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BricsCADで文字化けする原因と解決法|フォント設定・DWG互換エラーを完全ガイド

1. はじめに

BricsCAD(ブリックスキャド)は、AutoCADなどの他CADソフトウェアと高い互換性をもつことで知られています。しかし、図面を開いた際に、日本語の文字が□や?などに置き換わる「文字化け」が起きることがあります。この文字化けは、図面の品質や作業効率の大幅な低下につながる厄介な問題です。また、図面を受け取った相手先が文字を判読できない場合、業務連絡や納品スケジュールに支障をきたす可能性もあります。

文字化けはコンピューターが文字の情報を正しく読み取れないために発生します。特にCADソフトではフォントファイルの扱いが重要で、フォントが存在しなかったり、指定場所が間違っていたりすると文字情報を正しく表示できません。このような問題はBricsCAD初心者にとっては戸惑いやすい部分でもあり、AutoCADから移行してきたユーザーはフォント設定の違いで悩みがちです。

そこで本記事では、BricsCADで文字化けが起こる主な原因と、その具体的な解決法を詳しく紹介します。フォントパスの設定ミスや文字コードの不一致といったトピックを取り上げ、さらに実際のトラブル事例に即した解決方法を解説します。最後には、チーム全体の設定と運用を見直すことで、文字化けを根本的に防ぐポイントにも触れていきます。

このガイドを読むことで、フォント設定やDWGファイルの互換エラーに頭を悩ませることが減り、BricsCADでの作業がぐっと快適になるはずです。初心者の方でも理解できるように噛み砕いて解説しますので、一緒に文字化けの原因を突き止め、対策をしっかりと身につけていきましょう。

2. BricsCADで文字化けが発生する主な原因

BricsCADで文字化けが発生する背景を理解するには、フォントの仕組みやDWGファイルの互換性を知る必要があります。日本語フォントは種類が多く、同じフォント名でもSHX形式とTTF形式、さらには独自拡張フォントなどさまざまです。これらがうまく認識されないと、日本語テキストが意図しない形で表示されてしまいます。

また、BricsCADはAutoCADと基本的な互換性を保っていますが、フォントの検索先が異なるため、設定が合わないままだと文字が正しく表示されません。以下では、主に考えられる原因について詳しく見ていきます。原因を把握しておくと、トラブルに遭遇した際も落ち着いて問題箇所を特定しやすくなります。

原因として代表的なものにはフォントファイルそのものがない場合や、読み込む場所が違っているケース、文字コードの相違、そして他のCADソフトとの互換性や古いDWGの扱いに由来する問題が挙げられます。

それぞれの原因を把握し、適切な対処を行えば、ほとんどの文字化け事例は解決可能です。ここから、具体的に5つの原因に分けて解説していきます。

2.1. フォントファイルの不足または誤指定

BricsCADを起動するとき、図面内に指定されているフォントがパソコン上に存在しなければ文字化けが起きやすくなります。よくあるのは、AutoCADで標準的に使われているSHXフォントが、BricsCADのフォルダには入っていないケースです。

フォントの不足や誤指定が疑われる場合は、図面内で使用されている文字スタイル(CSSのようなもの)を確認しましょう。特に日本語を扱うとき、ttf( TrueTypeFont )とshx( シェイプフォント )が混在している図面は要注意です。もし「Missing Font」などの警告が出るようであれば、間違いなくフォントファイル不足が原因です。

また、フォント名を書き換えた際に正しいファイルが対応していないなどの誤指定も文字化けを引き起こします。ファイルが存在しても、名称が一致しなければ認識されません。

使いたいフォントが存在しない場合は、正しいフォントファイルをダウンロードまたはコピーし、BricsCADのフォルダ内に配置することが最初のステップとなります。

2.2. フォントパスの設定ミス

BricsCADでは、フォントを検索するためのパス(フォルダの場所)を指定できますが、この設定にミスがあると文字化けが起きやすいです。たとえば、実際には“C:\CAD\Fonts”にファイルがあるのに、BricsCADの設定で“C:\BricsCAD\Fonts”としているような場合です。

他CADソフトのフォントを流用したい場合は、AutoCADのfontsフォルダも検索パスに加えると便利です。ただし、余計なフォルダを入れすぎるとBricsCADの動作が遅くなることもあるので注意しましょう。

フォントパスの設定は、BricsCAD画面の「設定」パネルから「サポートファイル検索パス」という項目を探して追加・変更します。ミスなく設定してあれば、BricsCADが自動的に必要フォントを見つけ出してくれます。

