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AIが3Dモデルを自動設計!Fusion 360のジェネレーティブデザイン機能の使い方

「パーツの設計案を、AIが出してくれればいいのに」
お仕事中、こんなふうに思ったことはないでしょうか?
Fusion 360のジェネレーティブデザイン拡張機能を使うと、AIと機械学習をもとに、ソフトウェアが自動でいくつもの設計案を提案します。

この記事では、Fusion 360の拡張機能「ジェネレーティブデザイン」についてご紹介します。
使い方や購入方法も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

1.Fusion 360のジェネレーティブデザインの機能
2.Fusion 360のジェネレーティブデザインの使い方
3.無償体験版の利用と製品版の購入方法

Fusion 360 ジェネレーティブデザインの機能

Fusion 360の「ジェネレーティブデザイン」とは、AIと機械学習を使ったデザインの補助機能のことです。(*1)
条件を入力すると、それに合ったデザインを生成することができます。
ここでは、機能の特徴をくわしく見ていきましょう。

複数パターンの設計案を自動で生成する

パーツの軽量化を検討するとき、どうすればよりコストを削減できるでしょうか?
金属パーツなら、フレーム自体に穴を開けていって金属の使用量を減らし、軽量化する方法があります。

しかし、荷重のかかる部分は薄くできないし、ネジ穴の部分も避けなければならない……。
こうして考えていくと、設計変更の検討はかなり時間のかかる作業です。

Fusion 360のジェネレーティブデザインは、短時間でいくつもの案を提示します。(*1)
設計担当者は、複数の設計案の中から最適なモデルを選択することに集中できます。

最適なモデルを選択する機能も

ずらりと並んだモデルの中から、どうやって最適モデルを選択すればいいでしょうか?

生成されたモデルを検討する場合、複数のフィルターで絞り込むことができます。(*1)
デザインの見た目や設計コンセプトでフィルターを作れるので、条件を絞って選択できます。

CADへのエクスポートも可能

Fusion 360のジェネレーティブデザインでは、モデリングまで行います。(*1)
3Dモデルで確認できるので、形状がわかりやすく、使えそうかどうかの判断がしやすくなります。

生成されたモデルは、CADへのエクスポートが可能です。
エクスポートされたモデルは、モデリング環境で編集できるので、すぐに形状を変更することができます。
一つのソフトウェア内で作業が完結できるので、作業時間が大幅に短縮できますね。

PCの性能を気にしなくていい

今までなら、このような高性能な設計補助機能は、ある程度のマシンパワーがないと動作しないというデメリットがありました。

Fusion 360のジェネレーティブデザインのモデル生成は、Fusion 360のクラウドソリューションで行われます。(*1)
クラウドを利用できるので、PCの性能に左右されることなく、高度な機能が利用できます。

aPrioriを使ってコストの見積りができる

素晴らしいパーツが生成できても、現実的なコストでなければ採用できませんよね。
Fusion 360のジェネレーティブデザインは、製造原価シミュレーションソフトの「aPriori(アプリオリ)」を利用して、コストの計算ができます。(*1)

aPrioriは、アメリカに本社があるソフトウェア開発企業が開発した、コストシミュレーションソフトウェアです。
Fusion 360のジェネレーティブデザイン拡張機能では、aPrioriを使って製造コストを計算することができます。

Fusion 360のジェネレーティブデザインの使い方

ジェネレーティブデザインの機能はイメージできましたでしょうか?
ここからは、Fusion 360のジェネレーティブデザインの使い方を簡単に見ていきましょう。

保持ジオメトリを設定する

まずは、設計変更したいパーツを、Fusion 360で表示します。
パーツが表示できたら、保持ジオメトリの設定を行いましょう。(*2)

保持ジオメトリとは、「ここだけは変えてはならない」部分です。
例えばネジ穴など、他のパーツと組み付ける箇所や、力が加わる部分のことです。
この部分はどれだけデザインが変わっても変更してはいけないことを、一番最初に設定しておきましょう。

障害物ジオメトリの設定

次に、障害物ジオメトリの設定を行います。(*2)

