君はMac miniという超ロングセラーのMacを知っているか?
ヨドバシのMac売れ筋ランキングを見ていたらiMacに紛れて意外なMacを発見しました。
(ヨドバシホームページ2018/1/24)
その名もMac Mini。
お値段なんと48,800円(税別)。
モニターやキーボードも付属していない本体だけのお値段ですが安い。
iPhoneよりも安い…
そんなMacがあることを知っていましたか?
実は発売以来根強い人気がある製品で、初代Mac miniが発売されたのは、今から遡ること13年前!2005年1月なのです。
当時は、まだiPhoneはまだ発売もされておらず、そもそもそのような携帯電話を想像すらできなかった時期なのです。
しかし、Appleはある製品が大ヒットしてました。
iPodを知っていますか?
CDやMDウォークマンで音楽を聞くことが当たり前だった時代に、Appleが突如として発売したMP3プレーヤーです。
(初代iPod)
2001年に発売されたiPodは、MP3プレーヤーという市場がそもそも存在していなかったこともあり、爆発的なブームとはなりませんでしたが、徐々にその良さが認められ、AppleはMP3プレーヤーの市場を独占することになりました。
iPodが本格的に大ヒット商品と言えるようになるのは、iPod miniのリリース後です。
さらにそのすぐ翌年の2005年には、ハードディスクではなくフラッシュメモリ搭載の超miniサイズのiPod shufleを発売したことで、その熱狂は頂点に達したのでした。
そう、今から13年前のAppleというのは、iPodが最も輝いていた時期なのです。
そんなiPodの熱狂の中、ひっそりと発売されたのがMac miniなのです。
Windowsからの乗り換えを狙う
狙いはWindowsからの乗り換えでした。モニターもキーボードもマウスもそのままで本体だけ変えれば、簡単にMacが使えるという触れ込みでした。そのため価格も低く抑えられました。
Macは、いつの時代もプレミアム戦略(高付加価値で利益率をあげる)が基本戦略ですので、Appleとしては異端の製品です。
Mac miniは発売後に、大きく目立つことはありませんでしたが、常にiMacやMacBookという大ヒット商品の影でひっそり存在し、6回のメジャーアップデートを行い現在7世代目となっているのです。
未だにそのポジションはブレてないようです。ホームページには、こんな表示があります。
そんな隠れた名品Mac miniなのですが、2014年以来、アップデートされてません。
もうそろそろ終わりなのかなって思っていたら、
ティム・クックCEO「Mac miniはこれからも重要であり続ける」 (iPhone Mania)
Mac miniを気に入ってくれてうれしく思うよ。私たちも気に入ってる。ユーザーがいろいろなMac miniのクリエイティブな使い方を発見をするのには目を見張るものがあるね。今はまだ詳細は話すことはできないけど、Mac miniはこれからも重要であり続けるし、計画はちゃんとあることだけは言っておくよ。
じゃあね。
ティム
現CEOのティムクックが直々にMac miniが続くことを明言しているようです。
もう、そろそろあなたもWindowsをMacへ変えてもいいのでは?
今って、iPhone Xの半分の価格なんですよ!