逆にここで間違うと、どんなに正しいファイルを所定の場所に置いてもBricsCADは認識できません。文字化けが頻繁に起きる場合は、まずこのパス指定を見直してみるとよいでしょう。

2.3. 文字コードの不一致

文字コードとは、パソコンが文字を内部で管理するための約束事です。日本語を正しく表示するにはShift_JISやUnicodeなど複数の方式がありますが、それらが図面ごとに異なると、BricsCADが文字情報を解釈できず文字化けとなるのです。

特に、外国語環境で作成されたDWGファイルを扱う場合や、非常に古いCADデータを開く際にこの問題が顕在化します。文字化けした文字を1文字ずつ修正するのは現実的ではありませんから、根本的には“日本語向けのフォント”を統一するなどの対策が必要です。

また、BricsCADの各種設定やWindows側の言語設定が合っていないと、思わぬところでコードの変換ミスが起こる可能性があります。基本的に最新バージョンのBricsCADはUnicodeに対応していますが、相手環境の文字コードが特殊な場合は個別に対処を検討しましょう。

複数言語を頻繁に扱うチームでは、図面データの受け渡しとあわせて“文字コード”の情報を共有する文書を作るなど、運用面の工夫も大切です。

2.4. 他CADソフトウェアからの互換性問題

BricsCADはAutoCADとの高い互換性を売りにしていますが、完璧に同じというわけではありません。特に文字スタイルの内部設定や代替フォントのルールが微妙に違っていると、同じDWGファイルを開いても別のフォントが割り当てられるケースがあります。

また、AutoCADでカスタムフォントを使っている場合、BricsCAD側でそれを認識できずに文字化けが起こりやすいです。DWGを作成した環境でどのフォントが使われているかを事前に確認し、必要ならばBricsCADでも同じフォントを導入しておくとスムーズに開けます。

他CADソフトとの連携は、チームごとにフォントや文字スタイルを統一するのがベストです。外部の協力会社と図面をやりとりする場合、できる限りフォントの共有や代替設定ルールを取り決めておくと、後々のトラブルを防げます。

互換性問題による文字化けは、原因がフォントに限らず文字コード設定やバージョンの不一致など、複合的な要因が絡むことも多いです。そのため、一つずつ確認していく姿勢が欠かせません。

2.5. 古いDWG形式の読み込み問題

AutoCADの非常に古いバージョン(R12やR14など)で作成されたDWGをBricsCADで開くとき、文字データをうまく変換できず文字化けになることがあります。これは古い図面が最新バージョンで想定していない書式を使っているためです。

こうした場合は一度、AutoCADやBricsCADの最新バージョンでファイルを開き直し、なるべく新しい形式で保存し直すと解決するケースがあります。例えば「AutoCAD 2018 DWG形式」などに変更すると、文字に関する互換性が向上します。

また、古いシステムが独自フォントを使っていた場合、そもそもフォントファイルが入手できないことも。こうしたときは、代替フォントを割り当てるか、新しい文字スタイルを適用する形で対応してください。

古いデータを扱うほど思わぬ箇所で文字化けが起きやすいので、可能であれば最新形式に変換して会議などで問題がないことを確認し、チーム全体で同じ環境下で作業することを意識しましょう。

3. 文字化けを解消する基本的な対処法

文字化けは最初の印象では複雑に思えますが、原因を特定すれば対処法は比較的シンプルです。ここでは一般的な解決ステップを5つにまとめて紹介します。まずはどのフォントを使っているかを確認し、その後の一連の対処を行うことで解決する場合が大半です。

フォントが正しく存在し、BricsCADが検索できる状態にあれば、大抵の文字化けは解決します。さらに、代替フォントの設定や、DWGファイルの互換性を意識した保存時のチェックを欠かさないようにすると、再発防止にもつながります。

以下に示す5つの方法は、BricsCAD初心者の方でもすぐに実践できます。複数の対処を組み合わせることで、より確実に問題の根本を取り除くことが可能です。それぞれのステップを一度試してみて、文字がどのように表示されるか紐解いていきましょう。

3.1. 使用フォントの確認

はじめに、実際に図面で使われているフォントを把握することが大切です。BricsCADでは「文字スタイル管理」という機能が用意されていて、どのフォントが指定され、どれだけの文字スタイルが利用されているかを確認できます。

手順は簡単で、コマンドラインから「STYLE」と入力すると文字スタイルの一覧画面が表示されます。ここで、該当する文字スタイルを選択し、指定されているフォントが正常に読み込まれているかをチェックしましょう。もし「Missing」や「?」が付いているなら、そのフォントはBricsCADが見つけ出せていない可能性があります。