障害物ジオメトリとは、「ここは空けておきたい」スペースのことです。
他のパーツとの組み付け部分や、パーツの可動域を設定しましょう。
ハンドルやペダルなら、動かしたときに他のパーツと干渉しないようにしなければなりませんよね。
障害物ジオメトリに設定しておくと、あらかじめ避けて設計されます。

また、組み立て時の工具のスペースも設定できます。
いざ組み立てとなった時に、入り組んだ箇所に「工具が入らない!」といった事態を避けることができます。

荷重と拘束の設定

次に、荷重と拘束の設定を行います。(*2)
力を加えたとき、固定しておく箇所と、力を受ける箇所を設定しましょう。

「荷重」は力のかかる部分で、「拘束」は荷重がかかっても動かない部分です。
拘束を設定することで、荷重に力がかかったとき、効率よく動くようになります。

素材・製造方法・目的の設定

デザイン部分の設定が終わったら、製造方法の設定を行います。(*2)
まずは素材です。プラスチック、アルミニウム、鉄、ステンレス、チタンなどから選択しましょう。
材質ごとに生成されるモデルが変わるので、いろいろなデザインが見たい場合は、全てを選択しましょう。

次に、製造方法を設定します。(*3)
フライス加工、ダイカスト加工、2.5軸加工などから選択しましょう。
ここで選択した製造方法は、製造コストの見積りや安全率に反映されます。

最後に、設計の目的を設定します。
安全性の向上・軽量化のどちらかを目標として選択しましょう。
以上で設定は完了です。

最適なモデルを選んでCADにエクスポート

設定が完了し、モデルが生成されました。
ここからは、生成されたモデルから、最適なモデルを選んでいきます。

3Dモデルでずらりと表示されるので、まずはデザインをチェックしてみましょう。
製造方法などでフィルターをかけて絞り込むことができます。(*3)
また、安全率や質量をグラフ化して選ぶこともできます。

モデルを選んだら、CADデータに出力しましょう。
生成されたモデルは、ソリッドモデルでエクスポートできます。
ソリッドモデルは自由に編集できるので、ここからさらに改良を加えていきましょう。

Fusion 360では、ソリッドデータを解析できます。(*4)
設計から構造解析計算までを一つのソフトウェアで完結できるので、作業効率が上がりますね。

Fusion 360のジェネレーティブデザインの購入方法

Fusion 360のジェネレーティブデザインは、Fusion 360の拡張機能として購入できます。
支払い方法はサブスクリプションで、1か月と1年のプランがあります。(*1)(2023年11月22日時点)

Fusion 360 Generative Design Extension 1ユーザーの価格
・1年 191,360円
・1か月 191,360円

Fusion 360をお持ちでない方は、Fusion 360の購入が必要です。
Fusion 360の価格はこちらです。

Fusion 360 1ユーザーの価格
・1年 71,500円
・1か月 8,800円

無償体験版はすべての機能が使える

Fusion 360の無償体験版は、拡張機能も合わせたフルバージョンを利用できます。
体験版の利用期間は、14日間です。
2週間の間にじっくり機能を試して、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

AIを使うと、思いもよらなかったアイデアを得ることができます。
パーツの軽量化や安全性の向上にはある程度のパターンがありますが、それでもまだまだ新しい設計案があるはずです。
ジェネレーティブデザイン機能の力を借りて、新しいアイデアを検討してみてはいかがでしょうか。

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◆参考URL

*1 AUTODESK『FUSION 360 GENERATIVE DESIGN EXTENSIONの機能』
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/generative-design-extension?term=1-YEAR&tab=subscription

*2 YouTube Fusion 360 Japanチャンネル『Fusion 360 ジェネレーティブデザイン講座 パート 1 「概要編」』
https://www.youtube.com/watch?v=V52WYQmTYow

*3 MONOist 『「Fusion 360」のジェネレーティブデザイン機能を使ってみよう』
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1908/19/news013.html

*4 MONOist『電動RCカーのバンパー部品をジェネレーティブデザインで設計する』
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1909/18/news005.html

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