Mac mini 2018の発売
コンパクトでスタイリッシュなMac miniは、今も根強いファンを持ちます。そんなファンのために、2018年11月最新モデルが発売されました。実に4年ぶりのアップデートとなります。
圧倒的に小さなボディはそのままに、性能的には大幅な進化を遂げました。USBやHDMI端子の搭載など従来の使い勝手を維持しつつ、Windowsからの乗り換えを狙う意欲作となっています。
新モデルの値段やスペック、必要な周辺機器、カスタマイズ等、気になる点について解説していきます。
値段とスペック
Mac mini 2018は、プロセッサ、メモリ、ストレージ等、スペックを自分の思い通りにカスタマイズできます。最安値のカスタマイズ構成は、プロセッサが「3.6GHzクアッドコア第8世代 Intel Core i3」、メモリが「8GB 2,666MHz DDR4」、ストレージが「128GB SSDストレージ」で89,800円(税別)です。
CPUが最新世代になったほか、ストレージもSSDへ変更されました。処理性能が飛躍的に向上し、動画編集等の高負担処理もこなせるようになっています。
ただし、性能が大幅に向上した分、価格も随分と高価になりました。最安値の構成でも89,800円(税別)で、性能を上げればさらに値段は上がります。2014年発売のMac miniが5万円程度で購入できることを考えると、かなりの値上げです。
Mac miniの用途が文書作成やネットサーフィンに限定される人は、以前発売された2014年モデルの購入も視野に入れることをおすすめします。もしも処理速度が気になるようであれば、ストレージをHDDからSSDに換装することで高速化できます。
必要な周辺機器
Mac mini 2018はPC本体と電源コードしか付属していません。実際に使用するためには、いくつかの周辺機器が必要となります。まず、絶対に必要な周辺機器は以下の通りです。
・ディスプレイ
・キーボード
・マウス
Mac miniを利用するためには、ディスプレイを用意する必要があります。ディスプレイを既に所持している方は、改めて購入する必要はありません。HDMI接続に対応しているため、よほど古いディスプレイでなければ、問題なく使用できるはずです。
ディスプレイを新規購入する場合には、USB-C対応ディスプレイをおすすめします。電源供給をMac miniから行えるため、ディスプレイの電源コードが必要ありません。ケーブル1本の接続で、コード類をすっきりさせられるメリットがあります。
外出先での利用を考える場合は、USB-C給電できるモバイルディスプレイをおすすめします。Mac mini 2018は重量が約1.3kgと軽く、電源が必要な点を除けばノートパソコンと同じように持ち運びできます。
キーボードは、Mac用のキーボードを購入することをおすすめします。Windows用でも使えないことはありませんが、キーの配置が異なるため相当の不便を伴います。
マウスは、特に純正品を選ぶ必要はありません。Windows用でも動作するので、自分が使いやすいと思うマウスを購入しましょう。
カスタマイズ
Mac mini 2018はコンパクトな本体に、部品がぎっしりと詰まっています。部品交換の難易度が高くAppleの保証も受けられなくなるため、本体の分解を伴うカスタマイズは避けるのが無難です。もしも、将来的に性能が足りなくなる可能性がある場合は、購入時のカスタマイズでアップグレードしておくことを検討しましょう。
もしも、購入後にストレージを増量したい場合は、外付けのSSDをおすすめします。Thunderbolt3接続に対応しているSSDは、読み出しや書き出し速度が速く、内蔵SSDと同じように利用できます。
また、Mac mini 2018にはSDカードスロットがないため、SDカードを利用したい方はアダプターを接続する必要があります。Mac miniの接続端子は全て背面に位置しているため、SDカードリーダー付きUSBハブを購入するとより使いやすくなります。
Mac miniの特徴
Mac miniは確かに魅力的なデバイスです。しかし、Appleは他にもMacBook、iMac、iPadなど数多くのデバイスを発売しています。これらのデバイスと比較して、Mac miniにはどのような魅力があるのでしょうか。MacBookやiMacとの違い、Mac miniの良い点と悪い点について解説します。
MacBookやiMacとの違い
Appleの据え置きPCとしては、iMacが有名です。高い性能に加えて、スタイリッシュなデザインが魅力的な製品となっています。Retinaディスプレイを採用し、美しいグラフィックスを誇ります。
ただし、主たる利用目的がネットサーフィンや文書作成の人にとっては、高い性能を必要としない場合もあります。また、キーボードやマウスに関して自分のこだわりがある場合、付属の入力デバイスは無駄になります。
さらに、外出先で使用する場合、iMacのディスプレイは持ち運びに不便です。その点、Mac miniであれば、モバイルディスプレイを選択することで、持ち運びも可能となります。
また、ノートパソコンのMacBookは持ち運びが非常に簡単です。しかし、同程度の性能のMac miniと比較すると、価格が非常に高価になります。電源が必須になるデメリットを受け入れられるのであれば、持ち運び可能なMac miniはとても魅力的なデバイスとなります。
Mac miniの良い点