さらに、図面の中で実際にテキストがどう表示されているか併せて確認するとよいでしょう。原因が誤フォント指定にあるのか、単純にファイル不足にあるのかを見極める第一歩になります。

3.2. 欠落フォントの入手と配置

もしBricsCADが必要とするフォントファイルを発見できなかった場合、そのフォントファイルを用意するのが最優先です。AutoCADで作成された図面ならば、“AutoCADのFontsフォルダ”に目的のSHXやTTFが存在するはずです。それをBricsCADのFontsフォルダにコピーしてみましょう。

具体的なパスとしては、Windowsの場合、デフォルトで“C:\Program Files\Bricsys\BricsCAD <バージョン>\Fonts”が一般的です。また、チームやプロジェクトごとに共通のフォント管理フォルダを設定しておく方法もおすすめです。そうすれば、更新や追加があった際に一斉に反映しやすくなります。

フォントファイルが不足しているのかどうかは、AUTOで確かめるというよりは、DWG提供者への確認が手っ取り早いです。必要なフォントを入手次第、BricsCADが参照できる場所に配置すれば、不足が原因の文字化けはすぐ解決します。

3.3. フォント検索パスの追加

次に、フォントファイルをBricsCADが本当に検索できているかを確かめます。BricsCADの設定メニューから、「サポートファイル検索パス」を確認・編集しましょう。このリストに、先ほど配置したフォルダが含まれていないと、いくら正しいフォントがあっても読み込んでくれません。

複数のCADソフトを使い分けたり、チーム内で異なる環境が混在している場合は、特に注意が必要です。AutoCADのfontsフォルダを検索パスに含めることで、AutoCAD特有のSHXフォント、TTFフォントを幅広く利用できます。

また、この検索パスにはあまりにも大量のフォルダを登録しすぎると、BricsCADの動作に支障が出る場合があります。実際に使う必要があるフォルダだけを設定しておくのがおすすめです。

3.4. 代替フォントの指定

万が一、必要なフォントをすぐに用意できない場合でも、BricsCADには不足しているフォントを別のフォントで置き換える機能が備わっています。例えば、図面を開いたときに表示されるダイアログボックスから「missing font」を別のSHXフォントやTTFフォントに差し替えることで、とりあえず文字が正しく読めるようにするわけです。

AutoCADで多用される「txt.shx」や「simplex.shx」は、代替として汎用性が高いフォントです。英数字だけの図面ならArialなどのTTFフォントを割り当てても問題ありません。

ただし、代替フォントを指定すると元のレイアウトや文字の幅が変わる可能性もあるため、設計上どれだけの誤差が許容されるかを確認してください。すぐに利用できる応急処置としては有効ですが、最終的には正しいフォントを用意することが理想です。

3.5. DWG保存時の互換性の確認

最後に、DWG形式の互換性を確認するステップを踏みましょう。AutoCADなど別のCADソフトウェアとファイルをやり取りする場合、どのバージョンのDWGとして保存するかにより文字情報の扱い方が変わる場合があります。

実務では、プロジェクトで統一されたDWGのバージョンを事前に決めておくとスムーズです。BricsCAD上で「名前を付けて保存」の際、保存形式を「AutoCAD 2018」「AutoCAD 2013」などに合わせると、相手側で文字化けしにくくなります。

加えて、図面の保存や印刷設定のときにフォントの埋め込みオプションがある場合、これを有効にしておくと文字化けのリスクを一段と減らせます。ただし、ソフトウェアのバージョンやライセンス形態によってオプションの有無が異なるため、手順書やマニュアルを要チェックです。

4. よくあるケース別の解決例

第4章では、現場で頻繁に遭遇しやすい具体的なケースを取り上げ、その対処方法を解説します。同じ文字化け現象でも、原因が微妙に異なると必要なステップも変わってきます。どのシチュエーションに近いかを見極めながら、短時間で対処しましょう。

初心者は、AutoCAD由来の図面を開いて文字が□になるケースに悩むことが多いです。また、特定のファイルでのみ文字化けが起きる場合は、図面自体の設定破損か、部分的なフォント不整合が疑われます。PDF出力時に思わぬ結果になることもあるため、ここで紹介するポイントを押さえておくと実務で役立ちます。

ケースごとの原因を背景に解決策を考えることで、どこを優先的にチェックすべきかが明確になります。トラブル時は、一度落ち着いてそれぞれのケースを確認し、対処法を実践してみてください。必要に応じて代替フォントやフォント検索パスの追加を組み合わせると、文字化けを回避できるでしょう。

