Googleアカウントで購読決済が可能に。Googleが有料コンテンツ事業者向け新サブスクリプションサービスを発表
Googleは、ニュース記事など有料コンテンツの購読をGoogleで決済できる新たなサブスクリプションサービスを発表しました。特長は、GoogleアカウントとGoogle Payを使って購読料金の決済ができる点です。導入すれば、利用者も事業者もこれまで面倒だった支払い手続きを簡略化できるといいます。有料のテキストコンテンツを配信する事業者にとって、導入を検討したくなるサービスではないでしょうか。
Googleが有料コンテンツ向けに新決済サービスを発表
Googleは2018年3月に、有料コンテンツの購入手続きを容易にする新サービス「Subscribe with Google」を発表しました。
Subscribe with Googleは、コンテンツ配信事業者がサイト内で提供している有料コンテンツの決済を、GoogleアカウントとGoogle Payで行えるようにできます。
導入方法は簡単です。会員登録ページ上にSubscribe with Googleへ誘導するタグを埋め込みます。また、コンテンツごとに無料で読める範囲から有料になる部分のところで同様のタグを埋め込んでおきます。利用者が決済手続きのページや有料になるコンテンツへアクセスすると画面上にはGoogleアカウントへログインして決済するためのダイアログが表示され、料金の決済手続きを処理することができます。
Subscribe with Googleは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどあらゆるデバイスから利用できます。サービスの詳細については次のページを参照してください。
Introducing Subscribe with Google
https://blog.google/topics/google-news-initiative/introducing-subscribe-google/
利用者に登録手続きを減らしアカウントの一本化を提供
Subscribe with Googleを導入すると、サイト利用者に効率的な登録手続きやアカウント管理を提供できます。
有料コンテンツを購読するには、利用者はサイトにログインするためのアカウントを取得する登録作業が必要でした。その際、住所、氏名、性別、年齢といった個人情報だけでなく、職業や趣味などサイト側から求められるさまざまな属性情報を入力しなければなりません。複数の有料サイトを利用するようになれば、サイトごとに個人情報の入力をするため面倒な思いをさせてしまいます。
また、アカウントも有料サイトごとに作成していくと、しだいに管理が仕切れなくなります。ログインの際、アカウント名やパスワードを忘れてしまったりすることも起こってきます。Subscribe with Googleが導入された有料サイトであれば、アカウントはGoogleで利用しているものを使います。頻繁に使用しているGoogleアカウントを使用すればパスワードを忘れて決済手続きに進めなくなるトラブルを防げます。
利用者は、Subscribe with Googleを導入しているサイトで購読している有料コンテンツをGoogleの個人情報管理ページから確認することができます。そのため、各サイトごとにアカウント情報や購入したコンテンツの確認をする手間がなくなります。
有料コンテンツ配信側は決済用のシステム構築が不要に
Subscribe with Googleは、有料コンテンツ事業者にシステム構築や運営面で大きな恩恵を与えます。
有料サイトを運営するには、支払いのための決済システムを構築しなければなりません。クレジットカード決済を導入するのであれば、決済代行サービスと契約するなど手間がかかります。Subscribe with Googleを使えば、決済をGoogle Payに一本化できます。利用者がGoogle Payの支払いにクレジットカードを選択していれば、クレジットカードでの支払いができます。したがって、時前でクレジットカード決済のシステムを用意せずに済むのです。
さらに、利用者の個人情報を管理する負担を軽減できます。利用者のクレジットカード番号といった支払い情報を登録の際に入力するサイトでは、支払い情報が外部に流出しないよう厳重管理しなければなりません。Subscribe with Googleを使えば、利用者のクレジットカード情報を知る必要がなく、Googleアカウントと連携させるだけで決済処理ができます。そのため、セキュリティ管理の負担が少ない有料サイト運営ができるといえます。
2018年8月現在、Subscribe with Googleを導入している有料コンテンツサイトは、毎日新聞が運営する電子新聞サービス「デジタル毎日」のみです。今後、導入が進むか注目していきたいところです。
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