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Autodesk Platform Services (旧 Forge)とは?Extensionsも重要!

昨今、遠隔拠点との連携やリモートワークが常態化してきています。
そのため、CADが決まった場所にあるワークステーションでしか操作できないという状況は設計に不都合となることも多くみられます。
場所による制約を解決するためにWebを介してデータの確認や操作を行う機能が求められてきたのです。
この記事ではAutodesk Platform Services (旧 Forge)が生まれた背景や機能の概要、Autodesk Platform Services (旧 Forge)のExtensionsを活用するための情報サイトについてもご紹介します。

Autodesk Platform Services (旧 Forge)が生まれた背景

APS (旧 Forge)が生まれた背景にはCADデータ特有の事情と設計効率化が深くかかわっています。

CADのデータは多くの演算が含まれデータ容量が大きい

ある製品や構造物をCADで設計する際は一つひとつのデータを一定の配置関係で組み合わせなければなりません。
また、部品ひとつに着目した場合も、形状の一部にパラメータをもち簡単に値が変更できるように作られています。

CADのデータは営業の引き合いや構想段階から使われるケースが増えてきているため、最初から完成形状が見えていないことが一般的です。
徐々に設計精度を高めていくためには、CADデータをどのように形状定義するかよく検討する必要があります。
例えば設計要件に当たる箇所に数値を定義して値を変更するだけで形状が追従するようにCADデータを作成しておくと素早く形状が変更できるようになります。

つまりCADデータは、複雑な形状やパラメータなどさまざまな数値データを取り扱うために大規模な演算が欠かせません。

設計効率化を目指しクラウド環境が生まれた

かつて、CADデータ作成と言えば、事務所内のワークステーションで行うものでした。
出張などでノートパソコン上にデータを持ち歩く場合にはビューアーを使ったり形状を一部省略したりと簡易的な形状で持ち運ぶ必要があったのです。

しかしAutodeskのFusion360のように、クラウドでも駆動できるCADが登場することで、データの運用方法は大きく変化しました。
また、設計データはワークステーションで行い、特に時間がかかりCPUやメモリに負荷がかかるCAEの解析についてはクラウド上で行うなど、設計の進め方が選択できるようになっているのです。

APS (旧 Forge)にはCADのビューアーがあり、Webブラウザ上でデータが操作できます。
ただしCADのWebビューアーは以前からあり、営業やデザイン部門、製造工場、顧客などCADがインストールされていない場所でもCADのデータが参照可能です。

Autodesk Platform Services (旧 Forge)の概要

APS (旧 Forge)はAutodeskのクラウドサービスを使うために用いられる開発用のプラットフォームで、2016年に登場しました。
複数のAPIの要素技術を総称したブランド名で、ビューアーや認証機能などWebサービスAPIやフレームワークがあります。

APS (旧 Forge)とはAPIの総称

ソフトウェアは、一般的にユーザーが操作をするGUI(Graphical User Interface)領域と、プログラマが事前に何かの操作のためにプログラムを作成して準備するAPI(Application Programming Interface)の領域に分かれています。
APS (旧 Forge)はGUIとAPIのうち、APIに分類されているのです。

APIとは、異なる開発環境から生まれたふたつのアプリケーションを連携させるため技術です。
複数のモジュールを組み合わせて機能を拡張させるためには欠かせないものといえます。

Autodeskには、AutoCAD360、BIM360、Fusion360のようにクラウドサービスに対応しているものが複数あります。
しかしForgeはAutoCADのWebアプリではないため、AutoCAD のWebアプリやモバイルアプリとは関連しないため、混同しないことが需要です。

APS (旧 Forge)はエンドユーザー向けの機能ではない

APS (旧 Forge)では、Webを介してパブリッククラウド上にインストールされたAutodeskを間接的に利用します。
基本的にツールの開発者が機能を拡張するために活用するサービスで、エンドユーザー向けのサーバーモジュールではありません。

例えば、既にAutoCADのアドインを用いてデスクトップ上で設計業務を自動化している場合は、AutoCAD向けのDesign Automation APIを使うとカスタマイズしている機能がそのままクラウド編集できるようになるのです。

