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Android StudioのStudio Botとは?HedgehogからAIチャットが使える!

ChatGPTやGoogle Bardなど、生成AIを用いた開発が日々活発になっています。
Googleは、Android Studio Hedgehogに自然言語に対応するAIを用いたStudio Botの搭載を発表しました。
この記事ではStudio Botのリリース時期やStudio Botの概要についてご紹介します。

Android Studioとは

Android Studioとは、Googleが提供しているAndroidアプリ開発用の統合開発環境(IDE)で、ユーザーはAndroid Studioを用いてAndroidアプリを構築することができます。
まずはAndroid Studioの概要をご紹介します。(*1)

Android Studioとは統合開発環境のひとつ

Android Studioが使用できる対応OSは、Windows、Mac、Linux、Chrome OSです。
また、開発言語はJava、Kotlin、JavaScript、C++です。
利用にあたって、月額利用料などはかからず無料で利用できます。

Android Studioで開発を行うにあたり、Googleがトレーニングコンテンツを提供しているため、比較的学習ハードルが低くなっています。(*2)

統合開発環境(IDE)とは

統合開発環境(IDE)とは、プログラムを作成する際に必要となるテキストエディタ・コンパイラ・デバッガというプログラムに必要な手順が1つのGUIにまとめられた環境です。
代表的なIDEには、Android Studioのほか、Unity、PyCharm、Visual Studio、Eclipse、Xcodeなどがあります。

Android Studio HedgehogにAIチャットの実装が発表

Googleの開発者向けイベントとして行われた「Google I/O 2023」の発表によると、Android Studio Hedgehogで、AIチャットが使えるStudio Botが発表されています。
まだ実験段階で、提供地域はアメリカのみに限られているものの、ユーザーは無料で利用できるため、Android Studioを用いた開発の効率化が大きく期待できます。

発表時点で、Android Studio Hedgehogはベータ版よりも前の開発段階であるカナリアビルドの状態です。
そのため、まだ不完全なコードを生成する可能性があることやしっかりとしたレビューが必要であることなどが注意喚起されています。

Hedgehogとは2023年の開発コードネーム

Hedgehogとはハリネズミのことです。
Android Studioとは、Androidアプリを開発するベースとなる仕組みのため、日々バージョンが変わります。
最近のAndroid Studioは、コードネームにさまざまな動物の名前を使う傾向があります。

新しいものでは、Iguana(イグアナ)、Hedgehog(ハリネズミ)、Giraffe(キリン)、Flamingo(フラミンゴ)などが選ばれています。

Android Studio Hedgehogの安定版は来年以降に期待

Android Studio Hedgehogは、2023年4月のHedgehog Canary 1から約半年の間に16回更新版が登場しています。なお、最新は2023年9月のAndroid Studio Hedgehog Beta 2です。(3)(4)

Hedgehogの1つ前のコードネームであるAndroid Studio Giraffeの場合、安定版が登場したのは2023年8月です。
Android Studio GiraffeのCanary版は2023年1月に登場したため、同じような開発状況であれば、1年ほどすればAndroid Studio Hedgehogの安定版が登場するかもしれません。(*5)

つまり、そう遠くない未来には、生成型AIのBotを活用しながらAndroidのアプリ開発ができるようになることが期待されます。

Android Studio Botとは

ここでは現在発表されているStudio Botの概要についてご紹介します。

LLMのCodeyはコーディングシナリオに特化

Studio Botのコード生成や補完に使われる基盤モデルはCodeyです。
Codeyは、Googleの大規模言語モデルであるPaLM 2をもとに開発された大規模言語モデル(Large Language Models:LLM)です。

Studio Botは、Google Bardと似たLLMを採用しています。
しかしStudio Botで用いるCodeyは、コーディングシナリオに特化してAI学習を行ったことが特徴です。

Studio Botはコーディング支援やコーディングのトピック表示などに対応しています。
AIは常に学習をしているものの、Studio Botでユーザーが生成したコード自体がStudio BotのAI学習に使われるわけではないため、いろいろなコードを試すことができます。

利用の際にはよく検証が必要

Studio Botは実験段階のため、一部で不正確な表示が出る可能性が否定できません。
エラーやバグ、脆弱性については慎重に判断しなければなりません。

同様に、AIも学習途上の段階です。
そのため、Studio Botに質問をする場合には、明確で簡単な表現に努める必要があります。
質問の仕方についてはAndroid Studioの開発者向けサイトにヒントがあるので活用可能です。(*7)

AI Botで開発を行うメリットとデメリット

Studio Botに期待が集まるのは、AIを用いた開発が増えてきているためとも言えます。
Bot開発とは、人が普段使う言葉(自然言語)を用いてプログラミングなどを行うことです。

人が直接プログラムコードを書かずにアプリなどを開発することをノーコード開発といい、生成型AIを用いたBot開発はノーコード開発手法の中のひとつです。
ここではAI Botで開発を行うメリットとデメリットを紹介します。

メリット1:アイデアが簡単に具現化できる

初めてのAndroid Studioで Androidアプリを作成する場合、公式にトレーニングコンテンツがあるため独学することも可能です。
しかし、自然言語で入力ができれば、プログラミング知識が不足していたり、開発に携わる機会が少なかったりするユーザーでも簡単にアイディアをコンピュータ言語に変換できます。

メリット2:開発時間の短縮

十分にプログラミングの知識を持っていた場合でも、一つひとつコードを記述していくのは開発になれた技術者でも時間がかかります。
Botを用いてコードが生成できれば、初期の試作コードやコンセプトの検証が早く進み、それだけプロジェクトの進行がスムーズになります。

デメリット1:開発範囲が限定的

現時点では、Botが対応できる自然言語の指示や要求は比較的単純で限られた範囲に留まります。
もし、開発したい内容が複雑だったり、高度な処理が必要だったりする場合には、Botだけでは対応しきれない可能性があります。

デメリット2:セキュリティと品質の保証が難しい

Botが生成したコードは細かい条件分岐への配慮が不足していたり、単純なコードで書かれているために複製されやすかったりする場合があります。
ハッカーが一度脆弱性を見つければ、同じ方法で複数のプログラムが攻撃される可能性があります。

そのため、安全に配慮するためには、十分な知識を持った人物がコードをレビューし、適切なセキュリティと品質保証を行うことが重要です。

まとめ

Android Studio Hedgehogから、AIをコーディングに用いる機能としてStudio Botが搭載されています。
Studio Botとは、自然言語でのチャットを用いてコーディングを支援する機能で、現在アメリカ国内で開発者が無料で利用できます。
今後はより広い範囲で活用するために開発が進められています。
ノーコード開発に向けてさまざまな開発にAIが活用されつつあるため、ぜひ注目してみましょう。

 

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参考URL
*1 https://developer.android.com/studio
*2 https://developer.android.com/training/basics/firstapp?hl=ja
*3 https://androidstudio.googleblog.com/2023/04/android-studio-hedgehog-canary-1-now.html
*4 https://androidstudio.googleblog.com/2023/09/android-studio-hedgehog-beta-2-now.html
*5 https://developer.android.com/studio/archive?hl=ja
*6 https://android-developers.googleblog.com/2023/05/android-studio-io-23-announcing-studio-bot.html
*7 https://developer.android.com/studio/preview/studio-bot#tips

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