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AutodeskとEpic Gamesの提携で利用機会が増えた「Twinmotion」とは?

CG関連製品で最大級のシェアを誇るAutodesk社は、大手ゲームテクノロジ企業との戦略的提携を結ぶことで、これまでにはなかったようなコラボレーションのあり方を模索しています。

今回の提携は、Autodeskユーザーにも大きなメリットをもたらすことが期待されており、中でも「Twinmotion」の利用機会が増えたことは、CG業界に携わる人にとっては大きな変化となるかもしれません。

この記事では、そんなAutodeskとEpic Gamesの提携から生まれたTwinmotionの無料利用の概要や、Twinmotion活用のメリットなどについて、解説します。

目次:

  1. AutodeskとEpic Gamesの戦略的提携について
  2. 両社にある戦略的提携の背景
  3. Revitユーザーの無料利用が可能になったTwinmotionとは
  4. Twinmotion活用で期待できるメリット
  5. Twinmotion活用の今後

AutodeskとEpic Gamesの戦略的提携について

2022年9月、AutodeskとEpic Gamesは、両社間での戦略的提携を締結したことを発表しました*1。2008年以降、AutodeskがEpic Gamesの提供するIntegrated Partners Programに参加し、Autodesk製品とUnreal Engineの統合が可能になったのを契機に、関係構築が進んだ背景があります。

その後の2021年にもプラグインの提供を進め、Autodeskの3DソフトであるMayaからUnreal Engineにリアルタイムでのデータストリーミングが実現するなど、継続的な提携活動が行われてきました。今回の戦略的提携も唐突に締結が決まったものではなく、以前からの関係強化の文脈の中で固まったものだと言えるでしょう。

両社にある戦略的提携の背景

これまでも協業の中でさまざまなプロジェクトを推進してきた両社ですが、今回の戦略的提携には異なる背景が存在しています。

まず、Autodeskが戦略的提携を結んだ理由は、同社の顧客が抱える人材不足の深刻化です*2。人材の獲得コストが高まる中、従来よりも早いペースかつ低コストで業務を遂行するためには、質の高い製品の使用はもちろん、製品間のコラボレーションコストを小さく抑えることも欠かせません。Autodesk製品同士の互換性の強化はもちろん、Autodesk外の製品との連携も強化することで、ユーザビリティを向上する必要性が高まっていたことから、今回の戦略的提携に至りました。

Epic Gamesが戦略的提携を結んだのには、従来よりも革新的なプロジェクトを設計者やエンジニアが迅速に実現できる環境を整備することが背景にあります。製品間のコラボレーションを強化することで、高い生産性を業界関係者に提供し、より高度なプロジェクトの遂行を促せるようになることが期待されます。

Revitユーザーの無料利用が可能になったTwinmotionとは

AutodeskとEpic Gamesの戦略的提携における一つの成果として、大きな注目を集めたのがAutodesk Revitユーザー向けのTwinmotionの無償化です。

Twinmotionは、Epic Gamesが提供するビジュアライゼーションソフトの一種です。同社の主要サービスであるゲームエンジン「Unreal Engine」をベースに採用し、建築や土木分野でのリアルタイムレンダリングを可能にしてくれます。

これまで、Twinmotionの利用には有償のライセンスが必要でしたが、今回の戦略的提携にあたり、Autodeskが提供するBIMソフトであるRevitユーザーに向け、サービス利用が完全無償化されることとなりました*3。

Twinmotionユーザーのさらなる増加につながることはもちろん、Revitユーザーのユーザビリティ改善にも期待が寄せられており、従来より効率的な業務を実現できるでしょう。

Twinmotion活用で期待できるメリット

これまでTwinmotionを利用してこなかったユーザーには、一見すると恩恵がなさそうに思える今回の無償化ですが、Twinmotionの導入メリットをよく理解することで、その可能性をさらに引き出すことができるかもしれません。

Twinmotionの最大の特徴は、リアルタイムレンダリングを採用していることです。プロジェクト内における3Dモデルの表現はもちろん、配置などの概念もリアルタイムに計算しながら反映されるので、常に最終結果を把握しながらモデリングを行うことができます。

静止画はもちろん、映像表現やVR空間の生成にいたるまで、あらゆるグラフィック関連の業務効率化に貢献するでしょう。

また、リアルタイムレンダリングとは別に、パストレーサーと呼ばれる機能もTwinmotionへ新たに追加されました。これはリアルタイムレンダリングとの併用ができないものの、3Dグラフィックにフォトリアルな表現を加え、ディテールをハイエンドなレベルに引き上げることができます。

このように、Twinmotionは各機能を使い分けることで、業務効率化やクオリティの向上に役立てることができる、便利なサービスとなっています。

Twinmotion活用の今後

Twinmotionはすでに高いレベルで活躍している製品ですが、継続的なアップデートも行われており、今後ますます利用価値の高い製品になると期待されています。

大型ディスプレイ向けのコンテンツに最適化された、64K対応の高解像度レンダリング機能の追加や、WebモデリングプラットフォームのSketchfabの統合も予定し、高品質のグラフィック作成がより身近になるかもしれません。

まとめ

この記事では、AutodeskとEpic Gamesの戦略的提携で無償使用が可能となったTwinmotionの概要について、解説しました。Twinmotionはレンダリング関連の機能を多数有している、利便性の高い製品です。

Twintmotionの可能性や今後の拡張性について理解を深めることで、ユーザーレベルで戦略的提携による恩恵を最大化することができるでしょう。

 

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参考:
*1 MOGURA VR「Epic GamesとAutodeskが戦略的提携を発表。Unreal Engineへの高精度建築コンテンツ導入をより手軽に」
https://www.moguravr.com/epic-games-autodesk-strategic-partnership/

*2 CGiNTEREST「Epic と Autodesk がパートナーシップを締結!Revitユーザーは Twinmotion が無料に」
https://cginterest.com/2022/09/28/epic-%E3%81%A8-autodesk-%E3%81%8C%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%92%E7%B7%A0%E7%B5%90%EF%BC%81revit%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%81%AF-twinmoti/

*3 上に同じ

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