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クリエイティブな未来へ! 画像生成AIの可能性とは?

皆さんがご存じの通り、昨今のAIは目覚ましい発展を遂げています。2023年5月に行われた広島サミットでも議論が交わされるなど、「生成AI」は世界で注目を集める存在となっています*1。
この流れは各分野でAIの適用が進み、社会全体に影響を与えるポテンシャルを示しています。

さらに私たちの生活を豊かにするため、または新たな課題解決の手段としてAIがどのように活用できるかが求められています。
特に画像生成AIはその一例として注目を集めています。AIは今後どこへ向かい、どのような役割を担うのか。この点について、画像生成AIに焦点を当てて考えていきます。

この記事でわかること
・生成AIとは
・画像生成AIを用いたビジネス
・AIの展望
・懸念点

生成AIとは

生成AIとは人工知能の一種で、与えられたデータから新しいコンテンツを生成することができる技術です。最大の特徴は「新しいコンテンツを作成することができる」点です。
従来のAIは文字認識や画像認識、需要予測入力など入力されたデータに対して正解か不正解かを識別、予測するのが主な用途であり、新しいものや価値を生み出すことはできませんでした。

一方で生成AIはクリエイティブな創造が可能になりました。すでに様々な分野で活用されており、その一つに「画像生成」があります。

代表的なものにイギリスのStability AIが開発した「Stable Diffusion」があります。Stability AIはこの高性能画像生成AIを無料でかつ商用可能なライセンスのもとで提供を開始したことで話題になりました。

ユーザーが入力したテキストから画像が生成されるため、だれでも簡単に作成することができます。
このように利用ハードルが下がったことにより、画像生成AIはデザインやアート作品の自動生成をはじめ多様なジャンルで役立つことが期待されています。

ビジネスへの応用

画像生成AIをビジネスで活かそうとする動きも出ています。例えば、LINE株式会社はコミュニケーションアプリLINEにおいて、プロのカメラマンに撮影してもらったかのような自分のビジュアルイメージをAIが生成する「AIポートレート」の提供を開始しました*2。

またホープリヴス株式会社はAIインフルエンサーマーケティング事業「AIキャスティ」をスタートしています。インフルエンサーマーケティングとはSNSのフォロワーが多い有名人と契約をして商品やサービスなどのプロモーションをしてもらうことを指しますが、この有名人役をAIに任せるのです。

AIインフルエンサーは仮想的な存在ではありますが魅力的なインフルエンサーとしてリアルな日常を投稿し、従来のインフルエンサーと同等以上のマーケティング効果を最大化するのが狙いです。

人件費がかからず、商品や空間との融合広告、オリジナル人物生成も可能で、各種企業案件に対応できることから広告コストの削減が期待されています3。 さらに広告分野ではバナー広告を画像生成AIで作成した画像に変更したところCTR(クリック率)が約1.8倍に上昇した企業も出てきています4。

Goldman Sachsによると生成系AIによって世界のGDPが7%増加し、生産性の伸びが10年間で1.5パーセントポイント上昇すると予測されており、このことから画像生成AIを使ったビジネスは今後も伸びていきそうです。*5

画像生成AIの未来

AIによる画像生成の将来はどうなるでしょうか。筆者は画像が大量に必要なビジネスにおいて、そのコストが劇的に下がると考えています。

例えばインテリアデザインやファッションデザインではラフ案作成に使えます。生成AIは一つのキーワードから多数のコンテンツを短時間で生み出すことができますし、生成された画像に対して微調整を加えることでバリエーションを増やすことも可能です。

クリエイターがAIをアシスタントとして使用することによって新たなアイデアが必要になる分野において作業効率が上がるでしょう。
それに付随して「イラストレーターやアシスタントが不要になるのではないか」と言われることもありますが、それが実現するにはもう少し時間がかかると思います。

確かに生成される画像のクオリティは高いですが、それでも完ぺきではなく、最終的には人が手を加えなければ高いクオリティのものにはならないからです。また画像生成AIがさらに進歩して完ぺきな画像を生成することになっても、イラストレーターやアシスタントの人が職を失うことはないでしょう。

