Civil 3DでTIFF形式は扱える?書き出しや読み込み方法について
Civil 3Dはその汎用性から、多様な形式のデータを扱うことが日常茶飯事です。また、CADやBIMを使用していると必然的にCivil 3D以外のソフトとのやり取りも増え、業務が煩雑化することもあるでしょう。
ただ、Civil 3Dでは一括で様々なデータの書き出しや読み込みを行えます。そのため、業務をまとめて同製品で完結させ、円滑に作業を進めることも可能です。
この記事では、そんなCivil 3Dを使用してTIFF形式のデータを扱う際、知っておきたいポイントや具体的な方法を解説します。
- Civil 3Dの魅力
- TIFFファイル(TIF)とは
- Geo TIFFとTIFFの違い
- Civil 3DにおけるTIFFファイル活用のメリット
- TIFFファイルをCivil 3Dから書き出す方法
- Civil 3Dが書き出しに対応しているファイル形式
- TIFFファイルをCivil 3Dで読み込めない時の対処法
Civil 3Dの魅力
Civil 3Dは、CADのみならずBIMも扱えることで知られる土木建設特化の3Dモデリングソフトです。
正確な3Dモデルを作成できるのはもちろんのこと、2D情報を3Dモデルに内包した、高度な情報共有能力を有したデータを作成できます。
Civil 3D上では、作成したモデルデータに地理情報や実際の測量データを活用できるのも強みです。現実世界の条件を丁寧に模倣した仮想空間でシミュレーションにかけ、質の高い予測やモデル改善を施せます。
Civil 3D上で利用するデータは、外部の様々なソースから直接インポートすることが可能です。多様な形式のデータを読み込めるよう互換性が確保されているので、柔軟な運用に長けています。
TIFFファイル(TIF)とは
TIFFファイルは「Tagget Image File Format」の略称で、画像ファイルフォーマットの一種です。タグを画像に付与することにより、関連する様々な情報をファイルに与え、質の高い情報共有を促せます。
TIFFファイルはJPEGやPNGと同様、ビットマップデータの一種でもあります。ピクセルの集合体であるため、拡大するほどにその粗さが目立ってきます。ピクセル数を増やすことにより、このような画像の荒れを回避できるのが特徴です。
TIFF形式で画像データを共有することで、膨大な情報を生かした柔軟な画像編集などに役立てることができます。
圧縮を行った場合でも、解凍によって圧縮前の状態に問題なく復元されるため、画質低下が起きないという強みを備えている形式です。
Geo TIFFとTIFFの違い
TIFFファイルには、他にもGeo TIFFと呼ばれるファイル形式が存在します。Geo TIFFは、その名の通りTIFF形式で地形情報を画像データに付与しているファイルです。
座標や測地系、投影法などジオメトリックなデータをまとめて画像に含められます。Civil 3Dは特に土木建設関連の情報を頻繁に使用するソフトです。Geo TIFFを扱う機会は多いため、使い方を覚えておきましょう。
またGeo TIFFは、基本的には通常のTIFFとフォーマットの面で大きな違いはありません。それぞれを別個に扱う手間がかからない点は安心できます。
Civil 3DにおけるTIFFファイル活用のメリット
TIFFファイルはCivil 3DなどのAutodesk製品に準拠するファイル形式ではありません。多様なソフトでTIFFファイルは使用されているぶん、Civil 3D上で運用できるようにしておくと、メリットも大きいものが期待できます。
TIFFファイルは劣化の心配がないデータ形式なので、CADやBIMといった詳細さが求められるデータとの相性が良いのが特徴です。Civil 3Dではこれらのデータを併用する機会が多く、質の高い設計業務の実現の助けとなるでしょう。
また、複数の画像データをTIFFファイルとして統合して、一つのデータで運用することもできます。画像利用の際の煩雑化を解消し、生産性向上に役立つ形式です。
もちろん、必要があればTIFFファイルからPNGなどの他のファイル形式にもいつでも変換できます。Civil 3Dではそういった操作も柔軟に行えられるのが強みです。
TIFFファイルをCivil 3Dから書き出す方法
Civil 3Dを使って既存のデータをTIFFファイルとして書き出したい場合は、コマンドプロンプトの使用が有効です*1。
プロンプトにTIFOUTと入力すると、[ラスターファイルを作成]ダイアログボックスが立ち上がります。書き出したいファイルを選択し、ファイル名を入力したら、[保存]をクリックしましょう。
これでTIFFファイルの拡張子.tifが追加されるので、あとは保存オブジェクトを選択したら書き出しは完了です。
Civil 3Dが書き出しに対応しているファイル形式
Civil 3Dがラスターファイルへの書き出しに対応している主なファイル形式は、
- TIFF
- JPEG
- PNG
- BMP
が挙げられます。いずれもCivil 3Dのみならず、多様なシーンやソフトで使用することになるファイル形式です。
基本的な書き出し方法は上述したTIFFファイルの手順と同じなので、方法を覚えておきましょう。
TIFFファイルをCivil 3Dで読み込めない時の対処法
TIFFファイルを外部からインポートした場合、ファイルを読み込めないエラーが発生することもあります。
TIFFファイルの読み込みがうまくいかない時、その主な原因はファイルのサイズが大きすぎる点にあります。
TIFFファイルは多くの情報を内包できる形式です。ただ、Civil 3Dで読み込みを実施する場合、あまりにファイルサイズが大きいと、正しく読み込みが行われません。
このようなファイルを正しく読み込むために最も簡単な方法が、ファイルサイズの縮小です。データの解像度を落とし、サイズを小さくしてから再度読み込みを行ってみましょう。
また、TIFFファイルである必要性がない場合には、PNGなどの他の形式に置き換えて読み込みを実行するのも一つの手です。
地形情報や座標データなどが不要の場合、PNGに変換した上で読み込みを行うと、データが過剰になる心配はありません。
まとめ
この記事では、Civil 3DでTIFFファイルを使用するメリットや、書き出し・読み込みの方法について解説しました。
Civil 3Dは多様なデータを扱えるBIMソフトであり、TIFFファイルが登場する機会も頻繁です。TIFFファイルの特性と扱い方を事前に覚えておけば、効果的なデータ活用を実現できるでしょう。
TIFFファイルはデータ量が大きすぎるあまり、不便を感じることもあります。無理にTIFF形式に固執せず、PNGやJPEGといった他のファイル形式も柔軟に使用できると便利です。
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出典:
*1 Autodesk「ヘルプ」