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生成AIの登場でデザイナーの役割はどう変わる?有効活用の可能性

生成AIの登場は作業労働だけでなく、クリエイティブな職に携わるデザイナーの人たちにとっても脅威となるテクノロジーという議論ももたらしつつあります。

生成AIは便利なツールですが、具体的にどのような点でデザイナーにとって脅威となり、どのように技術と向き合うべきなのでしょうか。この記事では、そんな生成AIの登場が各業界のデザイナーに与える影響や、生成AIの登場でデザイナーの役割はどのように変化していくのかについて、解説します。

目次:

  1. 生成AIについて
  2. 生成AIにまつわる懸念
  3. 生成AIの登場がデザイナーに与える影響
  4. デザイナーは生成AIをどう活用すべきか
  5. 生成AI時代に求められるデザイナーのスキル

生成AIについて

生成AIはジェネレーティブAIとも呼ばれる高機能AIのことで、学習したデータと指示された命令をもとに、最適なアウトプットを出力してくれる技術です。

生成AIはすでにあらゆるコンテンツの生成に特化したサービスが登場しており、テキストや画像、動画、音声など、そのバリエーションは多様です。最も有名なのがテキスト生成AIで、OpenAIのChatGPTやMicrosoftのBingなどは、生成AIの存在とポテンシャルを世に知らしめています。

これらのAIはチャットボット形式で利用ができ、自然言語で指示を出し、文章の要約や会議の文字起こし、翻訳、さらにはプログラムの生成に至るまで、あらゆる業務を任せることができます。

最近では音声入力と生成AIを組み合わせ、まるで人間に指示を出すような感覚でAIを利用できるようになっていることから、今後人間の働き方を大きく変化させるようなインパクトを有している技術です。

生成AIにまつわる懸念

生成AIが優れている点として、短時間で多くのアウトプットができることや、人間から得られないクリエイティブなアイデアが得られること、24時間いつでも利用できることなどが挙げられますが、一方で利用に際しては懸念点もあります。

その最たる例とも言えるのが、生成AIが人間の仕事を奪うのではないかという懸念です。現状、いずれの生成AIサービスも完璧なアウトプットができるわけではなく、その出力内容については改善の余地もあります。

しかしそのような改善の余地は今後数年で簡単に埋められる可能性があり、その結果、人間の仕事の大半はAIに取って代わられるのではないか、という危惧が高まっているのです。

ChatGPTの活躍により、事務作業やテキスト作成関連の業務はすでに人間からAIに置き換わっている現場は増えつつあります。また、最近では画像生成AIの進化も著しく、中国ではアニメーターが次々と解雇され、AIに業務が置き換わっているというニュースも話題を集めました*1。

そのため、生成AIの運用は手放しに喜べるものではなく、場合によっては自分の仕事を奪ってしまう可能性があることも理解しておかなければなりません。

生成AIの登場がデザイナーに与える影響

AIの登場はクリエイティブな業界における悪影響は小さいと言われてきましたが、実際にはそんなことはなく、上でも紹介したようにすでにアニメ業界などで存在感を発揮しつつあります。

それでは、各業種においてデザイナー職を担う人たちにとってはどのような影響を及ぼすのでしょうか。Webデザイナーやプロダクトデザイナーなど、世の中には多様なデザイナー職がありますが、いずれの現場においても近い将来、AIを積極的に活用する可能性は高いと言えます。

デザインの現場で生成AIが存在感を発揮している例としては、ジェネレーティブデザインの普及が挙げられます。ジェネレーティブデザインは、デザイナーがマシンに対して設計要件を入力するだけで、その要件に応じた最適なデザインアイデアを短時間でいくつも生成してくれるという技術です。

デザイナーはジェネレーティブデザインによって生まれたアイデアから有望なものを選び、修正を加えるだけで質の高いデザインを用意できるため、従来に比べてはるかに高度な生産性を実現できます。

一つのデザインを生み出すのに多くの時間を費やしていたのが、ジェネレーティブデザインの登場により、短期間で複数のアイデアを生み出せるようになったのは、革新的な変化と言えるでしょう。

ジェネレーティブデザインはすでに自動車や航空宇宙業界といった最先端の業界でも導入が進んでおり、ゆくゆくはあらゆるデザイン業務で採用されることとなるかもしれません。

デザイナーは生成AIをどう活用すべきか

このように、生成AIがデザイナーの業務に与える影響は大きく、生産性向上を大幅に進めるのみならず、デザイナーという職業が消滅してしまう可能性もあるほどです。

万能とも思える生成AIですが、ここで考えるべきは生成AIもあくまでツールの一種であり、完全に人間のデザイナーに置き換えることは難しいという点です。生成AIに任せれば無限にアイデアを生成し、質の高いデザインを短時間で仕上げてくれますが、その良し悪しを判断するのは人間であるため、デザインの知見が豊富なデザイナーの存在は欠かせません。

また、生成AIの生成コンテンツは著作権の問題を抱えていたり、デザインとしてのクオリティが不完全であったりすることもあります。これらの問題を抱えていないかどうかを人間が精査し、修正することで、初めて優れたデザインに仕上げることができます。

生成AIはデザイナーの敵というよりも、デザイナーにとって便利なツールが登場したと考えることで、上手くAIとデザイナーは共生することができるでしょう。

生成AI時代に求められるデザイナーのスキル

このように、生成AIは今後デザイナーにとっては欠かせないツールとなっていくと考えられますが、その上で必要なのがAIを使いこなすためのスキルです。

自然言語での指示が可能になってはいるものの、完全にデザイナー自身の脳や神経と連動しているわけではないため、AIに自身が意図している通りのデザインを生成してもらうためにはその指示の仕方に工夫を凝らす必要があります。

どうすればAIに正しく意図を伝え、修正してもらえるかを考えられる、AIとのコミュニケーションスキルがこれからのデザイナーには求められるでしょう。

まとめ

この記事では、生成AIがデザイナーのどのような仕事を取って代わるようになるのか、デザイナーはどう生成AIを使いこなすべきなのかについて解説しました。

クリエイティブ職の敵とされることもある生成AIですが、その能力には限界もある以上、完全な無人化を進めることは難しいところもあります。

デザイナーにとってもそれは例外ではなく、どうすれば生成AIを有効活用できるかを真剣に考えることで、全く新しい働き方を創出することもできるでしょう。

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出典:

*1 GIGAZINE「AIが中国で既にイラストレーターの仕事を奪い始めている、現場の悲鳴と実際にどのようにAIが用いられているのかをまとめたレポートが公開」

https://gigazine.net/news/20230412-ai-taking-game-illustrators-jobs-china/

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