それではどうなるのか。イラストレーターやアシスタントの役割を担っていた人たちはビジュアル面の進行や質の管理を取り仕切るアートディレクターのような働きを求められると考えています。

AIに仕事を奪われるのではないかと心配する人もいるかもしれませんが、画像生成AIはクリエイターにとってクリエイティブな部分の質の向上に使えます。現状ではAIに対して敵意を向けず、優秀なパートナーとして使いこなすことが必要でしょう。

またAIが画像検索に取って代わられるのではないかと予測する人もいます。例えばPowerPointで資料を作成する際、スライドの文章をAIに読み込ませただけでそれにふさわしい図が生成されたらあなたはどう思うでしょうか。

今後はAIを利用して特定の画像を要求するとAIが内容を理解し、適切な画像を探してくれるようになるでしょう。
調べ物をする際の手段がGoogle検索からインスタグラムでの検索へシフトしたように、画像検索から画像生成へ変わっているかもしれません。*6

画像生成がもたらす危険性

誰もが手軽にプロのイラストレーターや写真家が手掛けたかのような画像を生成し、入手できるようになったわけですが新たな問題も出てきています。

その一つが画像生成AIで作成されるフェイク画像です。2023年9月、静岡県で記録的な豪雨に見舞われた際、ネット上で水害のフェイク画像が拡散されました。フェイクとは知らずに拡散してしまった人が相次いだことから、AIが生成する画像は人間が一見しただけでは識別できないことが浮き彫りになりました。

またクリエイターは著作権について気を付けなければなりません。
STORIA法律事務所の柿沼太一弁護士はAIが出力したものに著作権は発生するのかという問いに対して『人間が加工するなどの手を加えなければ発生しません。ただ、加工を加えた場合や、イメージに近づけるために具体的な指示を繰り返して画像を生成した場合は、加工や指示をした人に著作権が生じると考えられます。

いわゆる「著作権フリー素材」と同じような感覚で捉え、ほかの人がAIで生成した画像を使えると考えている人もいるかもしれませんが、著作権がある前提できちんと許可を得るなど適切に対応する方が安全です。』と話しています。*7
このように生成AIを利用する際は法的な問題に十分配慮し、必要に応じて専門家にアドバイスを求めることが重要になってくるでしょう。

まとめ

昨今のAIの発展は著しく特に「生成AI」は注目を集めており、画像生成をはじめとする多くの領域で活用されています。

識別や予測を目的としていた従来のAIとは異なり、自らアウトプットを行う「生成AI」。作業の効率化やアイデア創出のサポートなど便利な側面もある一方で、画像生成AIをめぐる法的・倫理的問題は山積している状態です。

画像生成AIが健全に成長できるような環境を整備し、利用者も法的・倫理的により安全なものを選ぶことが大切になってきます。そうすれば画像生成AIの発展は今後も続き、新たなビジネス機会を生み出すに違いありません。

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■参考サイト
*1 G7首脳、「ヒロシマAIプロセス」で生成AIをグローバルに規制へ
https://texal.jp/2023/05/21/g7-leaders-to-regulate-generative-ai-globally-in-the-hiroshima-ai-process/

*2 LINE「AIポートレート」の提供開始。プロ撮影のスタジオ写真のようなビジュアルイメージをAIが作成
https://aismiley.co.jp/ai_news/line-aivisual-image-aiportrait/

*3 ホープリヴス、AIインフルエンサーマーケティング「AIキャスティ」の提供開始
https://aismiley.co.jp/ai_news/marketing-aicasty/

*4 「画像生成」でマーケ激変?Facebook広告でクリック率1.8倍
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00719/00001/

*5 Generative AI could raise global GDP by 7%
https://www.goldmansachs.com/intelligence/pages/generative-ai-could-raise-global-gdp-by-7-percent.html

*6 「これは世界を変える」画像生成AIブームの火付け役が見出した、その可能性
https://signal.diamond.jp/articles/-/1403

*7 「生成AI」のリスクや注意点 最低限これだけは気を付けて
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230530/k10014082451000.html

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