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土木設計ソフトウェア「AutoCAD Civil 3D」が持つ強みとは

世界で最もポピュラーなCADソフトウェア会社であるAUTODESK(オートデスク)は、分野に応じた様々なソフトを販売していることでも有名です。

「AutoCAD Civil 3D(Civil 3D)」もまたAUTODESKのソフトの一つですが、今回はこのソフトがどのような分野で活躍し、どんな特徴を持っているのかについてご紹介していきます。

①土木プロジェクトのモデリングに最適のCivil 3D
②BIM/CIMに対応
③Revitをはじめとする、他のAutodesk製品とも互換性アリ

Civil 3Dの概要

Civil 3Dは、土地開発や道路設計のようなプロジェクトを大幅に効率化してくれる、3DのCADソフトです。

AUTODESKが販売する土木設計ソフト

以前はAutoCAD Civil 3Dという名前で販売されていた同ソフトですが、2019年のバージョンアップデートにより「Civil 3D」へと名称が短縮化されました。とはいえ機能が大きく変更されたわけではなく、毎年のアップデートにより従来モデルの最新版として、順当な進化を遂げ続けています。

2Dではなく三次元によるモデリングを自由に行えて、同一データの中で大量の情報を保管・管理が可能となっているため、非常に柔軟な運用が可能になっています。

土木インフラプロジェクトで大活躍

Civil 3Dが得意としているのは、プロジェクトの設計から製作までを担う、統合的な運用環境の提供です。

3Dモデリングにまず必要となるのは測量データですが、Civil 3Dでは測量データを直接読み込めるだけでなく、図形の自動生成も行うことができます。

ベースとなる地形の生成に加え、道路や区画の設計もそのまま進めていくことが可能です。

コリドーモデリング機能を搭載し、河川の設計はもちろんのこと、道路や高速道路の設計、そしてそれに伴うマテリアルが総じてどれほどの量になるのかといった情報まで、プロジェクトの中に内包することができます*1。

Civil 3D 2020でできること

Civil 3Dは毎年のアップデートを繰り返すことで、基本的な性能はそのままに、UIの改善や新機能の搭載によって、その使い心地は常に進歩を続けています。

Autodesk Dynamoの運用

Civil 3D 2020の登場により、新たにAutodesk Dynamoと呼ばれるアプリケーションが運用できるようになりました。

DynamoはCivil 3D上でのタスクのオートメーションに役立つアプリで、別個にインストールすることによって利用が可能です*2。

Dynamoの登場はかなり大きな変化となっており、すでにAutodesk上にはDynamo専用のフォーラムも設置されているため、今後重要な役割を果たしていくことが期待されています。

多数の改善

毎年恒例のアップデートとはいえ、新機能の追加と機能強化はこれにとどまりません。

配管ネットワーク解析機能の強化や、雨水・汚水の解析、高解像度モニター向けの最適化インターフェイスの登場など、これまでの使い勝手に大きな変更を加えることなく、さらに使いやすいソフトウェアとしての進化を遂げています。

アップデートは無償で行われるため、以前から運用しているユーザーにとっても負担は小さく抑えられるのがありがといところです。

BIM/CIMへの対応

Civil 3Dは、BIM/CIMにも対応しているのが大きな特徴です。

BIM/CIMとは

BIMとCIMは併用して使われることが多いキーワードですが、その意味は微妙に異なります。

BIMはBuilding Information Modelingの略称で、建物の3Dモデルにコストや仕上げなどの情報を各箇所に付与し、プロジェクトのあらゆる過程において同じデータを運用することが可能になる技術のことを指しています*3。

CIM(Construction Information Modeling/Management)はBIMの概念を土木工事にも応用しようということから生まれた考え方で、建築だけでなく、土木にも同様の情報統合型のモデリング技術を導入しようということから、採用が進んでいます。

公共事業においても効率的な情報共有が行われることで、事業そのものの安全性を確保し、効率的なプロジェクトの進行、そしてコストの削減につなげられると期待されています。

BIM/CIMの運用は国土交通省でもガイドラインが策定されるほど国内でも注目が集まっており、今後は徐々にこれらの技術が建設・土木業界において広く普及すると考えられます。

国土交通省「BIM/CIM関連」
http://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000037.html

豊富な運用事例

BIM/CIM対応のCivil 3Dは、すでに多くの企業で運用がスタートしています。

ニューヨークの巨大インフラプロジェクトを担当したLiRo 社では、BIMの運用によって、わずか4人のスタッフによって、巨大な施設のモデリングを行なっています。

120億ドルもの施工費が想定されるプロジェクトの核となるモデルでありながら、その設計作業をそのような少数メンバーで完成させてしまうことができるというのは、Civil3Dの本領が発揮された瞬間でもあります。

AUTODESKの公式サイトでは、これ以外にも豊富な運用実績が公開されています。

AUTODESK「Civil 3D のユーザー事例」
https://www.autodesk.co.jp/products/civil-3d/overview

Civil 3DとRevitの違い

Civil 3Dとともに紹介されることが多いのが、Revitと呼ばれるAutodeskのソフトウェアです。

BIMに力を入れるRevit

RevitはCivil 3Dのような作図ソフトではなく、リッチなデータの内包が可能なBIM向け3Dソフトとなっています。

建物の材質やコストなどの情報を詳細に記録しながらモデリングを行うことに特化したソフトとなっているため、土木よりも建築において活躍が期待できます。

RevitとCivil 3Dの併用で複雑なプロジェクトが可能

RevitとCivil 3Dは併せて運用していくことも可能です。

Civil 3Dは土木、Revitは建築に特化したソフトであるため、これらは担当ごとに分けて運用されることも想像に難くないところですが、共有プロセス効率化のため、しっかりと互換性もサポートされているのが嬉しいところです。

コラボレーションが容易になれば、担当者同士のコミュニケーションのハードルも低くなるものです。これら二つのソフトの併用により、プロジェクトの進行はさらに円滑になっていくことが期待できます。

おわりに

Civil 3Dは土木プロジェクトにおいて大きな活躍が期待されるソフトです。

Autodeskは分野ごとにソフトウェアが細分化されているため、運用に不便を感じることもあるかもしれませんが、大抵の場合ソフトウェア同士で互換性をきちんと備えています。

導入を検討する際は、それに付随するソフトの導入も併せて検討しておくのが良いでしょう。

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出典:
*1 AUTODESK 「概要 – コリドー モデリング」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/civil-3d/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2019/JPN/Civil3D-UserGuide/files/GUID-F2246A0B-809E-4801-97A5-EFACFA05EE46-htm.html
*2 AUTODESK 「Autodesk Dynamo for Civil 3D について」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/civil-3d/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2020/JPN/Civil3D-UserGuide/files/GUID-E2122814-1957-4108-9BBF-0AD6AF1A63CB-htm.html
*3 AUTODESK 「BIM / CIM」
https://www.autodesk.co.jp/solutions/bimcim

2022年11月17日 情報更新

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