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【住宅版】BIMソフト「Revit」なら階段設計も簡単!手順や概要をご紹介

一般住宅の設計をする場合、よく登場するのが「階段」です。依頼者の希望も建築基準法も満たす階段を設計するために、設計者は何度も修正しながら作成していきます。

BIM(Building Information Modeling)に対応したソフトを使うと、階段設計図の作成や修正も簡単に行えます。今回はシェア率の高いBIMソフト「Revit」で階段の設計図を作成する方法や、階段の基本情報をご紹介します。

階段を作成する前に知っておきたい基本情報

BIMソフトなら階段の作成も簡単にできる

住宅で人気の階段とその特徴

個人向けの戸建て設計図を作成する時、ほとんどの場合で階段が登場します。住宅で設置する階段にはいくつか種類があり、依頼主は好みや条件に合わせて選んでいます。

・最もポピュラーな「直線階段」
1階と2階を直線で結ぶように設計する直線階段は、専有面積を小さくできるというメリットがあります。また、階段下を1階の収納スペースとしても活用できるため効率が良く、昔から人気の階段です。

最近では家族のコミュニケーションを目的に、玄関付近ではなくリビングに配置する住宅も増えています。

・L字に折れる「かね折れ階段」
階段の途中で折れる階段で、途中に踊り場を配置するのがかね折れ階段の特徴です。万が一2階から落ちても踊り場があるため1階まで滑り落ちず、安全性が高いのがメリットです。

しかし専有面積が大きくなってしまうため、設計する際はいかに無駄を作らず、省スペースな階段を設計できるかがポイントとなります。

・安全性の高い「折り返し階段」
U字に折れる折り返し階段はステップが多い分勾配がゆるやかになり、足腰にかかる負担が軽減されるというメリットがあります。かね折れ階段と同じく落下の危険性を軽減させる効果がありますが、かね折れ階段よりも踊り場の専有面積が広くなるのが注意点です。

階段の設計図作成で登場する名称

BIMソフトで階段を設計する前に、まずは階段の各名称を振り返りましょう。
・蹴上(けあげ)
階段1段あたりの高さを決める部分です。蹴上を低くすると階段の勾配が緩やかになりますが、その分専有面積が広がります。

・踏面
階段を昇り降りする時足を乗せる部分のことで、ステップともいいます。幅が狭いと昇りにくいため、安心して足を乗せられる幅で設計しなくてはいけません。踏面に乗せる板の部分は踏板といい、さまざまな色や素材があります。

・桁
階段の両側から踏板を支えているのが桁で、デザインを変えると階段の雰囲気も大きく変わります。

側桁(がわけた)…階段の両側から踏板を挟むように配置する
力桁…踏板の両側ではなく、真ん中部分だけに配置する
ささら桁…踏板を下から支えるように配置する

引用:LIXIL階段の用語より抜粋
https://www.lixil.co.jp/reform/yougo/setsubi/stairs/04.htm

BIMソフト「Revit」で階段設計図を作成しよう

Revitとは

階段を作成するのにおすすめのBIMソフトに、「Revit」があります。CADソフトウェアで世界的なシェアを持っているAutodesk社が提供しているBIMソフトで、3Dモデリング以外にも施工から管理まで一貫して使えるのが特徴です。

Autodesk社の建築ソフトといえば、AutoCADをご存知の方も多いでしょう。建築業界でCADがメインだった頃メジャーだったソフトで、2次元と3次元の図面を作成できます。

しかしAutoCADはあくまでもCADソフトであり、Revitと違い2次元データを基に図面を作成していきます。

Revitについてはこちらでも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
「5分で分かる!BIMのCADソフト「Revit」とは」
https://www.capa.co.jp/archives/18689

RevitとRevit LTがある

BIMソフトとしてメジャーなRevitは、階段の図面も作成しやすいとユーザーからも評判です。しかしRevitは多機能であるため費用も高く、気軽に手が出るものではありません。

そこでおすすめなのが、「Revit LT」です。Revitよりもコスト効率が良いですが、もちろん階段の図面も作成できます。

以下のように、RevitとRevit LTではかかるコストが5倍以上も変わるのです。※1

・Rebit…¥388,300/年(税込)
・Revit LT…¥77,000/年(税込)

3Dモデリングや3Dビューの作成、建築プロジェクトの設計をメインで使いたいという場合は、Revit LTでも問題なく活用できるでしょう。

Revitでは建設用の設計図書の作成や構造の解析・シミュレーションなどができますが、Revit LTではできません。Revit LTは建築設計者向けとして、Revitユーザーとのファイルやり取りや設計などが行える仕様になっています。

