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Revit Serverの機能や役割とは?構築方法をご紹介

BIM運用の要となるAutodesk社のRevitは、国内でも多くの企業が採用している優れたBIMツールです。Revitの機能をよく理解し、最大限引き出すことで、優れたパフォーマンスの実現にも繋がります。

今回は、Revit内のアプリケーションであるRevit Serverに注目し、その機能や導入の方法について、ご紹介します。

①Revit Serverとは
②Revit Serverの仕組み
③Revit Serverの役割
④Revit Serverの構築方法

Revit Serverとは

Revit Serverは、Revit運用におけるサーバアプリケーションという立ち位置のサービスで、Revitを使って他のメンバーと共同作業を行いたい時に活躍します。

ワークシェアが可能なプロジェクトに対して、Revit Serverを活用することで、複数のメンバーが同時にアクセスすることができるようになります。

BIM運用のメリットの一つが、一つのデータを使って複数の関係者とコラボレーションができるという点にあります。Revit Serverは、そんなBIM活用の長所を生かす上で必要になるツールであるため、積極的に導入しましょう。

Revit Serverの機能

Revit Serverの主な機能は、以下の3つに集約されています。順に見ていきましょう*1。

Host

一つ目は、Host機能です。Hostを機能を有効にすることで、ワークシェアリングが可能なプロジェクトの中央モデル、つまりそのプロジェクトにおける管理者となることができます。

2013年以前のバージョンにおいては中央サーバーという位置付けでしたが、最新バージョンではホストとして同じ役割を果たしています。

コラボレーションの有効範囲を設定したり、プロジェクトを管理したりする担当者がHost機能を有効にしてRevit Serverの運用を進めます。

Accelerator

Acceleratorは、複数のRevit Serverインスタンスで編集されているデータを集約する役割を果たします。ローカルネットワークで接続されているプロジェクトメンバーは、Acceleratorを使用することで、中央モデルとの同期を促進することができます。

Acceleratorの機能は、2013年以前のモデルにおけるローカルサーバーのような位置付けにあります。Acceleratorを介して中央モデルへ接続する方法が一般的ですが、Revit Serverのホストに対して直接接続することも可能です。
ローカルでのAccelerator利用ができない場合、ワークステーションは自動でホストに接続され、利用可能になると自動的にAcceleratorを介して接続される設定になっています。

Acceleratorの設定は、プロジェクトメンバーが日常的に触れる必要はなく、以上のようにシステム上で自動手続きを進めてくれるため、プロジェクトの進行に直接関係のない業務を解消するのに役立ってくれます。

Admin

Admin機能は、Revit ServerインスタンスからRevit Server AdministratorのWebベース管理ユーティリティを起動するのに役立ちます。

Revit Server Administratorは、Revit Serverホスト上のフォルダと中央モデルを管理し、管理作業のためにモデルをロックすることができる機能を有しています*2。

モデルのバックアップや修復、またはその他のメンテナンスを実行する際、メンバーが間違ってモデルの編集を行なってしまわないよう、管理者権限を使って一時的に編集ができないようにする際に役立ちます。

また、モデルを別のホストへ移動させる際にもRevit Server Administratorは活躍します。

Revit Serverの仕組み

このような機能を利用するために知っておきたいのが、Revit Serverの仕組みです。基本的な以下の2点を押さえておき、迅速なトラブルシューティングを行えるよう備えておきましょう。

ネットワーク構成について

Revit Serverの基本構成は、ワイド エリア ネットワーク(WAN)上で複数の中央モデルのワークシェアリングを行えることを前提にしています*3。

中央モデルを格納するホストと、Acceleratorを実行する Revit Serverインスタンスの2種構成となっており、使用可能な Revit Server ホストのリストはRSN.iniファイルに格納されています。

RSN.iniファイルにはRevit Server ホストのリストが記載されており、ワークシェアリングやAcceleratorの実行に欠かせないデータとなっています。

ワークシェアリングの仕組み

Revit Serverを使ったワークシェアリングに際しては、特別な設定は必要ありません。

ワークシェアされているプロジェクトを開いた時点で、チーム メンバーの作業対象は中央モデルのローカル コピーになっており、自動的にチームメンバーのコンピューターに保存されるよう指定されています。

モデルの更新についてはAcceleratorが自動的に保存してくれるので、リアルタイムで最新の更新データを反映してくれます。

Revit Serverの構築方法

最後に、Revit Serverの構築方法について、ご紹介します。

動作環境の確認

Revit Serverの利用に当たっては、あらかじめ動作環境を調べておく必要があります。2021年8月現在、公式発表で対応が明らかになっているのは、Revit 2018から2022までのバージョンです*4。

Revit 2023以降も標準対応が想定されますが、2017以前のバージョンについては発表されていないので、注意が必要です。

Revit Serverのインストール

Revit Serverのインストールは、下記のリンクより行うことができます。

公式サイト

インストール後は、マスターRSN.iniファイルを作成します。メモ帳を開き、ホストの役割が有効になっているRevit Serverの各インスタンスのサーバー、またはIPアドレスの名前を含むファイルを作ります。

作成したファイルは、C:\ProgramData\Autodesk\Revit Server <リリース>\Config\RSN.ini%00a0から保存します*5。

おわりに

今回は、BIMモデルを用いたワークシェアリングに欠かせないRevit Serverの運用、及び構築方法をご紹介しました。RevitやBIMの力を最大限引き出すためには、これらの機能を有効活用することが重要です。

あらかじめサーバー環境を整備しておき、メンバー間のコラボレーションの効率を高められるよう設定しておきましょう。


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*1 Autodesk「Revit Server について」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit-products/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2017/JPN/Revit-Server/files/GUID-4DE9A327-583E-40DA-81EB-1150D60E6887-htm.html
*2 Autodesk「Revit Server Administrator を使用してモデルを管理する」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit-products/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2019/JPN/Revit-Collaborate/files/GUID-BC9BB875-C9CC-4C42-A92B-26D1D7117C14-htm.html
*3 Autodesk「Revit Server の動作の仕組み」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit-products/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2017/JPN/Revit-Server/files/GUID-BBAB038E-5DA1-4C7D-B013-39E82EC8B705-htm.html
*4 Autodesk「Revit Server をインストールおよび環境設定する方法」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit-products/learn-explore/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/How-to-install-and-configure-Revit-Server-2014-or-2015.html
*5 上に同じ

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