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Googleの自動運転タクシー配車サービスWaymo-Oneから自動運転車の今後を考える

2018年12月5日、Googleの自動運転車開発部門Waymoが無人の自動運転車を使った一般向けのタクシー配車サービスを開始したことを発表しました。Waymoは自動運転技術の開発を行なっている会社の中でも非常に高い技術を持っており、他社の追随を許さないスピードで業界のトップを走っています。今回は業界トップを走るWaymoの歩みをたどりながら今後の自動運転車がどのように広がっていくのか考えていきます。

Waymoの歩み

WaymoはGoogleの親会社アルファベット社の傘下にあり、自動運転技術の開発を行っている会社です。ここではまずWaymoの歩みを簡単に辿ってみます。

Waymoが誕生したのは今から約10年前のことです。アメリカではその前から自動運転車というものが存在しており、自動運転の技術をいち早く実現したい、実現できると考えたGoogle社によってGoogleの自動運転車部門としてWaymoが誕生しました。
自動走行で100万マイル(160万キロ)走ること、100マイルずつさまざまな道路環境の10ルートを自動走行で走りきることの2つを目標として開発がスタートしました。その目標をわずか2年で達成し、Waymoは完全自動走行という次のステップに進んでいくことになります。

完全自動走行とは、運転中に人が全く手を加えずに走行することです。完全自走走行テストのため、ハンドルもペダルもない車を特注で作り、2015年に初めて公道での走行実験を行います。そしてこの完全自動走行実験の翌年2016年、WaymoはGoogle社の親会社アルファベット社傘下の1つの会社としてさらなる自動運転技術の開発を進めることになります。

Googleから独立したことで開発のスピードはさらに早くなります。2017年からはドライバーレースモードでのテスト走行距離を伸ばし、2018年には冒頭に紹介した世界初の自動運転タクシー配車サービスWaymo Oneを開始しました。

Waymoが他社よりも優れている点とは?

世界初の自動運転配車サービスWaymo Oneは、2018年12月5日アリゾナ州フェニックスでサービスを開始しました。冒頭でWaymoは自動運転車開発分野において他社の追随を許さないトップを入る会社だと紹介しました。それは個人的な意見ではなく、さまざまなデータで証明されています。ここからは、Waymoが他社よりも飛び抜けている部分を紹介していきます。

自動運転車に良い印象を持っていない人の多くは、「本当に自動運転車は安全に走行することができるのか」という点に疑問を持っています。Waymoは自動運転車で最も大切な「安全性」という点で他社に比べて高い数字を残しています。

以下の表は2019年2月にカリフォルニア州当局が発表した、自動運転車の安全性に関するレポートの一部を抜粋したものです。

カリフォルニア州は自動運転車の公道テストを許可する条件として、走行データに関するレポートを提出する義務を課しています。そのデータの中にある自動運転の安全性に直結する重要なデータとして、自動運転モードを解除しなければいけなかった回数があります。
上記データを参照すると、Waymoが他社と比較して1000マイルあたりの自動運転モード解除回数が圧倒的に少ないことがわかります。2位のGMと比較して2倍以上の性能を示しており、比較的認知度が高いAppleやUberには圧倒的な差をつけています。

上記データでは、カリフォルニア州だけで高い評価を得ているのではと思われるかもしれませんが、Waymoは世界基準で高い評価を得ています。その証拠に、WaymoはNavigate Researchによる自動運転企業ランキングで1位に輝いています。

Navigate Researchとは、自動運転システムを開発する大手20社を対象に行われる調査で、この調査では10の項目で総合的に判断してランキングをつけています。つまり、総合的に判断してWaymoが自動運転システムを開発する会社でトップだと証明されたのです。

この半年のWaymoの動き

Waymoが自動運転システム開発分野において揺るぎない地位を確立したのは、2018年末からの動きが関係しています。ここでは特に大きな要因となった4つの出来事を紹介します。

●自動運転車の生産体制を整える
Waymoは2019年1月23日、ミシガン州で工場の建設許可を得たと発表しています。また3月には自動運転車のさらなる量産のため、アリゾナ州に新しいテクニカルセンターの開設を発表しました。
この2点から、Waymoが自動運転車の生産体制を整えていることがわかります。

●センサーを他社へ販売する
Waymoがこれほどまで高い性能の自動運転技術を開発できたのは、自社で開発したセンサーによるものが大きいです。このセンサーは、Waymoが長年独自開発してきたものであり、Waymoの自動運転車で最も大切なパーツだと言われています。
Waymoは驚くべきことにこのセンサーを他社へ販売することを発表しました。高度な技術を他社に提供することで、自動運転車の安全性を業界全体で高める狙い、自動運転車開発業界で揺るぎない地位を確立する狙いがあるとされています。

●Liftとの提携
2019年5月7日、Waymoは全米2位のタクシー配車会社Liftと提携したことを発表しました。これにより、Liftの配車アプリからWaymoの自動運転車へ誘導する狙いがあります。
Waymo OneにとってLiftとの業務提携は大きな意味を持ちます。サービスの拡大には時間がかかるものですが、すでに多くのユーザーを抱えているLiftと提携することで、ネットワークが広がり、サービスが広がる時間も早くなります。
Lift社と提携したことにより、Waymoが自動運転技術の独占ではなく、自動運転市場の拡大に力を入れていることがわかります。

●ルノー・日産自動車との提携
2019年6月20日、Waymoはルノー・日産自動車と無人自動運転サービス実現に向けて検討を行う独占契約を締結しました。ルノー・日産自動車との業務提携により、無人自動運転市場サービスの開発や準備がさらに進むことが予想されています。
この契約が実現したのも、ルノー・日産自動車側が無人自動運転サービスに対して、長期的かつ収益性のあるものだと判断したからであり、大手企業が本格的に力を入れることで一気に開発のスピードが上がることは間違い無いでしょう。

自動運転車の今後について

Waymoがこれほどまで自動運転車の開発スピードに優れている理由は大きく2つのことが考えられます。1つは、他社よりも圧倒的に多くの走行実験を行なってきたことです。これにより、自動走行に関するデータ量が蓄積されています。そして2つ目がこのデータを生かす能力が他社よりも優れていたことです。Waymoが高性能なのは、Googleの高性能人工知能を活用しているためであり、多くの走行実験データをこの人工知能に蓄積させたことでこれほどまで早く安全な自動運転走行を可能にしました。

「自動運転車が普及するのはまだまだ先のことだ」このように考えている方も決して少なくないはずです。しかし、ここ最近のWaymo動きから、自動運転車が私たちの生活に普及するまでの時間はそう遠くないように感じます。

Waymoが自動運転配車サービスWaymo-Oneを発表し、Liftと提携したことにより、自動運転車市場の拡大に力を入れていることがはっきりとわかりました。まだまだ解決しなくてはいけない問題もたくさんありますが、業界トップの会社が市場拡大に力を入れていることによって、自動運転車が今後数年以内に私たちの生活の中に現れることも十分可能だと言えます。

【まとめ】
自動運転車が登場すれば、私たちの生活はさらに便利なものとなります。「自動運転車なんてまだまだ先のことだから関係ない」とほとんどの方は思っているでしょうが、そう遠くない未来に私たちの生活に登場することが今回の内容からイメージできたのではないでしょうか?今後、Waymoがどのような動きを見せるのか、しっかりとチェックしていきたいですね。

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