも抑えられる点が魅力です。特に、新規ユーザーや中小企業に適した選択肢と言えるでしょう。
  • 試用による適合性の検証
    どちらのソフトウェアも試用版が提供されているため、実際の作業環境で操作感を確認することが最も重要です。公式ドキュメントやユーザーフォーラムを活用し、導入前に十分な検証を行うことを推奨します。

まとめ

右クリック操作は、CAD作業の効率化において欠かせない基本機能です。AutoCADはその豊富なカスタマイズ性と実績で、プロフェッショナル向けの高度な設定が可能なツールです。一方、BricsCADは直感的な操作性と柔軟なインターフェースを提供し、右クリック操作とともに補完機能としてクワッドメニューも搭載しています。どちらのソフトウェアも、ユーザーの業務内容や予算、操作スタイルに合わせた選定が求められます。まずは試用版を活用し、実際の操作感を確認することが、最適な選択への近道となるでしょう。

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

参考情報

・Autodesk『右クリックの動作をカスタマイズするには』
https://help.autodesk.com/view/ACD/2025/JPN/?guid=GUID-2BD818D6-BFA6-4560-A754-17483D5F33C5

・Bricsys『[詳説]BricsCAD®のクワッドメニュー(V24対応)』
https://note.bricsys.com/n/n8564f44fc42f

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP