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2019年12月リリース!Unity Reflectとは

3Dゲームエンジン「Unity」はオブジェクトをリアルタイムに動かすことのできる高度なレンダリング機能を持ち、世界中でさまざまなゲームやユーザー体験を生み出しています。
しかし、ゲームエンジンといえどもUnityが作るのはゲームやARコンテンツだけではありません。実は建築設計にも使われており、2019年12月には設計者がさらに便利に使えるようになる「Unity Reflect」という機能がリリースされました。
そのUnity Reflectにはどのような特徴があるのでしょうか?

この記事でわかることは以下の3つです。
・ゲームエンジン「Unity」の概要
・Unityの新機能「Unity Reflect」とは
・Unity Reflectの機能と特徴

ゲームエンジン「Unity」は3D・AR/VRコンテンツを作れるプラットフォーム

「Unity」とは、ユニティ・テクノロジーズによって提供されるゲームエンジンです。
サブスクリプション制で使うことができるサービスで、個人向け(過去 12 カ月の収益・調達資金が 10 万米ドル以下であることが条件)では無料プランも用意されています(*1)。
Unityを使って、2D・3Dのゲーム、またVR/ARコンテンツの開発を行うことができます。Unityはその高機能さと使いやすさから世界中で使われています。

Unityでは以下の機能を使うことができます。
・多彩なオブジェクトアセットが利用でき、プロパティ設定がカンタン
・C#言語スクリプトでイベント設定ができる
・リアルタイムに動くグラフィックと高度なレンダリング
・BGM付与、ミキシングなどのオーディオ機能
Unityはプログラミングの経験が浅い開発者でも美しいグラフィックのゲーム作成ができるようになっています。Unityで開発するゲーム・コンテンツはWindows、Android、iOS、WiiやHololensなど、パソコンやスマートフォンからゲーム専用端末まで25種類以上のプラットフォームに対応しており、2020年1月現在Unityで開発されたコンテンツはすでに30億デバイスにインストールされています(*2)。

Unity ReflectならBIMデータ連携ができる

ゲームエンジンとして世界を席巻するUnityに、2019年12月2日新たな機能が追加されました。それが「Unity Reflect」です。
Unity Reflectとは、BIM(Building Information Modeling)との連携ができるリアルタイム 3Dモデリング機能のことです。
BIMとは、建築設計・機械設計に使われるツールです。BIMはモデル作成・図面作成のほか、データベースのように部品やサイズなどのさまざまな情報の管理ができ、建築モデル作成や図面・施工管理などに使われています。
かねてより、UnityはBIMツール大手のオートデスク社と、製品間のデータのやりとりがスムーズにできるよう連携を図ってきました。そして、ベータ版を経てとうとうBIMツールオートデスク社のBIM「Revit」との統合機能Unity Reflectが正式リリースされました。

Unity ReflectとBIMの関係

Unity Reflectは、RevitのBIMデータを取り込み、そのモデルから3DコンテンツまたはAR/VRコンテンツを作り上げることができます。

このモデル活用の具体例を挙げると、例えば設計中のビルのBIMデータがあったとします。そのBIMデータをUnity Reflectに展開して、タブレットで見られるイメージ映像やスマートフォンで動作するVRアプリケーションを作成します。
こうして作成したコンテンツは、ビルの施主との完成イメージ確認、販売物件であれば顧客への営業に使うことができます。
こうしたコンテンツがあれば、もし設計に改善点やミスがあれば早期に発見することができるなど、より良い設計の実現と修正コストの削減にもつながります。

これまでは、BIMで作成したモデルを別のプラットフォーム上で動くコンテンツに作りこむには、さまざまなデータ変換を行う必要があり複雑な開発工程となっていました。さらに、設計に変更があればその修正をBIMデータに施し、また複雑な変換をし直してコンテンツデータに反映する必要がありました。
しかしUnity ReflectはBIMデータとの直接的な互換性があるので、そうした手間を一気に省くことができるのです。

