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AI LoRAとは?画像生成の品質が上がるLoRAファイルの使い方と作り方

「白い猫」や「女の子」など、プロンプトをテキスト入力するだけで画像を生成してくれるのが、画像生成AIです。
もうすでに使っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、すぐに思い通りの画像が生成されるとは限りませんよね。
日本人女性をイメージしていたのに明らかに外国人風だったり、腕や指の数がおかしかったりと、不条理な画像が生成されることもあります。

また、イメージ通りの画像にするには、プロンプトを少しずつ変えて何度も試し、最適なプロンプトを作る必要があります。
こういった時間のロスをなくし、画像生成AIの品質を上げるための仕組みが「LoRA」です。
LoRAを使って、思い通りの画像を短時間で生成していきましょう。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

1.AI LoRAとは何か
2.AI LoRAを使った画像生成のやり方と実証結果
3.ブラウザでできるAI LoRAの使い方と作り方

AI LoRAとは?

LoRAとは、AI生成画像の追加学習システムのことです。(*1)
もっと簡単に言うと、AIで作成する画像のテンプレートのようなものです。

画像生成AIを使ったことはあるでしょうか?
最初に、テキスト入力でプロンプト(こんな画像を生成したいという指示)を入力するのですが、ゼロから画像を作るとなると、どんなふうに入力すればいいのか迷いますよね。

そこで、真似したい画像の「LoRAファイル」を使うと、そのお手本画像に近い画像が生成できるようになります。

例えば、「赤い髪で三つ編みをした女の子」の画像でLoRAファイルを作るとします。
このLoRAファイルを使うと、プロンプトに毎回同じ内容を入力しなくても「赤い髪で三つ編みをした女の子」の画像を生成することができます。

AI LoRAを使った画像生成のやり方と実証結果

それでは、実際にLoRAを使って画像を作ってみましょう。(*2)
今回は、ブラウザで使えるAI生成画像サイト「SeaArt」を使います。

1.ホーム画面から、イメージに近い画像を選びます。

画像引用:SeaArt

2.好みの画像を見つけたら、右上の「創作」をクリックします。


「創作」の画面に移動します。

右側に表示されているのが、今の画像に使われているLoRAです。

クリックするとLoRAの詳細が表示されます。

このLoRAは「JapaneseDollLikeness (v1.5)」です。(*3)

実写風の画像を生成するLoRAで、特に日本人の女性の特徴を強く出すように設定されています。

3.次に、LoRAの割合を調節したり、プロンプトを編集して理想のイメージに近づくよう微調整します。

今回は、プロンプトの「ドレス」を「セーラー服」に変えてみました。

4.調整が終わったら、紙飛行機マークの生成ボタンをクリックします。

生成完了です。

女性モデルの外見はそのままに、服をドレスからセーラー服に変えることができました。

AI LoRAがブラウザで使える画像生成AI「SeaArt」の使い方

「SeaArt」を利用するにはユーザー登録が必要です。
ユーザー登録をすれば、毎日200スタミナ(当日のみ使えるポイント)が加算されます。(*4)
画像生成は、1枚につき4~10ポイントほど消費します。

画像生成に必要なポイントは、プロンプト欄に表示されます。
ポイントの消費数はプロンプトによって毎回違うので、残りポイントを確認しながら使いましょう。
現在の残りポイントは、アカウント画面で確認できます。

画像引用:SeaArt

AI LoRAはどんな種類がある?

投稿サイトでは、個人が作成したさまざまなLoRAがシェアされています。
どんな種類があるのか簡単にご紹介します。

好みの画像を生成するためのAI LoRA

日本人女性や韓国人女性など、それぞれの特徴を持った画像を生成できるLoRAや、アニメキャラの雰囲気に似せた画像を生成できるLoRAなどがあります。

これらのLoRAはほとんどが個人の作品です。
利用する前に、どこまでの利用が可能なのかライセンスを確認しましょう。

ライセンスは、LoRAの詳細ページに記載されています。

画像引用:SeaArt

「JapaneseDollLikeness (v1.5)」の場合は、「商業利用は不可ですが、他モデルと統合して自作するのは可能」ということになります。

生成画像の品質を上げるためのAI LoRA

画像生成にチャレンジしたとき、モデルに腕が二本あったりして、ぎょっとしたことはないでしょうか。
こういったありがちな間違いをあらかじめ大量に学習させて、生成時に避けるよう指定できるのが「sdxl-wrong-lora」です。(*1)

「sdxl-wrong-lora」は、AI画像生成モデル「Stable Diffusion XL 1.0(SDXL 1.0)」で使うLoRAです。
画像生成時に「sdxl-wrong-lora」を使い、ネガティブプロンプトにトリガーワード「wrong」を入力すると、あらかじめ学習した間違いを避けた画像が生成されます。

