AndroidとiOSのシェア比較、世界のデータと年間推移で分かること


現在、モバイルOSはAndroidとiOSの2つがシェアの大半を占めます。

消費者であればモバイルOSのシェアは気にならないかもしれません。しかし、モバイルアプリを開発する企業や開発者にとってモバイルOSのシェアは重要です。というのは、OSの利用者が変動することによって、アプリ開発の需要も変わるからです。OSごとに開発環境が異なるため、開発者の人材確保にも影響を及ぼします。

最近ではグローバルな政治経済の動向が、スマートフォンのOSに影響を与えるようになりました。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は2019年の3月、中国通信大手の「ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術、Huawei、以下ファーウェイ)」による製品使用を禁止する決定をアメリカ政府として発表しました。

ファーウェイのOSはAndroidです。グーグルはファーウェイの既存製品に搭載されたAndroidのセキュリティアップデートには対応しますが、新規ライセンスの提供を停止すると表明しています。このことに対してファーウェイ側は、グーグルと交渉を行うとともに、独自OSの搭載も検討していることが報道されました。

日本の大手キャリアにおいてもファーウェイの新機種は販売が見合わされることになり、業界に激震が走っています。このような状況も踏まえながら、モバイルOSのAndroidとiOSのシェアについて、歴史と各国の動向を比較します。

世界各国のモバイルOSのシェアを把握するのは困難に感じられるかもしれません。しかし、モバイルOSのシェアを世界の主要拠点と時間軸で視覚的に把握できるサイトがあります。それが、kantarworldpanel.comというサイトの「smartphone-os-market-share」機能です。

この便利なサイトにて、世界地図に表示されている各国の緑色のポイントをクリックすると、グラフィカルな表と円グラフで、モバイルOSのシェアを比較できます。シェアの表組みの下にある「Compare」をクリックすると、画面を分割して別の国と比較することも可能です。さらに、画面の下にある時間軸のスライダーに表示された年月を2012年から2019年までドラッグすると、時間軸に合わせてデータが変化します。ただし、OSのデータがなかった時代、データのない国は表示されません。

この記事を読むと、次の3つのことが分かります。

①AndroidとiOS、2019年3月現在の世界各国のシェア比較
②AndroidとiOS、日本シェアの年間推移の傾向
③AndroidとiOSのシェア、これからどうなる?

 

AndroidとiOSのシェアは、世界各国の経済状況を反映する

 

Androidを提供しているグーグルの親会社アルファベットと、iOSを提供しているアップルの決算期は4月30日です。したがって決算1か月前の3月のシェアを比較していくことにしましょう。

全体的にAndroidのシェアが50%を超えているのですが、興味深いことは「Androidのシェアが70%以下の国グループ」と「Androidのシェアが70%以上の国グループ」の2つに分かれることです。

「Androidのシェアが70%以下の国グループ」には、日本(56.7%)のほかに、アメリカ(54.3%)、オーストラリア(63.5%)、イギリス(63.8%)があります。

「Androidのシェアが70%以上の国グループ」としては、アジアでは中国(78.2%)が顕著ですが、ヨーロッパの国々に多く、ドイツ(77.9%)、フランス(79.8%)、イタリア(83.3%)です。スペインに至っては90.9%がAndroidで、ほとんどiPhone利用者はいないと考えられるデータが得られました。

これは、現在の世界各国の経済状況を反映している印象を受けました。

アメリカと外交的に強い関係にある日本は、アメリカ的なシェアになっています。2012年10月にはiOSのシェアが73.9%でしたが、現在はiPhone離れが進み、Androidが優勢になりました。また、アメリカとともに中国のファーウェイ製品の輸入を規制したオーストラリアのAndroid比率が低く、逆にいえばiPhoneの利用者が多くなっています。さらに、EUを離脱したイギリスも同じ傾向です。

一方、経済の減速が指摘されるようになった中国のほか、EUの中でも経済的に問題を抱えている国々ではAndroidが使われる比率が高くなっています。マクロン政権に対して黄色いベストを着用して階級闘争を行ったフランスはもちろん、財政危機にあるイタリア、スペインも同様です。Appleが大型のOLEDディスプレーを搭載したiPhone XS Max、カラーバリエーションの豊富なiPhone XRによって高価格路線を打ち出したために、手が届かない製品になり、Androidが主流になったのかもしれません。

2019年3月にはAndroidシェアが83.3%のイタリアですが、2012年12月にはAndroidのシェアは54.2%で、iOSのシェアは23.1%ありました(2019年3月におけるiOSのシェアは15.8%)。ただし、スペインでは、2012年から2019年まで、iOSのシェアが15%を超えたことはありません。2017年10月の14.0%が最高です。

