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【無料】CIM製品はどれがいい?活用できる3つのフリーソフトを比較

「CIM製品をいくつか比較したけれど、費用が高く導入が進まない」
「CIMが良いのはわかるが、いきなり数十万円もする製品を購入するのは気が引ける」
と思っている方へ。

土木業界で進むCIMは国主導で広まっていますが、まだまだCIM製品を導入できていない企業も多くあります。「CIM製品は高い」という意識から、社内で話が進まないケースもあるでしょう。

そこで今回は、気軽にCIM製品を導入するためにフリーソフトに絞って、3つの製品を比較しました。自社に合いそうな製品があればぜひ試してみてください。

土木業界で進んでいるCIM導入

CIMで建築作業を効率化する

CIM(シム)はConstruction Information Modelingの略であり、2012年から国土交通省が導入を進めている取り組みです。3次元モデリングとしてすべてパソコン上で設計を行い、各パーツに3D情報を組み込み、関係者とのスムーズな情報共有によって作業の効率化を目指しています。

CIMとは日本独自の言葉ですが、もとはBIM(Building Information Modeling)という言葉が米国から広まりました。BIM(ビム)は車の製造業から生まれた考えで、主に建築業界のことを指しています。

一方でCIMは、建築業界の中でもとりわけ土木業界を指しています。しかし最近ではBIMやCIMと使い分けるのではなく、BIM/CIMとして統一する方向に変化しました。

2025年までのCIM原則化を目指している

国土交通省はBIM/CIMの導入を本格的に進めていて、2025年までの原則適用を目標としています。※1

強制ではないですが、国が進めている以上は無視できないスケジュールです。さらにCIMの導入は現場や企業にとっても大きなメリットがあるので、機会があれば早めに導入を検討したほうがよいでしょう。

【無料版】CIMに使える3製品を比較

フリーソフトでCIMを体験してみよう

CIMの導入するためには、CIM製品を導入しなくてはいけません。大きく費用がかかる話なので、まだCIM導入の話が出ていない企業にとっては踏ん切りがつかないものです。

「CIM製品をいつかは導入したいけれど、社内でなかなか話が進まない」
「数十万~数百万円もかけてCIM製品を導入しても、本当にメリットがあるのかわからない」と不安になる人も多いでしょう。

そこでおすすめなのが、まずはフリーソフトでCIM製品を体験してみるということです。

CIM製品で3Dモデリングを作ったりデータを共有したりすればCIMの効果を実感できますし、社内での課題や要望も具体化するかもしれません。

フリーソフトなので軽い気持ちで導入できるのもメリットです。数は少ないですがCIMで活用できるフリーソフトもいくつかあるので、機能を比較して魅かれる製品を試してみましょう。

CIMにおすすめの3製品を比較

今回は、CIMに活用できる製品として以下の3つを比較しました。

・SketchUp Free
・Tinkercad
・FreeCAD

上記はすべてフリーソフトとなっています。有償版のCIM製品を比較した記事もありますので、興味がある方はぜひご参照ください。
【比較】CIMソフトウェアはどれがいい?選び方のポイントと人気製品の比較https://www.capa.co.jp/archives/32728

SketchUp Free

SketchUp Freeは、CIMでベースとなる3Dモデリングをブラウザから行える製品です。Webベースの3Dモデリング製品なので、会社以外にも自宅やカフェから作業できます。※2

クラウドストレージによってデータを共有できるので、プロジェクトのメンバーとの共同作業も可能です。無料版の場合利用できるクラウドストレージは10GBですが、有料版にアップグレードすれば無制限となります。

また、SketchUp Freeの場合サポートを受ける方法はコミュニティのみとなり、メールや電話でのサポートはできません。

SketchUp Freeという無料版のほかに、SketchUp ShopやSketchUp Proといった有料版製品もあります。まずはSketchUp Freeを使ってみて、自社に合うようであればバージョンアップするという運用方法もおすすめです。

しかし1点注意したいのは、SketchUp Freeは商用利用がNGという点です。CIMは基本的に商用利用となるので、あくまでもSketchUp Freeは“個人でのお試し”という位置づけになります。

Tinkercad

CIM製品で有名なオートデスク社が開発しているソフトで、SketchUp Free同様にブラウザベースで3Dモデリングを行えます。CIMに特化したソフトではありませんがオートデスク社製品という安心感がありますし、インターフェースが日本語に対応しているため海外製品に比べると操作しやすいのがメリットです。