4.1. AutoCADからのファイルで文字が□になる

このケースがもっとも多く、原因はほぼ「SHXフォントの不足」です。AutoCADには標準で多数のSHXファイルが含まれており、BricsCADでは未インストールになっているものも存在します。

対策としては、AutoCADから“fonts”フォルダを丸ごとコピーし、BricsCADの“Fonts”フォルダに追加するのが手早い方法です。ただしライセンス上の問題がないことを確認してください。また、チーム内で管理する共通フォルダがあるなら、そこにコピーしてみんなで利用できるようにしておけば、後々のトラブルが減ります。

コピー後は、BricsCADのサポートファイル検索パスにそのフォルダパスを追加し、文字が正常に表示されるか再度図面を開いて確認してください。高確率で□表示が解消されるでしょう。

4.2. 特定の図面での文字化け

ある特定のファイルだけ文字化けしてしまう場合、その図面が元々持っている文字スタイル設定や、図面内部でのフォント指定に問題があるケースが多いです。つまり、ほかの図面では使わない特殊なフォントファイルを参照しているか、図面自体が破損している可能性があります。

解決策としては、BricsCAD上で「STYLE」コマンドを実行して現在使われている文字スタイルを洗い出し、見慣れないフォントや「Missing」と表示されるファイルを特定するのが第一歩です。その後、不要な文字スタイルを削除し、正しいフォントを再設定することで、文字が正常に戻ることが少なくありません。

場合によっては、図面を新しいDWG形式に保存し直すと、不具合が解消することもあります。特に古い図面や複数回のソフト間移行で破損した可能性がある場合は、新規ファイルへのコピー&ペーストという手も有効です。

4.3. PDF出力時の文字化け

BricsCADで作成した図面をPDFに出力したとき、日本語が思いがけず文字化けすることがあります。これは、PDF作成の際にフォントが正しく埋め込まれないか、または代替される時に日本語に未対応のフォントを選択してしまうことが原因です。

対処策の一例として、PDFプリンタの設定画面で「フォントを埋め込む」というオプションをオンにする方法があります。これにより、表示に使った日本語フォントデータがPDFに保存されるため、他のパソコンでも文字化けしにくくなります。

もしフォントを埋め込めない状況や、フォントファイルのライセンスが厳しい場合は、画像として出力する方法も考えられます。ただし、大量の図面でこれを行うとファイルサイズが大きくなるため、運用方法は慎重に検討してください。

4.4. 英数字のみが化けるケース

日本語ではなく、逆に英数字が意味不明な文字に変わってしまうケースも存在します。これは主にBricsCAD側でUnicode対応フォントの利用設定がうまく行っていないか、相手側の図面で日本語フォントに英数字も組み込まれており、そのマッピングが崩れている場合に起こります。

ArialやTimes New Romanなど、一般的な欧文フォントを正しく割り当てれば解決することが多いです。DWGファイルを開いたときに、Missing Fontのダイアログが出てこなくても、実際に文字を確認すると英数字だけが変になっている可能性もあるため要注意です。

改善策としては、文字スタイルで英数字専用のUnicodeフォントを思い切って設定し、日本語用フォントとは分けて管理する方法が確実です。これにより、英数字が化けるリスクを低減できます。

5. トラブルを防ぐための設定と運用ポイント

ここまで紹介してきた対策をひと通り実践するだけでも、BricsCADでの文字化けトラブルはかなり軽減されます。しかし、より根本的に解消するには運用面での工夫も欠かせません。フォントの配置やバージョン管理、チーム単位のルールづくりといった地道な努力が成果を上げます。

文字化けは一度解決しても、新しいPCを導入したり、外部の協力会社が独自フォントを使っていたりするたび再発しかねません。ここでは、日常的に取り組みやすい4つの運用ポイントについて述べます。これらを実践することで、後々のトラブル対応に追われる時間を大幅に減らせるでしょう。

特にチームでBricsCADを利用する場合は、フォント管理を誰が担当し、どう共有し、どのバージョンでDWGを回すかを明確化することが重要です。以下のポイントを踏まえて、よりスムーズなCAD作業環境を整備してみてください。

5.1. フォント管理をチームで統一する

プロジェクトを円滑に進めるには、設計チーム全員が同じフォント環境を使えるようにするのが理想です。例えば「共通フォントフォルダ」をサーバーやクラウドに配置し、メンバー全員が定期的に同期する仕組みを用意するとよいでしょう。

これによって、新しいフォントを追加したり修正したりする際も、チーム全体の環境がずれにくくなります。もし組織としてCAD標準化ガイドラインがあるなら、そこにフォントの設定・運用ルールを明文化しておくと、異なる部署や外注先とも連携が取りやすくなります。