つまり、プライベート領域にサーバーを設けるオンプレミス環境のように、自社環境へ気軽にインストールはできないのです。

AutoCADで使用できるAPIとは
AutoCADのAPIとして、以下のような種類が使用できます。
APS (旧 Forge)はいずれかの言語を活用して制作されているのです。(*1)(*2)

  • ObjectARX(C++標準)
  • JavaScript API
  • AutoLISP(Autodesk独自のAPI)
  • ActiveX(COM)
  • .NET API(.net)

Webブラウザ上で動作するためできることには一定の制限があります。

以下のような分野で機能拡充が可能です。

  • Data Management
  • Model Derivative
  • Design Automation(Revit、Inventor、AutoCAD、Civil 3D、3DS Max)
  • BIM360
  • Viewer
  • Reality Capture

APS (旧 Forge)を使用するメリット

APS (旧 Forge)が優れているのは、ビューアーとしてデータを参照して形を確認できるだけではなく機能を拡張できる点です。
もしAutoCADでカスタムコマンドの作成している場合には、APS (旧 Forge)を用いるとAPIで設計効率化が図れるようになります。

例えば「CADデータの承認機能」を追加すれば、今まで紙図面やpdfで行っていた検図や承認がデジタルでできるようになり、作図レスでのモノづくりが可能になるかもしれません。

ほかにもAPS (旧 Forge)を用いると、以下のような操作がWeb上で行えるようになります。
一定の形状をパラメータで作成する作図補助機能
パターンなど反復タスクの自動化
Exportして登録されている図面内の情報の呼び出し

AutodeskのAPS (旧 Forge)の機能について詳しくは「APS (旧 Forge)で出来る事と活用例」で解説しているので、興味のある方はぜひご参照ください。

Autodesk Platform Services (旧 Forge)を活用するための情報サイト3選

APS (旧 Forge)を拡張する場合には、何もない状態から作成することも可能ですが、Extensions(機能拡張)を活用すると便利です。
ここではすぐに情報が取得できるサイトを3つピックアップしてご紹介します。(*3)

Forge Platform

AutoCADの GitHub リポトロジ(収納庫)領域には、多くのソースコードがあります。
Forgeの場合「Forge Platform」にさまざまなAPIが掲載されているのです。(*4)

JavaScript・C#・Java・HTML・Pythonなど、言語ごとに使用できるAPIが公開されているため、機能概要を踏まえて必要なものが選択可能です。
使いたい機能を任意の言葉で検索することもできます。

Autodeskヘルプページ

AutodeskのヘルプページにもAutodesk ForgeのExtensionsについて記載がある箇所があります。
使いたいExtensionsが決まっていて、具体的なコマンドや挿入位置を確認したい場合などに便利です。(*5)

Autodesk University:便利でクールな Forge 駆動アプリケーション10選

参加費無料のイベントAutodesk Universityでは、アーカイブが残っていることがあります。
トピックや業態、年度ごとに情報が検索できますが、APS (旧 Forge)について知りたい場合には活用してみるのがおすすめです。(*6)

まとめ

APS (旧 Forge)とは、AutoCADなどAutodeskの製品の機能を拡張するためのAPI(Extensions)です。
使いたい言語や機能を選ぶと、既存のシステムとAutodesk製品が連携できるようになります。
関連情報を参考にしながらWebブラウザ上で使える機能を増やすことで、より便利な設計環境を構築しましょう。

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*1 https://www.autodesk.com/autodesk-university/ja/class/Forge-rotomatsufu-2020#presentation
*2 https://www.autodesk.com/autodesk-university/ja/class/bianlitekuruna-Forge-qudongafurikeshiyon-10-xuan-2020#presentation
*3 https://forge-extensions.autodesk.io/
*4 https://github.com/Autodesk-Forge
*5 https://aps.autodesk.com/en/docs/viewer/v6/tutorials/extensions/
*6 https://www.autodesk.com/autodesk-university/ja/class/bianlitekuruna-Forge-qudongafurikeshiyon-10-xuan-2020

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