メニューには円柱や球、ボックスといったパーツがあり、それらをドラッグ&ドロップするだけで直感的に3Dモデリングを行えます。3Dプリント用データも作れるので、模型作りにも活用できるでしょう。

Tinkercadの公式サイトではギャラリーという項目があり、ユーザーが作成した3Dモデリングデザインを閲覧できます。

オリジナルキャラクターや船といった模型の3Dモデリングが多いですが、中には本格的な建築物や街並みといったデザインもあり、ダウンロードすることもできます。興味がある方は、ぜひご覧になってください。※3

FreeCAD

3次元CADソフトであるFreeCADは世界各国に点在するプログラマが開発したフリーソフトです。機械の部品設計をはじめ、船舶や建築といったあらゆる3Dモデリングを行うことができます。※4

FreeCADは2次元データから3次元データを起こせるだけではなく、逆に3次元データから2次元データを作ることもできます。そのためCIMにも向いているのです。

CIMの導入は進んでいますが、完全な導入はまだ先です。そのため2次元データが必要な時、3次元データのみを扱うCIMソフトでは準備できません。そんな時使い慣れたソフトウェアで2次元データを準備できれば、工数も大幅に削減できるでしょう。

FreeCADは対応OSも豊富なので汎用性が高く、使えるファイル形式もSTEP、IGES、OBJ、STL、DXF、SVG、STL、DAE、IFCなど豊富なのが特徴です。データ種類が豊富なモデリングソフトを探している人には、ピッタリなモデリングソフトでしょう。

機能を比較して最適なソフトを選ぶ

今回ご紹介したCIM製品を比較すると、下記のようになります。フリーソフトだとアニメーションまでつけるのは難しいですが、ブラウザベースで気軽に使える製品もあり、自社が理想とする使い方に合わせて選ぶことができます。

製品名 3Dモデリング アニメーション 対応OS データ共有
SketchUp Free × ブラウザベースのため制限なし
Tinkercad × ブラウザベースのため制限なし ×
FreeCAD × Windows

Mac

Linux Ubuntu

×

有料版CIM製品を導入する前に知っておきたい事

CIM製品導入はIT補助金の対象となる

フリーソフトのCIM製品は気軽に導入できるのが一番のメリットです。しかし、機能性の高さや幅の広さを求めるなら、やはり有料版には敵いません。企業がCIM製品を導入するには数十万~数百万円のコストがかかり、気軽な導入は難しいでしょう。

しかし、“IT導入補助金”という制度を活用すれば、導入にかかるコストのハードルを下げることができます。

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者を対象としてIT製品を導入する際の経費を一部補助してくれる制度です。もちろん建設業も対象となります。※5

しかしIT導入補助金制度は公募制となっており、2019年度はもう締め切っています。2020年2月現在でまだ2020年度版の案内は始まっていないため、しばらく待つ必要があります。

オートデスク社製品も対象となる

CIM製品で有名なメーカーといえば、オートデスクがあります。CAD製品も多くリリースしており、AutoCADやRevitといった世界的なシェアを持つ製品も多く存在します。

オートデスク社の製品については、こちらの記事でも紹介しています。
土木設計ソフトウェア「AutoCAD Civil 3D」が持つ強みとはhttps://www.capa.co.jp/archives/32848

そんなオートデスク製品も、2019年度のIT導入補助金対象となっていました。2020年度でも対象になる可能性があるので、「いずれはオートデスクのCIM製品を導入したいな」と思っている企業は注目しておきたい情報です。

2019年度はオートデスクでの公式サイトでも案内されていたので、2020年も発表があることでしょう。※6

まとめ

CIM製品は高価なイメージがありますが、機能を絞ればフリーソフトを活用できます。土木作業のすべてをカバーすることは難しいですが、CIM製品を試すきっかけとしては大変おすすめです。

ぜひフリーソフトでCIM製品を試して、その便利さやすばらしさを体験してみてください。
※1:国土交通省資料「今後のBIM/CIM運用拡大に向けた整理」
P.4 BIM/CIM運用拡大に向けた全体ロードマップ(案)
http://www.mlit.go.jp/common/001286930.pdf
※2:https://www.sketchup.com/ja/plans-and-pricing/sketchup-free
※3:オートデスク社Tinkercad公式サイト ギャラリー
https://www.tinkercad.com/things
※4:https://www.freecadweb.org/?lang=ja
※5:https://www.it-hojo.jp/
※6:https://www.autodesk.co.jp/campaigns/it-hojo

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