BIMソフトRevitを使った階段の作成方法

今回はRevitを使って回り階段を作成する方法をご紹介します。
①まずはRevitを開き階段ツールを開きます。階段ツールは[建築]タブの中の[階段]パネルにあります。今回はスケッチで階段の設計図を作成していきます。
②スケッチモードになるので、描画パネルでまずは直線階段の設計図を作ります。(後から回り階段として調整していきます)
上記のように、BIMソフトを使うと直感的に階段を作成できるのが大きなメリットです。まるでOfficeソフトで図形を挿入するように操作できます。

③[描画]-[蹴上げ]をクリックして、周り階段の段数と回る部分を追加します。
④[修正]-[トリム]から微調整を行います
境界と蹴上げ線も[トリム]から修正を行い、全体的に微調整しましょう。

⑤階段全体の微調整が終われば、[編集モードを終了]をクリックします。
引用:大塚商会FAQページ「[Revit] 廻り階段の作成方法」
http://faq.mypage.otsuka-shokai.co.jp/app/answers/detail/a_id/195983/~/%5Brevit%5D-%E5%BB%BB%E3%82%8A%E9%9A%8E%E6%AE%B5%E3%81%AE%E4%BD%9C%E6%88%90%E6%96%B9%E6%B3%95

編集モードを閉じると、自動的に上記のような回り階段が作成できています。

動画を見ながら一緒にBIMモデルを作成できる

Revitを提供しているAutodeskは、公式サイトでRevitの操作動画を公開しています。しかし英語バージョンなので、操作ボタンも音声も英語です。興味がある方はぜひRevitのサポートページをご覧ください。
Revitのサポートページはこちら:
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit-products/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2018/JPN/Revit-Model/files/GUID-B1B305DF-8DBE-44A7-A7C6-16B70A3B580E-htm.html

階段の作成にはルールがある

住宅用階段のルール

階段の設計図を作成する時、忘れてはいけないのが建築基準法です。デザインにこだわるとつい無理をしたくなるものですが、かならず階段のルールに沿わなくてはいけません。

一般住宅の階段寸法基準は、以下のようになっています。※2

・蹴上…23cm以下
・踏面…15cm以上
・階段と踊り場の幅…75㎝以上

上記のルールを守ったうえで階段を作成する必要があります。蹴上を高くすれば階段スペースを小さくできますが、当然ながら一段当たりが高くなるので大変危険です。

また、階段の寸法基準はあくまでも“最低レベル”であることも忘れてはいけません。バリアフリーを意識するなら、もっと低くする必要があるでしょう。

踏面も15cm以上とルールがありますが、15cmといえばちょうど千円札の横幅と同じです。成人サイズの靴で考えるとどんなに小さくても20㎝以上はなければ、使いやすい階段とはいえません。

つまり階段設計図の作成者は、以下の事を考えながら設計する必要があります。
・依頼主の希望を満たすようなデザインの階段
・階段基準寸法を満たし、安全性を確保した階段
・スペースを効率的に使い、適切な専有面積でおさまりがいい階段

BIMソフトなら階段の修正も簡単に行えます。2次元データを使わないのでCADより直感的に修正でき、全体のバランスを見ながら微調整するのも難しくありません。

BIMモデルなら建築基準法チェックもできる

国内の建築業界もBIMが進んでおり、今回ご紹介したBIMソフト「Revit」では建築確認申請の図面も作成できるようになりました。※3

実際に建築確認を行った事例も増えており、ますますBIMソフトが活躍するでしょう。事例については、こちらの記事でご紹介しております。
参照:【事例あり】BIMで建築確認ができる!メリットと成功事例をご紹介

【事例あり】BIMで建築確認ができる!メリットと成功事例をご紹介

階段をはじめ設計図の作成も効率化できるBIMソフトは、これからの建築業界に欠かせません。ぜひ活用して、効率的に設計しませんか?

※1:Autodesk公式サイト「Revit と Revit LT の比較」
https://www.autodesk.co.jp/compare/revit-vs-revit-lt
※2:LIXIL「階段の寸法には決まりがあった!基準と上りやすさの比較」
https://www.lixil.co.jp/square/articles/014/
※3:建築知識研究所「近い将来、必ず訪れる建築確認申請図面も「Revit」で、の時代」
https://freedomlab.jp/news/view/201608042

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