AI LoRAの作り方

誰かが作ったLoRAはたくさんありますが、自分のイメージ通りのLoRAを探すとなると、時間がかかりますよね。
そこで、明確なイメージがある場合は、自分でLoRAを作ってしまう方が時間短縮になります。

例えば、ある特徴を持つアニメキャラAの画像でLoRAファイルを作るとします。

・作りたい画像のイメージ画像を、複数パターン準備する(バリエーションが多いほど学習が精密になる)
・画像生成AIにイメージ画像を読み込む
・画像生成AIでLoRAファイルを作成する

これで、「アニメキャラAのLoRA」が作成できます。
このLoRAを使うと、毎回プロンプトに細かな特徴を入れなくても、アニメキャラAの特徴を持った画像を生成することができます。

SeaArtでのAI LoRAの作り方(有料)

先ほどご紹介した画像生成AI「SeaArt」でも、LoRAを作ることができます。

LoRAファイル作成には、270スタミナ(ポイント)が必要になります。(2023年10月18日現在)
無料登録でも1日で200スタミナが付与されますが、次の日に持ち越しができません。
LoRAファイルを作成したい場合は、有料登録して追加のスタミナを購入しましょう。

また、LoRAファイルは参考画像を9枚以上アップロードして作成します。
あらかじめ準備しておくとスムーズです。

・SeaArtでのLoRAファイルの作り方(*2)
1.ホーム画面で「モデル&トレーニング」をクリックします。
2.「データセット作成」をクリックします。
3.データセットの名称を入力し、種類を選びます。
4.参考画像を9枚以上アップロードすると、LoRAファイルを作成できます。

画像引用:SeaArt

好みのAI LoRAの探し方

イメージがはっきりしていない場合や、とりあえずLoRAを使ってみたい場合は、好みのLoRAを探してみるのもおすすめです。
好みのLoRAファイルを探すには、「Civitai」などの生成画像コミュニティサイトで検索してみましょう。(5)(6)

Civitaiは、画像生成AI「Stable Diffusion」で作成した画像の投稿サイトです。
Stable Diffusionで作った画像を投稿したり、他の人が作った画像のプロンプトやLoRAをチェックすることができます。

気に入った画像を見つけたら、クリックして開いてみましょう。

画像引用:Civitai

右側の「使用されるリソース」から、「LoRA」の項目をクリックします。

すると、この画像に使用されているLoRAファイルのページが開きます。

このLoRAは、タロットカード風のフレームを入れられるLoRAでした。

このLoRAを使って画像を生成すると、元画像と同じように、タロットカード風のフレームをつけた画像を生成することができます。

AI LoRAを使う際の注意事項

LoRAファイルは、個人がインターネット上から好きな画像を選んで作ることもできます。
例えば、有名作家の画風を学習したLoRAや、芸能人の特徴を学習したLoRAも作れてしまいます。
つまり、著作権などの権利を守るかどうかは、個人に任されている状態です。

一部ではLoRAの売買も検討されていますが、違法なLoRAを売買できないようにする仕組みがまだないため、実現するのはまだ先のようです。(*7)
LoRAファイルを利用するときは、著作権や肖像権などを侵害しないよう注意しましょう。

まとめ

画像生成AIで、新しい楽しみが増えた方もいるのではないでしょうか。
一方で、思い通りの画像が出力されにくかったりと、画像生成AIの使い勝手は満点とは言い難いのが現状です。
生成したい画像のイメージが明確な場合は、あらかじめ学習したLoRAファイルを使って時間を短縮しましょう。
投稿サイトでは、画像のタッチや雰囲気を変えるLoRAも豊富にシェアされています。
いろいろなLoRAを試して、理想の一枚を作ってみてくださいね。

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◆参考URL

*1 GIGAZINE『画像生成AI「Stable Diffusion」に「悪い例を集めたLoRA」を組み合わせて高品質な画像を生成する手法が登場、簡単に試せるデモも公開されたので試してみた』
https://gigazine.net/news/20230823-stable-diffusion-xl-wrong-lora/

*2 カメラを構えて『【画像で解説】SeaArt AIのLoRAとは?使い方や作り方を解説!』
https://camerawokamaete.com/seaart-ai-lora/

*3 「『JapaneseDollLikeness』の使い方を紹介!商用利用はできる?」
https://romptn.com/article/8440

*4 SeaArt「シーアートショップ」
https://www.seaart.ai/mall

*5 Civitai
https://civitai.com/

*6 note「StableDiffusionで使用する「LoRa」解説」
https://note.com/hina8_ai/n/nc579b5888190

*7 ITmedia NEWS『LoRA販売も目指すAI作品投稿サイト、運営元が謝罪 「権利保護の体制が不十分だった」』
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/06/news175.html

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