Mac miniのメリットは他のApple製品と比較して価格を抑えられる点にあります。Apple製品は高い性能とデザイン性を誇る分、価格が高くなります。Retinaディスプレイは確かに綺麗ですが、デザイン以外の用途にはスペック過剰だと感じる場合もあります。
その点、Mac miniであれば自分の好きなディスプレイを選べます。電源さえあれば、外出先でも利用できる手軽さも便利です。尖った特徴がない分、どんな用途においても「ちょうどいい」使い心地がファンを惹き付ける魅力と言えそうです。
Mac miniの悪い点
デスクトップPCのメリットとして、メモリ増設やCD、DVDドライブの利用など拡張性の高さが挙げられます。しかし、Mac miniでは分解を推奨しておらず、内部改造は保証の対象外となります。よって、カスタマイズは基本的に外付けになります。
また、どの使用用途にも対応できる分、特化した使い方をするには中途半端と言い換えられます。例えば、最新の3Dゲームをする場合には、グラフィック性能の面で不満があります。
さらに、カフェやコワーキングスペースでの使用をメインとするユーザーはMacBookを選ぶべきです。電源が必要な点は、携帯する上で明らかに利便性が劣ります。
アップデートが続くMac mini
Mac miniはApple社の製品の中でも知名度は高くありません。しかし、2005年1月に発売されて以来、10年以上に渡りアップデートが続いています。
様々な用途に使える上、コンパクトな個体と自由な入出力デバイスを選べる点が、根強いファンを生んでいます。これからも人気を保ったまま、アップデートが続いていくと予想されます。
iPad Proとの併用が話題に
最近のMac miniの利用方法として話題になったのが、iPad Proとの併用です。「Luna Display」というサードパーティ製のデバイスを接続することにより、iPadをディスプレイとして利用できます。タッチスクリーンや、Apple Pencil、iPad用のSmart Keyboardなど、iPad側の入力デバイスも利用可能です。
ただ、セットアップに別のモニタが必要な点や、動画を視聴すると遅延が見られる点など、いくつかのデメリットが見られます。サードパーティ製品でAppleが関わっていないことを考慮し、補助的な使い方をおすすめします。
iPadとmacOSの組み合わせは多くの人が望んでおり、その夢を実現して見せた点で「Luna Display」は非常に評価できます。今後はAppleが主体となってこのような製品が開発されることを期待します。
2020年モデルの登場
2020年には、Mac miniの最新モデルが発売になりました。2020年3月18日に発売されたのが、Mac mini (Early 2020)です。2018年11月7日に発売を開始したMac mini (Late 2018)の後継モデルとして、登場した製品になります。マイナーチェンジモデルということもあり、大きな違いはありませんが、どのようなアップデートがされているのか紹介していきましょう。
2018年モデルと2020年モデルの違い
2018年モデルのMac mini (Late 2018)と2020年モデルのMac mini (Early 2020)の大きな違いは、ストレージと価格です。
2018年モデルのMac miniは、低価格の128GBモデル(8万9800円)と上位モデルの256GBモデル(12万2800円)が販売されていました。2020年モデルのMac miniでは、2018年モデルと同様の256GBモデル(8万2800円)に加えて、新たに512GBモデル(11万2800円)」が登場しました。Mac mini (Early 2020)になって大きく変わったのは、このストレージと言えるでしょう。
ストレージが増量されたものの、価格は10,000円程度は安くなっており、購入しやすい製品に生まれ変わったと言えるでしょう。
まとめ
Apple製品の中では知名度が低い「Mac mini」ですが、幅広い用途と使い心地の良さは多くの人に勧めやすいモデルになっています。特に、Windowsから乗り換えてみたいというユーザーや、安価なAppleのPCを探しているユーザーにおすすめできる製品と言えます。
アップル製品のパソコンを買うときは、MacBook AirやMacBook Pro、iMacが選ばれることが多かったのではないでしょうか?Mac miniであれば、ディスプレイやキーボード、マウスをそのまま使用し、安価にアップル製のパソコンを利用することができます。気軽にアップル製品のパソコンを利用したい人にとって、Mac miniほど手軽な製品はないでしょう。
その証拠に、Mac miniはマイナーチェンジを繰り返して、2020年にも最新モデルが販売されるほどのロングセラー製品になっています。
2020年モデルは、ストレージの容量が増えて、価格が下がったこともあり、過去にMac miniを購入して利用しているユーザーにとっても、買い替えのチャンスかもしれません。
ここまでに紹介してきたように多くのメリットがあるMac mini。周辺機器が必要なことがデメリットと思われることもあるMac miniですが、知られざる多くの魅力がある製品ということがご理解いただけたでしょう。アップル製のパソコンを購入するときは、超ロングセラーのMac miniを検討してみましょう。
[2019年5月13日アップデート]
[2021年2月22日追記]
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