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ベゼルレスって本当は使いにくい?技術の進歩とUXの関係

ベゼルレスデザインでは、ディスプレイの外側の「ふち」(枠)の部分がなく、画面いっぱいにディスプレイ部分を表現することができます。そうするとデバイスの物理的な大きさは従来のままで、操作性において画面サイズが大きくなるわけですね。

Androidではいち早くこのベゼルレスが採用された製品が投入され、iPhoneでも直近のiPhone Xでこのタイプ機種がリリースされています。

 

 

さまざまな技術進歩の努力で可能になったベゼルレス

 

スマートフォンは、小さい手のひらサイズでパソコンのような高機能を実現できてしまうということで、受け入れられてきました。実際にECサイトなどのアクセスシェアから見ると、スマホからのアクセスが7割程度になっており、もはやパソコンよりもスマホがスタンダード(モバイルファーストの時代)になっていると言っていいでしょう。

操作画面が大きい方が良い、とって言ってもこれを実現するためには非常に大きな技術的な努力が必要となります。スマートフォンのディスプレイまわりには、液晶や有機ELなどの表示部分を制御するためのトランジスタ回路を配置して、どんな操作をした時に何色で表示するかなどの設計をした装置を配置する必要があります。ベゼルレスではこうした表示部分をよりコンパクトにして、タッチ操作で画面を出す時の回路についても従来ではベゼル部分(周辺部分)に収納してあったものを別の場所に移しています。

組み込む回路を物理的に小さくするだけでなく、ディスプレイのガラス板の上に透明トランジスタで作り一体化する(SoG) などがこうしたベゼルレス化を支えています。

 

 

本当にベゼルレスが使いやすいのかユーザーの反応を見る段階

 

iPhone Xでついにアップルもベゼルレスに舵を切り、2018年度にはすべてのiPhoneがベゼルレス化されるという話も噂されています。

でも、一方で「ホームボタンがあったほうが良かった」というユーザーの声があるのも事実です。ベゼルレス化を進めるためには、周辺部分のUXのメインであるホームボタンをなくしてしまう必要があります。そうなると当然のことながらこれは従来ホームボタンで操作していたUXを別のものにすることになります。

新しい操作方法を覚えることに苦痛を感じるというユーザーも一定数いますし、ホームボタンが無いので「指紋認証」という画期的だった認証システムを捨てて、「顔認証」という新しい認証方式が必須になりますが、これもユーザー体験として受け入れられるまでには一定の期間が必要です。

 

 

「そんな機能いる?」という日本の高機能家電製品の教訓

 

かつて日本企業のビデオデッキなどはその他機能、高性能で「すごい」という評価を得ていましたが、ある時点から「多機能すぎて使いにくい」「無駄な機能が多すぎる」などと敬遠される傾向になったことがあります。

また、パソコンを買った時に使いもしないプリインストールのソフトがたくさん入っていて、「最初に要らないソフトをアンインストールするのが大変」という人もかなりいます。

スマートフォンも、徐々に成熟商品になってきており、メーカーは次の一手をどうやって打ち出すかに苦労している段階だといえるでしょう。ベゼルレスは確かに小さなデバイスで操作性を向上させる有力な技術ではありますが、技術進歩主導で製品を作っていくと、やがて「そんな機能いる?」というユーザーの反応が出てくるのかもしれません。

スマートフォンも使い手の反応を第一に考えて、技術はそれを実現するための手段だ、というお客様志向の製品づくりが求められていく時代に差し掛かっているのかもしれません。

 

 

 

 

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