Clover、GoogleHome、AmazonEcho サードパーティが有利なのは?
2017年秋、とうとうAmazon Echoが日本市場で発売されました。
GoogleのGoogle HomeもAmazon Echoの発売直前に日本市場での販売をスタートしています。
AmazonEchoはアメリカの市場のAIアシスタント付きのスピーカー市場をあっという間に席巻してしまったという経緯があります。
その理由の一つが、「スキル」と呼ばれる外部サービスとの連携を含むサードパーティーによる外部機能の追加を重視しているからです。
Amazon Echoの武器は豊富な「スキル」
Amazno Echoが持つAIアシスタントの「Alexa(アレクサ)」は、様々な外部サービスとの連携や、独自の機能をサードパーティーが開発しています。
その機能は「スキル」と呼ばれ、一足先に公開されたアメリカでは、Alexaのスキルを使ってUberを配車したり、ピザのオーダーができるようになっています。
アメリカでのAlexaのスキルは、2017年9月時点で2万を超えて、圧倒的な数となりました。
そして、日本市場で発売されたAmazon Echoに搭載されるAlexaにも、発表当初から100社250以上のスキルが準備されているのです。
もちろん、スキルが多ければ優れたデバイスということではないのですが、Amazon Echoが日本市場でも、急速に広まる可能性の要因と考えて間違いはないでしょう。
開発キットの無償提供と多デバイス対応がAmazonの戦略
AmazonはAlexaのスキル開発のためのAlexa Skills Kitを無償で公開して、スキルを様々なユーザが作成できるようにしました。
日本でもチュートリアルやサンプルコードを含めて日本語のコンテンツがすでに公開されているので、個人でもAlexaのスキルを開発できる状況にあります。
そして、それに加えてAlexa Voice Service(AVS) Device SDKを無償公開してAlexaを搭載したデバイスを積極的に増やそうとしています。
AVS Device SDKはプレビューの段階からさまざまな企業に公開されていて、macOSを含むLinuxやRaspberry Piなどに組み込むためのサンプルプログラムも公開されています。
Google Homeのサードパーティーアプリはどうなの?
Google Homeの開発環境「Actions on Google」は、Google Homeの日本発売とほぼ同時に日本語版の提供が始まりました。
残念ながら、日本語版の一般公開が遅れたためか、当初から公開されれているGoogle Homeのサードパーティーアプリは「Ameba、SUUMO、絶対音感オーケストラ、食べログ、トクバイ、なみある?、日本史語呂合わせ、ベストティーチャー、ホットペッパーグルメ、Yahoo! MAP、楽天レシピ 」と、11種類にとどまっています。
Googleは、今後スピーカー以外のデバイスにもGoogleアシスタントを導入する予定としていて、戦略としてはAmazonと同様のようです。しかし、スキル数や対応デバイスでは大きく水をあけられているところをGoogleがどう挽回するかが注目ポイントです。
LINE Clovaは、公式機能のみ
対するLINE Clovaは、開発キットなどを一般に公開する戦略は取っていません。
LINEにももちろん「スキル」に該当するような外部連携の機能は存在していますが、すべてLINEが公式機能として提供する形をとっています。
というのも、Amazon Alexaのスキルは本国では2万を超えていますが、実はその中にはあまり実用的ではないスキルも多く存在しています。
数が多すぎると選ぶのが大変になるので、AppleのAppStoreのように、きちんと精査した機能のみを提供するというLINEの戦略もあながち間違いではないでしょう。
というのも、特に日本人の性質は欧米と違い、未完成のアプリ(スキル)を使いながら育てるというより、完成されたサービスを好む風潮があります。そのために、LINE Clovaの完成した機能のみをユーザに提供するという戦略の方が日本人にマッチしているとも言えるかもしれないのです。
AIアシスタント戦争、これから発売のAppleはどう出るか
日本市場でもAmazon・Google・LINEのそれぞれAIアシスタント付きスピーカーの販売が開始され、徐々に話題となっています。
そんななか、AppleのHomePodだけがまだ未発売です。実際にAppleは、HomePodをどんな戦略で普及させようとするかが非常に楽しみです。