Unity Reflectの機能と特長

BIMデータはワンクリックで取り込める

Unity ReflectはRevitのプラグイン機能として動作します。ユーザーは、RevitにこのUnity Reflectプラグインをインストールすることで連携を行うことができます。
そして、ユーザーはたった 1 回クリックするだけで、 Revit モデルと関連する全てのBIMデータが3Dモデルとして変換できます。この手軽さがUnity Reflectの特長です。
連携するRevitモデルは、複数のモデルであっても同じように取り込むことができます。また、Revit側でBIMデータに修正がなされた場合はその変更が自動的にコンテンツに反映され、すぐに3Dモデルで確認することができます。
この場合、Revitのみでコンテンツ作成ができるのでUnityのエディターを操作する必要がなく、建造物の設計者が自分でコンテンツを用意できるという利点があります。

また、Unityの開発プラットフォーム上にBIMデータを取り込むこともできます。この場合は、ユーザーは取り込んだデータを使ってUnity上で開発を行うことにより、さらに高度なイメージ動画やVR/ARコンテンツを作りこむことができます。

コンテンツプラットフォームが選べる

データ連携ができたら、Revit上でコンテンツ作成が行えます。コンテンツはRevitのライブリンクとして作成されます。
そして、出来上がったコンテンツを再生するプラットフォームは、Unityがサポートする28種のプラットフォームから選ぶことができます。
UnityコンテンツはiOS、Android、WindowsにAR/VR端末などの各閲覧ユーザーが用意できる環境に合わせることができるのです。そのため、閲覧する人全員がRevitを持っていなくてもよく、設計者以外のメンバーや施主、VR体験を試したい顧客などさまざまな関係者にリアルタイムにコンテンツを共有することができます。

必要な個所を切り取れる

Unity ReflectはBIMデータのフィルタリングを行うことができます。そのため、閲覧者が見たい箇所のパーツのみを切り離して見るということができます。
例えば建造物の配管部分のみを抜き出して見たい場合も、全体のモデルコンテンツと別に配管モデルのコンテンツを作る必要はなく、ただビューアでフィルタリングを行えばよいので便利です。

広がるサポート対象のBIM

現時点では、連携するBIMはオートデスク社のRevitのみです。しかしユニティ・テクノロジーズのブログでは2020 年内にサポートをオートデスク社のNavisworksにも拡大する予定が発表されています(3)。
さらに、ロードマップが公開されており、ArchiCAD、Rhino、モデリングソフトのSketchUpのツールが開発中で、BIM以外にも土木設計ツールのCivil 3Dやレンダリングソフトの3ds Maxへの対応が検討されているようです(
4)。

Unity Reflectを使うなら

Unity Reflectのライセンスは年間82,800円です(3)。体験版もあるので、実用に入る前に無料で試すことも可能です。
2020年1月現在はスタンドアロン機能として提供されていますが、今後クラウドサービス型での提供も予定されています。1ライセンス契約につき、Revitのプラグインとデータ連携用のローカルホストサーバー、クラウドの管理サーバー、ビューア、平日24時間の技術サポートが提供されます(
5)。
Unityは無料プランがあることで広く知られていますが、このUnity Reflectは有料のUnity Proのみで使用することができます。対応するRevitのバージョンはAutodesk Revit 2018、2019、2020が対象です(*6)。

設計業務におけるBIMの利用が広がるにつれ、設計技術者ではない関係者にBIMデータを確認する機会が増えていきます。
コンテンツ制作のプロではない設計者でもBIMデータから直接モデルコンテンツを作ることが可能なUnity Reflectは、その大きな橋渡し役となりえるでしょう。

参考リンク
(1) https://store.unity.com/ja/?_ga=2.39169443.1424197914.1579057204-1141813658.1577239445#plans-individual
(
2) https://unity3d.com/jp/public-relations
(3)https://blogs.unity3d.com/jp/2019/11/19/unity-reflect-arrives-in-december/
(
4)https://portal.productboard.com/ryk149xi2qtmns5iehpngb6u/tabs/1-under-consideration
(5)https://unity.com/products/reflect
(
6) https://unity.com/ja/aec/reflect/faq


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