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実証実験で見えてきたAIタクシーの実力

AIタクシーという言葉をご存知でしょうか。AIタクシーとは、人工知能の需要予測技術を核としたタクシー業界の新しい試みです。実際に都心部の会社では活発に実証実験が行われており、実践に投入しようという動きが見られます。タクシー業界はどう言った目論見でこのAIタクシーの導入を狙っているのでしょうか。東京無線社を中心に行われた実証実験の結果と併せて紹介します。

 

 

配車サービスとタクシー業界

 

タクシー業界は長く庶民の交通手段として存続してきましたが、スマートフォンとモバイルアプリの登場で、配車サービスという大きな競合相手が出現し、今現在大きな転換期に直面しています。配車サービスは一部ビジネスユーザーなどを除くライトユーザーを中心に急速な広がりを見せています。特質する点は、配車できる車の供給量の多さと範囲の広さ、そして価格の安さです。

Uberを例に上げると、Uberドライバーとして登録すれば、誰でもタクシーサービスを一般の利用者に提供できるようになります。集客から支払いまでアプリケーションを通して行われるので、車とスマートフォンさえあればできるので従来のタクシー業よりもずっと気軽に始められます。従来のタクシー会社だと人材の採用や契約、教育などのプロセスを得てようやくリソースを確保できるのを考えると、Uberのサービス供給量の増加スピードは驚異的です。また、価格の面でも、Uberは従来のタクシー会社ほど管理コストがかからないので、比較的安く設定できるのです。

これらのことから、近年では配車サービスに顧客が流れている傾向ですが、タクシー業界もこれに対抗しなければいけません。では、タクシー業界は現状どのような課題を抱えていて、どのような解決方法を模索しているのでしょうか。

 

 

マッチング率を上げることがタクシー業界の鍵

 

タクシーを捕まえたい時にどのようなところで待つのが良いでしょうか。通常であれば、駅前、大通り、繁華街など人通りの”供給”が多そうなところで待つでしょう。反対に、タクシーの運転手であれば、やはり”需要”が多そうなそれらの場所で待つのが効率的。こう言った需要と供給が生まれそうな場所というのは、少なからず利用者や運転手の経験則の上で成り立っています。しかし、この経験則によるタクシー戦略が、需要と供給を一番効率よくマッチングさせている方法だとは限りません。現に、タクシーが駅前で何台も待機している供給がだぶついている状態や、多くの利用者が我先にとタクシーを奪い合う需要多寡の状態をしばしば目にすることがあります。

2020年の東京オリンピックに向けて、外国人観光客や都内の利用者による需要の急激な増加が見込まれる今、タクシー業界は効率よくサービスを提供するためにこの需要と供給のマッチング率向上が急務となっています。このマッチングの鍵を握るのが、タクシー会社の中央管理センターです。無線による連絡で、上手に配車をコントロールしていますが、近年AIの活用でこのマッチングの形は大きく変わろうとしています。それが、人工知能での需要予測を元に配車を最適化するAIタクシーという取り組みです。

 

 

AIタクシーの実証実験

 

2017年の2月17日にNTTドコモ、東京無線、富士通、富士通テンが共同で行うAIタクシーの実証実験について、記者発表が行われました。内容は、実証実験の中間報告についてです。この実証実験では、タブレット型の端末をタクシー運転手に配布しています。その端末を通して需要予測のヒートマップを確認することができ、運転手はその場所に先回りして利用者の需要に素早く対応します。この中間報告によると、乗車実績と需要予測の比較が発表されており、予測値の正解精度は92.9%と非常に高い数値となったとコメントしている。また、実証実験のAIタクシーの売り上げは通常の49%上回るという驚異的な結果となりました。

この実証実験の結果を受けて、東京無線タクシーは人工知能による需要予測「AIタクシー」の2018年2月15日からの導入を決定しています。まずは、東京23区、武蔵野市、三鷹市での運用を決めています。電車遅延、イベント、天候の変化などの寿湯用予測に対応してタクシーをあらかじめ配車するようになっており、空車走行の減少による有害物質の排出量の削減につながることをアピールしています。

実証実験の結果では、AIタクシーは非常に高いマッチング率を示しました。今まで、利用者やタクシードライバーの経験則に頼っていた配車ですが、これらをきちんとデータ化し分析することでもっとタクシー業界はもっと効率的に利益を上げられるようになるでしょう。人工知能による需要予測は、配車サービスに対抗するための強みとして今後も期待されます。

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