 

AndroidとiOSのシェアを日本の年間トレンドでみると、夏はiOSが下がる

 

次に日本の市場に絞り込んで、時間軸のスライダーを動かして傾向をみます。

感覚的に分かる傾向としては、いずれの年度も共通して「夏ごろ(6月~9月)」にはiOSのシェアは低下し、Android(グラフでは緑の部分)が優勢になります。その後、秋になるとiOSが復活することです。

これは直感的に理由が読めました。

推測に過ぎませんが、Appleファンとしては外せないイベントWWDC(Worldwide Developers Conference)は、毎年6月頃に開催されます。どのような新製品がWWDCで発表されるか?ということは、Appleファンではなくても、徹夜して中継を観るほどです。その新製品が日本で発売する時期が、ちょうど9月頃になります。iOSには「秋が旬」のような、季節によってシェアの高まる時期がありそうです。

新製品が登場するまではiOSのシェアは低くなり、Appleファンは新製品の発売を待ちます。夏ではありますが、Appleファンにとっては新製品の発売を待つ「夏なのに冬ごもりのような季節」でしょう。そして、秋になって新製品が発売し、新しいもの好き(イノベーターとアーリー・アダプター)は飛びつくとともに、しばらくして「キャズム(普及するための溝)」を超えて価格と品質に納得した利用者(アーリー・マジョリティ)が購入しは始めるとiOSのシェアが急上昇する、と推測できます。2018年に関していえば、新製品に絶望したAppleファンがAndroidに乗り換えたために、9月にはiOSのシェアが降下したとも考えられます。

ちなみに、アメリカのデータを時系列でスライドしていくと、4~5月頃に(アメリカの場合はやや)iOSのシェアが増加することから、年間を通して眺めたiOSシェアの変化は「WWDC影響説」に裏付けられそうです。

最近、iOSのシェアは低下し、Androidに逆転されるようになりました。Androidに侵食されつつあるモバイルOSのシェアを、どうやって奪還するか。GAFAと呼ばれる巨大企業のひとつといえ、老舗のAppleにも変革が求められています。

 

まとめ:AndroidとiOSのシェア、これからどうなる?

 

現代は、VUCA(ブーカ)の時代といわれます。VUCAとは、変動が激しく(Volatility)、不確実性が高まり(Uncertainty)、複雑で(Complexity)、曖昧な(Ambiguity)時代という英語の頭文字をとったものです。したがって、誰も正解を出すことができません。かつての経験が役に立たないため答えを出せない時代です。

そんな時代に、先を読むことは無謀といえますが、現在分かっているいくつかのピースを組み合わせることで、未来の可能性を推測することに試みてみましょう。

iPhoneは画期的な製品ですが、ネックとなるのは、ハードウェアとOSが一体化している点です。それがAppleの優位性でしたが、閉鎖的な仕様によって硬直化し、柔軟に変わり続けることができないかもしれません。

一方、Androidは、ハードウェア面であらゆるメーカーに開かれているため、巨大なエコシステム(生態系)を形成できます。スマートフォンに限らず、自動運転のクルマに搭載されるようになれば、さらに利用が拡がるでしょう。クルマはモバイルというよりモビリティですが、スマートな何かに利用されることで、モバイルOSが普及する可能性があります。

実は、かつてAppleはコンピュータのMac OS(「macOS」ではない時代)のライセンス供給を試みたことがありました。日本のパイオニア製によるAppleのMacintosh互換機があり、「ピピンアットマーク」というバンダイと共同開発によるMac OS搭載のゲーム機があったことは、もはや忘れ去られつつあります。スティーブ・ジョブズなき現在、Appleは革新的な挑戦が難しい大企業になってしまったのでしょうか。

ところで、Google側にフォーカスすると、IoTに対応した新OS「Fuchsia」に期待したいところです。Androidには機能制限があり、IoTに適していない仕様があります。そのIoT分野の対応を補うOSがFuchsia です。LinuxカーネルによるAndroidからZirconカーネルのFuchsiaに変えることは、時期を見極めた思い切った市場投入が必要になります。しかしながら、いずれモバイルOSの市場シェアのグラフはiOSとは別の「赤(Fuchsiaは赤い花の名前)」で塗りつぶされる時代が来るかもしれません。

日本は平成から令和の時代に変わりました。モバイルOS市場にも、大きな変化が待ち受けている可能性があります。

[2019年6月3日アップデート]

 

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