加えて、新人や初心者がBricsCADを使い始める際、面倒な設定作業が最小限で済むようにまとめておくと、立ち上がりの学習コストも下がります。

5.2. 標準テンプレートに正しい文字スタイルを設定

新しい図面を作るときに使うテンプレート(DWTファイル)に、正しい文字スタイルやフォント指定をあらかじめ入れておくと、作業のたびにフォントを設定し直す手間が省けます。特に日本語を多用する現場では、日本語表示に適したフォントと文字スタイルを標準設定にしておくとよいでしょう。

テンプレートを使うメリットは、各種レイヤ名や線種の初期設定と一緒にフォントの設定も共通化できることです。これにより、図面作成時に余計なトラブルが起きにくくなります。

また、AutoCADのテンプレートを流用する場合、BricsCADで開いたときにフォントがずれていないかを一度チェックしておいてください。小さなずれでも後から大量の注釈を修正する羽目になることを防ぐ意識が大切です。

5.3. フォント情報を共有する

社外や協力会社と図面を受け渡しするときは、使用フォントリストなども一緒に送付すると後々の混乱を防ぎやすいです。お互いが同じフォントを持っているかどうか、ミーティング前に確認しておけば、図面を開いてみたら文字化けだらけだったという事態を減らせます。

ブリーフィング資料に「この案件では○○フォントを使用します」と明記するだけでも、相手先が対応フォントを用意したり、必要に応じて代替フォントを割り当てたりする余裕が生まれます。場合によっては「免責事項」として、特定のフォントがなければ代替フォントでの対応になる旨を伝えておくことも有効です。

とにかく、図面に埋め込まれた文字の正体を説明するための “フォント情報” を共有する習慣を持つことが、コミュニケーションロスを減らす最大のポイントです。

5.4. 最新バージョンを利用する

BricsCADはバージョンを重ねるごとに、互換性やフォント処理の精度、動作スピードなどが向上しています。古いバージョンを使い続けると、最新フォントの扱いに問題が発生したり、他のCADソフトとのやり取りでトラブルが起きやすくなります。

もちろん、バージョンアップには予算や使用ライセンスの更新手続きが伴いますが、全体の作業効率とトラブルシューティングの手間を考えると、最新バージョンを使う意義は大きいと言えます。特に文字化け関連でのバグ修正や新機能追加などは、リリースノートで確認できますので、こまめにチェックして必要に応じて更新しましょう。

また、外部の協力会社も含め同じバージョンを使っていれば、DWG形式での互換性トラブルが大幅に減り、結果的にプロジェクト全体の生産性が高まります。

6. まとめ:正しいフォント管理で文字化けを根絶

本記事では、BricsCADで文字化けが発生する主な原因として、フォントファイルの不足やフォントパスの設定ミス、文字コードの違い、他CADソフトウェアからの互換性ギャップ、そして古いDWG形式の問題などを挙げました。これらの原因を一つずつ見直していけば、ほとんどの文字化けは確実に解決できます。

加えて、「文字化けを解消する5つの基本的な対処法」として、使用フォントやフォント検索パスの確認、欠落フォントの追加、代替フォント設定、保存形式の互換性チェックを解説しました。これらの手順は初心者でも実践可能で、大量の図面を扱う現場でもすぐに応用が効きます。

さらに、トラブルを元から防ぐための運用ポイントとして、フォント管理ルールの統一、標準テンプレートへの適切な文字スタイル設定、フォント情報の共有、そしてBricsCADの最新バージョンを導入することの重要性にも触れました。これらの取り組みを継続して行うことで、チーム全体の作業効率や図面品質を高いレベルで維持できます。

BricsCAD初心者の方や、他のCADソフトとの併用を検討している方にとって、文字化けの問題は大きなストレス要因となりがちです。しかし、そのほとんどは正しい設定と環境整備で防げるものです。ぜひ今回の記事を参考に、快適な設計環境の構築と効率的な図面作成を実現してください。

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<参考文献>

・CADソフトウェア – 2D&3D CAD – Bricsys®

https://www.bricsys.com/ja-jp?srsltid=AfmBOoo-hkCu3rWlRVLSiSV9CCRkKlJeluLhZPaqVye24migqGiEUuJA

・BricsCAD®で文字が?マークで表示されたときの対処方法|BricsCAD (Bricsys Japan) の中の人

https://note.bricsys.com/n/n80aa2d76cdc1?gs=b18084b43683

・BricsCAD® のテクニック – 文字化け|BricsCAD (Bricsys Japan) の中の人

https://note.bricsys.com/m/m11aa47b4d8cf/hashtag/132285

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